Swiftエンジニアがフリーランスで案件を獲得するには？必要なスキルと将来性も詳しく解説

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公開日: 2023-10-23

Swiftエンジニアとして、フリーランスの道を歩む際の疑問や不安は山ほどあるでしょう。

本記事では、Swiftの魅力やObjective-Cとの比較、Swiftエンジニアの具体的な仕事内容を明らかにします。

また、フリーランスとしての年収や案件の獲得方法、さらには必要なスキルセットやSwiftエンジニアの市場の将来性も深く掘り下げて解説し、実際の案件例もあわせてご紹介していきます。

Contents

1 Swiftとは
- 1.1 Objective-Cとの違い
2 Swiftエンジニアの仕事内容
3 フリーランスSwiftエンジニアの平均年収・案件単価
4 Swiftエンジニアとして必要なスキルセット
5 フリーランスSwiftエンジニアの将来性
6 Swiftのフリーランス案件を獲得する方法
7 フリーランスSwiftエンジニア向けの案件例
8 まとめ

Swiftとは

Swiftは、Apple社によって2014年に公開されたプログラミング言語です。名前の「Swift」は元々「回転する」を意味する英語で、現代では名詞としてはアマツバメ科の鳥やすばしっこいトカゲを指し、形容詞の意味としては「高速で動く」「短時間に起こる」「迅速に応える」等の意味合いを持っています。

Swiftプログラミング言語は、AppleのiOSやMacのアプリケーションの効率よい開発を目的としており、Appleのデバイス全般、例えばApple TVやApple Watchでも利用が広がっています。

Appleが制作するiOSやMac OSは、ハードウェアとソフトウェアの両方がAppleの手によって作られています。ハードとソフトの統一性が、Swiftを利用するとハードウェアに関連する深い部分のアプリケーション開発が可能な特長へとつながっています。さらにSwiftはオープンソースとして公開されているため、Apple製品以外でも利用が拡がり、Linuxサーバーやクラウド環境などでの採用例も増えています。

C言語とSmalltalkを参考に1983年に登場したObjective-Cと呼ばれる言語がSwift以前のApple製品向けアプリケーション開発に主に用いられていました。

しかしObjective-Cは独特の文法を持っており、学習のハードルが高いと言われていたため、よりシンプルで直感的に学びやすいSwiftが開発されました。Swiftの設計段階では、Objective-Cや他の言語との混在や移行も考慮されており、現在の開発環境へのスムーズな導入が可能です。

また、プログラミング言語の人気を示すTIOBEのランキングでも、2020年度にSwiftが17位から13位へと順位を上げていることから、需要の増加が伺えます。Swiftを習得すれば、幅広いデバイスでのアプリケーション開発が可能となるため、エンジニアとしてのスキルの向上にも寄与するでしょう。

Objective-Cとの違い

Objective-Cは、Swiftが登場する前のApple製品の主要なプログラミング言語でした。Objective-CはC言語をベースとしており、独特な構文を持っています。Objective-Cの大きな特徴として、C言語の資産を活用できる点が挙げられます。しかし、独自の文法や「NS」のような接頭辞が多用されることから、初学者には難解に感じられることも少なくありません。

対照的にSwiftは、Objective-Cの複雑さを排除し、より直感的で簡潔な文法を持っています。Swiftの強力な型推論機能やリアルタイムな動作確認のメリット、さらには高い安全性を実現するための工夫が多数盛り込まれています。Objective-Cの文法の独特さや複雑さを取り去り、初心者でも取り組みやすいように設計されています。

ただ、Swiftが新しいため、一部のライブラリやツールがObjective-Cのみに対応している場合もあります。必要に応じてSwiftとObjective-Cを併用し、効率的な開発を進めることが可能です。

Swiftエンジニアの仕事内容

Swiftエンジニアは通常、Apple製品のアプリ開発をおこなうエンジニアを指します。主にiOS端末やMac向けのアプリケーションを開発する際に使用されるプログラミング言語Swift言語を駆使して、各種ソフトウェアを制作します。

特にiOS端末を操作しながらアプリケーションの開発をおこなうケースが多いです。開発には、通常のプログラミングだけでなく、アプリケーションが正しく動作するかのチェックも含まれます。具体的には、プログラマーの視点からだけでなく、消費者の視点からの操作性や使いやすさなどを考慮しながらテストをおこないます。

また、Swiftエンジニアの主要な仕事としてアプリケーション開発が挙げられます。開発にはいくつかのステップがあり、要件の定義や設計、プログラムの実装、そしてテストなどが含まれます。開発方法にはさまざまな方法がありますが、小規模開発や短期間での開発を要求されるケースでは、アジャイル開発と呼ばれる柔軟な開発方法が採用されることが多いです。

さらに、アプリケーションをリリースしたあとも仕事は終わりません。アプリケーションの使用中に発生する問題の修正や、ユーザーからの要望に応じた機能の追加など、アプリケーションの保守や運用もSwiftエンジニアの重要な仕事の一つで、継続的に対応をおこなっていく必要があります。

Swiftでできること

Swiftは、Apple製品のアプリケーション開発に特化したプログラミング言語として知られています。Swiftを使用すると、どのようなことができるのでしょうか。

まず一般的なのは、AppleのiPhoneやiPad向けのアプリケーションの開発です。消費者向けの便利なツールやゲーム、ビジネスアプリなど、幅広いアプリを制作できます。また、iOS向けのアプリケーションを効率的に制作できるのはもちろん、iPad上でのプログラミング学習ツール「Swift Playgrounds」なども提供されており、教育の現場でも活用されています。

SwiftはAppleのMac向けのアプリケーション開発にも使用できます。Macユーザー向けのビジネスツールやエンターテインメントアプリなどの開発がおこなえます。

大手企業、例えばGoogleやFacebookでもSwiftに注目しており、両社がSwift対応のSDK（開発キット）を提供しています。さらにGoogleは、将来的にAndroidの開発言語としてSwiftを採用する可能性を示唆しています。

Google等に見られるように、SwiftはApple製品だけでなく、広範な領域での利用が期待されています。

また、初心者にとっては、Swiftの文法が簡潔で、RubyやPythonのような軽量プログラミング言語に近いため、学習がしやすいメリットがあります。一方、Objective-Cと比較しても、より少ないコードで同じ処理を実現できるため、効率的にアプリケーションの開発がおこなえます。

フリーランスSwiftエンジニアの平均年収・案件単価

項目	Swiftエンジニアの月単価
平均	69万円
中央値	70万円
最高	115万円
最低	40万円

フリーランスエンジニア向けのIT案件を掲載している、弊社TechReachのSwift案件データでは、平均月単価は69万円、中央値月単価は70万円、最高月単価は115万円、最低月単価は40万円となっています（2023年9月時点）。

年収に換算すると、フリーランスSwiftエンジニアの平均年収は828万円、最高年収1,380万円となります。

Swiftエンジニアとして必要なスキルセット

Swiftエンジニアとして、多くの技術や経験が必要とされますが、特に重要とされるスキルを、具体的な例とともに解説していきます。

サーバー開発の実務経験

Swiftエンジニアの仕事内容を見ると、大規模なシステム開発に参画する場合も多く、Swiftだけでなく、他のプログラミング言語や開発環境との連携が求められる場面も出てきます。

LinuxやAWSをはじめとするサーバー関連の知識は、バックエンドのシステムとの連携や、クラウド上でのアプリケーションのデプロイなどに必要です。例として、iOSアプリのバックエンドサービスをAWS上に構築する際、SwiftエンジニアもAWSの操作や設定に関わることが増えています。

バックエンドシステムの利用例としては以下が挙げられます。

データの動的取得

現代のアプリケーションは、動的に変わるデータを表示したり、ユーザーのデータを保存・取得するケースが一般的です。

例えば、ソーシャルメディアアプリやニュースアプリなどは、サーバーから最新の情報を取得してユーザーに表示します。動的なデータの取得や更新のためには、API経由でサーバーと通信する知識が不可欠です。

認証・認可

ユーザーアカウントを持つアプリケーション（例：メールアプリ、クラウドストレージアプリなど）では、認証（ログイン）や認可（権限付与）のプロセスが必要です。認証・認可のプロセスは通常、サーバーサイドでおこなわれるため、サーバーサイドの仕組みやセキュリティの知識が求められます。

拡張性と維持性

サーバーサイドの知識を持っていることで、アプリのロジックやデータをサーバーに置くことができ、アプリの更新や拡張をおこないやすくなります。アプリ側のロジックをシンプルに保ちつつ、サーバー側で複雑な処理をおこなえるため、全体の維持やアップデートが効率的になります。

リアルタイム通信

チャットアプリやゲームなど、リアルタイムにデータをやり取りするアプリケーションの場合、サーバーサイドの知識は必須です。WebSocketやサーバーからのプッシュ通知など、リアルタイム通信のための技術を利用するには、サーバーとの連携に関する深い理解が求められます。

プログラミングに関する幅広い知識

Swiftは、iOSやmacOSのアプリケーション開発の主要な言語として利用されています。文法の明確さや安全性に重点を置いた設計から、プログラミング初心者にとっても学びやすい言語となっています。しかし、ソフトウェア開発では、言語だけの知識では十分ではありません。

オブジェクト指向分析および設計（OOAD）

多くの現代のプログラミング言語はオブジェクト指向の原則に基づいています。Swiftも例外ではありません。OOADを理解し、システムの要件を的確にとらえ、ソフトウェアのクラスやオブジェクトに変換する能力を身につけられます。

ソフトウェア開発ライフサイクル

Swiftや他の言語に関する知識はもちろん重要ですが、エンジニアとしては、開発の各ステージ毎に適切な技術や手法を適用する能力が求められます。Swiftエンジニアはプログラミングだけと思われがちですが、アプリを実装する以外のステージに関しても理解しておくとよいでしょう。

要件定義:クライアントやステークホルダーからの要件を明確に理解し、文書化します。
設計:要件に基づき、システムの全体的な設計やクラスの設計をおこないます。UMLやデータフローダイアグラムなどのツールが使用されることが多いです。
実装: SwiftやObjective-Cなどの言語を用いてコードを書きます。プログラミング言語の深い知識が特に活きてきます。
単体テスト:書かれたコードが正しく動作するかを確認するためのテストを実施します。
統合テスト:システム全体が連携して正しく動作するかを確認するテストです。
デプロイ:アプリケーションを目的の環境にインストールします。例えば、AWSやGCPに設置し、App StoreやGoogle Play Storeへ公開します。
保守:バグの修正や新機能の追加など、継続的な更新がおこなわれます。

アプリケーションの開発経験

iOSアプリケーションの開発経験は、Swiftエンジニアとしてのスキルセットのなかでも特に重要です。市場の動向やトレンドの変動が激しいなかで、新しい技術やフレームワークを追いつつ、安定して機能するアプリケーションを開発する能力は高く評価されます。

加えて、Objective-CもiOSアプリケーションの開発に用いられるため、Objective-Cでの開発経験を持っているとさらにアピールポイントとなり得ます。

コミュニケーションスキル

技術面だけでなく、ITエンジニアの仕事はチームでの協業が中心となります。Swiftエンジニアも例外ではありません。プロジェクトメンバーやクライアントとの円滑なコミュニケーションは、プロジェクトを成功に導くための鍵です。

特に、上流工程でのヒアリングや要件定義の際に、的確な情報収集と情報をもとにした提案や設計が求められるため、高いコミュニケーションスキルが必要とされます。

フリーランスSwiftエンジニアの将来性

Swift市場の需要と供給のギャップ

Swiftは、新しい言語でありながら、需要が急激に増加しています。特にiOSのアプリ開発での使用頻度が高いことから、iOSアプリ市場の成長とともにSwiftエンジニアの必要性も増しています。しかし、エンジニアの供給が追いついていないのが現状です。

開発案件が豊富でありながら、スキル要件を満たすエンジニアが不足してるような市場状況は、Swiftを習得しているエンジニアにとって、待遇面での利点や仕事の選択肢の広がりとして現れます。

転職市場におけるSwiftの利点

Swiftを使用できるかどうかは、エンジニアの転職時に大きなメリットとなります。特に、他のプログラミング言語の経験がある場合、Swiftへの習得もスムーズに進むと言われています。

例えば、Androidの開発経験があれば、Swiftエンジニアにもプラスに働くでしょう。さらに、現在のSwiftエンジニアの供給不足を受け、企業は異なる分野のエンジニアを採用し、あとからSwiftを習得させる動きも増えています。

iPhoneアプリの将来性とSwift

Swiftの将来性は、iPhoneアプリの需要と密接に関わっています。iPhoneアプリの多様性が増すことで、Swiftの使用頻度も増加していくと考えられます。個人向けのアプリはもちろん、ビジネス分野でのアプリ開発も進展中であり、Swiftエンジニアの需要増加を加速しています。たしかに、新しい技術や代替言語の出現はSwiftの地位を脅かすかもしれません。しかし、現在のところ、iPhoneアプリの人気と多様性が拡大している現状を見る限り、Swiftエンジニアとしてのキャリアは、これからも継続的に注目されるでしょう。

Swiftのフリーランス案件を獲得する方法

Swiftのフリーランスエンジニアとして、案件を獲得するための方法は多岐にわたります。Swiftを使ったiOSアプリの開発など、Swiftは現代の開発環境で需要が高い言語となっています。Swiftを熟知しているエンジニアは市場価値が高いでしょう。

以下、Swiftのフリーランス案件を効率よく獲得するための方法を3つご紹介します。

知人の案件紹介を受ける

知人や友人からの紹介は、信頼関係がすでに築かれているため、安心して案件を受けることができます。また、紹介料や手数料がかからないのも魅力的です。

しかし、紹介だけに頼ってしまうと、案件の連続性に乏しくなる可能性があります。継続的に収入を得るためには、他の方法と組み合わせることをおすすめします。

クラウドソーシングサービスを利用する

クラウドソーシングサービスは、近年市場規模が拡大しており、手軽に仕事を探せるのが特徴です。クラウドソーシングを通じて、Swiftのフリーランスエンジニアとして、自分のスキルレベルや希望に合った案件を見つけることができます。

特に、キャリアが浅い方や、自分の技術力に自信が持てない方でも、幅広い案件から選べるのが魅力です。ただし、単価が低い案件も存在するので、適切な案件選びが必要です。

フリーランス向けのエージェントを活用する

フリーランスエージェントを活用する方法は、Swiftエンジニアにとっても効果的です。フリーランスエージェントは、Swiftの技術力を持つエンジニアに合った案件を紹介してくれるため、個人での案件探しよりも効率的です。特に、エージェントには非公開の求人情報や、大手企業とのつながりがあることも多く、良質な案件を獲得するチャンスが増えます。また、案件の交渉や事務手続きのサポートも受けられるため、安心して仕事に専念できるでしょう。

弊社テックリーチでは、Swift案件を多数扱っています。

上場企業だから安心の入金体制でフリーランスのキャリアをサポートし、希望のライフスタイルをかなえるため、キャリア形成をお手伝いします。

フリーランスでSwift案件をお探しの方は、こちらからご紹介していますので、利用をご検討ください。

フリーランスSwiftエンジニア向けの案件例

以下では、弊社テックリーチの取り扱いSwift案件から、いくつかの具体例をご紹介します。

リモート併用のクラウド型POSシステム案件

案件名	リモート併用｜【Swift】クラウド型モバイルPOSシステムのiOSエンジニア（アプリケーションエンジニア）
想定月収	～750,000円
業界	クラウド
職務内容	クラウド型モバイルPOSシステムを展開されている会社様になります。新機能開発や既存機能の改修に携わって頂きます。◆技術環境・開発言語:Swift、Objective-C・DB：Aurora（PostgreSQL）、RDS・サーバ：AWS・その他: Git、Redmine、Backlog
勤務地	東京都中央区
求めるスキル	・要件定義～運用・保守までのご経験・Swiftを用いたWEBサービス開発のご経験年数が3年以上

本件はクラウド型POSシステムのアプリケーション開発案件です。Swiftでの開発経験年数として3年、要件定義から保守まで全工程の経験が求められるため、アプリケーション開発経験者向けの案件です。

フルリモート可の地域通貨サービス開発案件

案件名	フルリモート可能｜【Swift】デジタル地域通貨サービスの開発（アプリケーションエンジニア）
想定月収	～1,000,000円
業界	金融
職務内容	ブロックチェーン技術を活用したステーブルコイン発行に向けた開発をご担当していただきます。本プロジェクトでは、個人のお客様や事業者様の取引金融機関を問わず利用可能な決済システムの構築を目指しており、某信用金庫様と某銀行様の両者が協働される形になります。各市町と地域金融機関が一体となりデジタル地域通貨の利用を促進することで、地域の皆様に利便性の高い決済手段を提供するとともに、行政サービスの向上や生産性向上を実現できるプロジェクトになります。
勤務地	フルリモート
求めるスキル	※Kotlin／Swift／SEの経験は1個でも当てはまれば良いです。・Typescript（WEBアプリのフロントとバック）の開発経験3年以上程度目安・Andoroid（Kotlin）でのアプリ開発経験3年以上・iOS（Swift）でのアプリ開発経験3年以上・SE-上流工程の経験がある方・金融系開発経験のある方

本件は、地域通貨サービスをブロックチェーン技術で実現する案件です。Swift以外にもTypeScriptの開発経験年数と金融系開発経験が求められますが、比較的高単価の案件です。

まとめ

Appleの最新プログラミング言語、Swiftの案件を受けるために必要なスキルや将来性、仕事内容など詳しく見てきました。

SwiftはObjective-Cに比べてシンプルで効率的な文法を持つ。
SwiftエンジニアはiOS/macOSのアプリケーション開発を中心に活躍。
サーバー開発の経験や、チーム内でのコミュニケーションスキルが重要。
Swiftのフリーランス案件獲得方法には、知人紹介、クラウドソーシング、エージェント利用などがある。

Swiftエンジニアとしての必要なスキルセットとしては、サーバー開発の実務経験、特にデータの動的取得や認証・認可、リアルタイム通信の実装能力が求められます。また、オブジェクト指向分析および設計、ソフトウェア開発のライフサイクルに関する知識も重要です。アプリケーションの開発経験はもちろん、チームでの開発を円滑に進めるためのコミュニケーションスキルも大切です。

iOSのアプリケーションは日本をはじめとして世界でも多数のユーザーがいます。無料で入手できるSwiftを使ってアプリケーション開発を経験してみてはいかがでしょうか。