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フリーランスの帳簿とは?つけ方の流れや種類、注意点などについてわかりやすく解説

フリーランスとして独立するまでは、帳簿をつけたことがある方は少ないかもしれません。また、フリーランスは確定申告の必要があるのか、白色申告をするのか、青色申告をするのか、などによってつけるべき帳簿の種類も変わってきます。この記事では、つけるべき帳簿の種類や注意点について解説していますので、ぜひご覧ください。

帳簿とは?

帳簿とは、事業の取引や、現金の動き、売掛・買掛取引の状況、経費、固定資産、資産と負債についてなどを記録する帳面、台帳のことです。

会社法では、事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から10年間の保存が義務付けられていますが、フリーランスは、確定申告をおこなう必要がない場合など、帳簿の作成は義務付けられていません。

ただし、確定申告をおこなう場合は、白色申告、青色申告ともに帳簿の作成が義務付けられており、法人と同様に7年間の保存が義務付けられています。

フリーランスが帳簿をつける必要性

フリーランスとして事業を営んでいると、期中のある時点でどの程度の売上があり、どの程度の利益があがっているのか、分からなくなる瞬間があります。口座の残高が増えていれば、利益があがっていると考えることができるかもしれませんが、フリーランスの場合、そこから税金が引かれることを考慮しなければなりません。また、生活口座と事業口座が同じだったり、生活用と事業用のクレジットカードが同じ場合、生活費による消費があります。このような状況で、事業の状態を把握するのは難しいといえるでしょう。

帳簿をつけるのは、事業の経営状態を明確化する目的があります。経営状態を知ることができれば、例えば、経営悪化の原因を早急に知ることができれば、対処も可能です。

また、帳簿付けは上記で解説した通り、白色申告、青色申告をする際には必ず作成する必要があります。

帳簿の種類

帳簿の種類について解説します。

主要簿

主要簿は、『総勘定元帳』と『仕訳帳』の2つを指します。仕訳帳は、すべての取引を勘定項目をつけて取引した日付順に記録していきます。総勘定元帳は、仕訳帳のすべての勘定項目ごとに転記し、まとめられた帳面です。

いずれも青色申告で複式簿記を選択した際に、保存が義務付けられる法定帳簿(法律によって作成と保存が義務付けられる帳簿)になります。

補助簿

補助簿は、主要簿を補うような役割をする帳面・台帳のことです。主要簿は勘定項目に関連した取引全体を確認できますが、補助簿はそれだけではすぐには確認できない事柄について確認する際などに役立ちます。

具体的には、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳などです。補助簿は補助的な位置づけと解説しましたが、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳などは、青色申告では法定帳簿になります。

帳簿のつけ方

帳簿のつけ方は、帳簿をどんな手段で作成するかによって異なります。主な手段は、手書き、エクセルなどの表計算ソフト、会計ソフトの3つです。

 

・手書き

手書きのメリットは、PCなどの操作が不慣れな方でも作成できる点です。ただし、手書きのちょぼでは、青色申告のメリットである青色申告控除は最大55万円までしか受けることができず、65万円まで受けるには、電子帳簿による帳簿作成が必要です。

 

・エクセルなどの表計算ソフト

帳簿をエクセルによって作成するメリットはお金があまりかからないことです。その代わり、エクセルの機能や、仕訳帳、総勘定元帳などの仕組みを理解していないと、そもそもひな形を作るのにも苦労します。ひな形はインターネットで検索して探せば見つかるかもしれませんが、自分の事業にとって使いやすいものが探せるかどうかは、運しだいになります。

これらの問題をクリアできるならば、帳簿をエクセルで運用するのも悪くありません。

 

・会計ソフト

仕訳帳の入力をおこなえば、総勘定元帳などを作成してくれます。確定申告書や青色申告決算書の作成もサポートしてくれます。また、法律の改正などにより、帳簿のルールが変更されても、速やかに対応可能です。

フリーランスが知っておきたい帳簿のこと

既に述べたようにフリーランスは、確定申告をおこなう必要がない場合は、帳簿の作成は義務付けられていません。ですが、青色申告か白色申告をおこなう場合、帳簿が必要になってきます。また、白色申告は、簡易帳簿で良い、という点がメリットになっているため、白色申告と青色申告の帳簿にどんな違いがあるのか気になっている方もいると思います。

下記、青色申告と白色申告の帳簿についてそれぞれ解説します。

青色申告で帳簿をつける場合

青色申告には、2種類の帳簿のつけ方があります。簡易簿記と複式簿記です。

簡易簿記では、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳の5つが必要で、複式簿記では、それに加えて、仕訳帳、総勘定元帳が必要になります。

また、簡易簿記では最高10万円の青色申告特別控除までしか受けられず、最高65万円の青色申告特別控除は複式簿記による帳簿づけが必要です。

下記、それぞれの帳簿について簡単に解説します。

 

・仕訳帳

事業上の取引が発生した日付順に、その内容を借方と貸方に分類(仕訳)した帳簿です。

 

・総勘定元帳

仕訳帳にすべての事業上の取引が記載されているのに対し、勘定科目ごとに取引が記載されているのが総勘定元帳です。総勘定元帳の内容は仕訳帳から転記可能です。

 

・現金出納帳

日付順に現金の流れだけを記録していきます。そのため、現金による取引をおこなっていなければ、必要ありません。

 

・売掛帳・買掛帳

総勘定元帳の売掛金、買掛金と似ていますが、売掛金・買掛金が掛取引のすべてを記載してあるのに対し、売掛帳・買掛帳は顧客ごとにまとめたものです。こちらは現金取引しかおこなわない場合、不要になります。

 

・経費帳

仕入以外の事業上の費用をまとめたものです。例えば、水道光熱費、旅費交通費、給料賃金などです。

 

・固定資産台帳

固定資産や繰延資産を管理する帳簿になります。

 

参考URL:記帳や帳簿等保存・青色申告(国税庁ホームページ)

関連記事:フリーランスはまず青色申告から!青色申告のメリットとやり方をわかりやすく解説

白色申告で帳簿をつける場合

白色申告は、収入金額や必要経費を記載した帳簿と、業務に関して作成した帳簿(任意帳簿)の二つの帳簿の作成と保存が義務付けられています。いずれもこうでなければならないというフォーマットや決まりはありませんが、整然と、かつ、明瞭に記録、することとされています。

以下、白色申告の帳簿の様式例になります。

 

 

参考URL:帳簿の記帳のしかた(事業所得者用)(PDF/10,419KB)(国税庁ホームページ)

青色申告と白色申告で迷った場合

青色申告と白色申告で迷った場合は、両者の大きな違いである節税効果か、簡易に確定申告を済ませたいか、という点からまず判断をすると良いでしょう。

節税効果では、白色申告は最大10万円の控除なのに対し、青色申告は最大65万円まで控除があります。節税効果は、所得税のみならず住民税にも恩恵があります。

一方、簡易に確定申告をおこなうという点では、白色申告は簡易帳簿で良いのに対して、青色申告の恩恵を最大限に受けるには複式簿記の作成が必要です。簡易帳簿であれば、新たに複式簿記の知識を学ぶ必要もないため、事業に専念したい人は、白色申告という選択もありかもしれません。

ただ、事業に専念したいのであれば、確定申告を税理士に依頼するという方法も考えられます。

また、複式簿記の作成は慣れれば、そこまで難しいものでもないため、可能であれば青色申告を選択したいところです。

フリーランスが帳簿をつけないとどうなる?

フリーランスで白色申告、青色申告をした場合、帳簿の作成・保存は義務と述べてきましたが、帳簿自体は確定申告では、提出しません。それでは、作成する必要はないのではないか、と疑問に思う方もいるかもしれませんが、帳簿は税務調査などの際に、提出を求められることがあります。その際に、帳簿の提出ができず、帳簿をつけていないと判断されると、青色申告が認められない、などのペナルティが課されることがあります。

帳簿はこまめにつけるようにしましょう。

まとめ

日々の業務が忙しいと帳簿をつけ忘れたり、後でまとめてつければいいと思ってしまいがちです。

この記事を参考に自分にとってどんな帳簿が必要なのかを確認し、こまめにつけるようにしてください。

また、帳簿の記帳の仕方がわからないという方は、税務署では無料指導も受け付けていますので、そちらも適宜利用すると良いでしょう。

 
参考URL:記帳の仕方がわからない方へ

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