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フリーランス転身で後悔する人の特徴とは?知っておきたい情報を解説

フリーランスになって良かったという言葉を聞く半面、フリーランスになって後悔したという言葉も聞きます。この記事では、フリーランスになって後悔する人の特徴をみていくとともに、後悔しないために何ができるかについて解説していますので、ぜひご覧ください。

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フリーランスになって「後悔した」と感じることは?

フリーランスになって「後悔した」という意見を耳にすることがありますが、その前に、この場合のフリーランスが、どのようなフリーランスを表しているのか確認しておきます。

フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」によれば、フリーランスとは、会社に属すことなく個人で働く場合だけでなく、個人が法人を設立して従業員を雇うことなく一人で働く場合も含まれるとのことです。

このようにフリーランスといっても、多様な働き方を指しています。例えば副業をしている人は、副業の部分はフリーランスという働き方になり、会社員とフリーランスの両刀ということになります。このような場合、「後悔」という言葉は当てはまりません。

「後悔」という言葉があてはまるフリーランスの働き方は、会社員を退職し、フリーランス一本でやっていこうと決めた場合を指します。

前置きが長くなりましたが、以下「後悔」するであろうポイントについて、3つみていきます。

金銭面

一つ目は、金銭面についてです。

収入が安定しない

会社員時代は、月給制でよほどのことがない限り、毎月決まった給料が振り込まれます。しかし、フリーランスは月額固定の業務委託契約や、運用案件などがない限り、やった分だけしか収入になりません。

案件が少なければ、収入はほとんどなくなく、案件がゼロになれば、収入はありません。

実際、現役のフリーランスを対象におこなわれたフリーランスとしての障壁や、フリーランスを続けていくうえでの不安や悩みといった調査では、収入面に悩みを抱えている人が多くいる、という結果が出ています。新・フリーランス実態調査 2021-2022年版(19ページ目)によると、最も多い回答は「収入がなかなか安定しない」で、31.5%を占めておりフリーランスとして働く人の意識・実態調査2021(13ページ目)によると、最も多い回答は「収入が不安定・低い」で、56.8%を占めています。

このように、多くのフリーランスが収入が安定しない、ということに悩みを抱えていることが分かります。

福利厚生がない

会社員時代に福利厚生のしっかりとした会社に勤めていた場合、フリーランスとして独立するとそのありがたみに気づく可能性があります。

福利厚生には大きく分けて2種類あります。法律によって定められている法定福利厚生と、企業によって任意に設定できる法定外福利厚生です。

法定福利厚生は、健康保険、厚生年金、労働保険、介護保険などがあり、フリーランスになっても利用可能なものと、同等のものに再加入が必要なものと、加入できないものに分かれます。

介護保険は、そのまま加入可能です。健康保険は国民健康保険に、厚生年金は国民年金に加入し直す必要があります。労働保険には加入できません。

法定外福利厚生は、基本的に利用できません。例えば、住宅手当、家賃補助、交通費の支給などが法定外福利厚生に該当します。

確定申告などの手続きを自分でやらないといけない

会社員は確定申告を会社がおこなってくれますが、フリーランスになると自分でおこなわなければなりません。

確定申告を初めておこなう場合、その仕組みの分かりづらさや、煩雑さに、苦労する人もでてくるかもしれません。

実際、フリーランスを対象にしたフリーランスとして働く人の意識・実態調査2021(13ページ目)によれば、「確定申告の手続きがわかりづらい」という回答が8.6%を占めています。

確定申告を税理士に依頼することもできますが、報酬はそれなりの費用がかかります。独力で難しければ、税務相談チャットボット、確定申告電話相談センターなどを利用したり、確定申告をおこなう税務署に直接出向き相談するとよいでしょう。

仕事面

二つ目は、仕事面についてです。

営業活動をする必要がある

会社員時代に、その日にする仕事がなくて、困ったことがある人は少ないかもしれません。企業には営業部署があり、営業が仕事をとってきた仕事をするというのが一般的だからです。フリーランスとして独立すると、営業の仕事を自分でしなければなりません。一度も営業をしたことがない人は、営業活動に苦労するかもしれません。

実際、フリーランスを対象にした新・フリーランス実態調査 2021-2022年版(19ページ目)によれば、「仕事がなかなか見つからない」と回答した人が13.2%を占めています。また、フリーランスとして働く人の意識・実態調査2021(13ページ目)によれば、「仕事の受注が難しい」と回答した人は20.4%を占めています。

周囲からスキルを学びづらい

会社員であれば、これからやる仕事や割り当てられた仕事について、分からないことがあれば、先輩や上司に教えてもらうことができます。先輩の仕事をみながら学んだり、仕事をしているところを見てもらったり、直接質問したりなどです。

しかし、フリーランスは教えてくれる人は誰もいません。仮に助言をしてくれる人がいても、会社員時代のように手厚いフォローをしてもらうのは難しい場合が多いです。

実際、フリーランスを対象にした新・フリーランス実態調査 2021-2022年版(19ページ目)によれば、「自分のスキルが向上しているのか分からない」または「スキルを向上させることができない」と回答した人が15.3%を占めています。また、フリーランスとして働く人の意識・実態調査2021(13ページ目)によれば、「キャリア形成・能力開発が難しい」または「相談できる相手がいない」と回答した人は12.8%を占めています。

休みをとりづらい

会社員であれば、土日祝日など暦通りに休むことができるのが一般的ですが、フリーランスは休みがとりづらい傾向があります。

会社員は、勤務時間によって仕事の時間が定められていますが、フリーランスの請負契約による案件は、仕事の納期によって仕事の時間が決まります。

納期に間に合わせるために、夜中や休日も作業をしなければならない状況もあります。

実際、フリーランスを対象にしたフリーランスとして働く人の意識・実態調査2021(13ページ目)によれば、「働く時間が長い・休めない」と回答した人は7.3%を占めています。

生活面

三つ目は、生活面についてです。

人と話すことが減る

会社員であれば、同僚や上司など同じ職場の人がいますが、フリーランスにはいません。顧客相手に会話することもあるかもしれませんが、それは会社員も同様です。

相対的に、会社員時代よりも人と話すことが減る可能性が高いです。

長期的なライフプランが立てづらい

会社員であれば、企業が倒産したり、企業を退職することになったりしない限り、会社員を続けていけるのが一般的ですが、フリーランスはたとえ現在仕事があったとしても将来も仕事がある保証がありません。

また、会社員であれば、退職金により老後の備えができますが、フリーランスに退職金はありません。

収入の安定性や、社会的な信用が低いことから、住宅ローンなども組めないことがあります。

実際、フリーランスを対象にした新・フリーランス実態調査 2021-2022年版(19ページ目)によれば、「退職金による老後の備えができない」と回答した人が15.9%を占めています。

周囲からの理解が得られづらい

会社員を続けていた人が独立を決意し、フリーランスになりたいといっても、周囲から理解されない可能性があります。

これまで説明してきたように、フリーランスは、収入が安定しない、社会的な信用が低い、など会社員時代にはなかったデメリットがあります。また、それ以上に、フリーランスをずっと続けていけるのか、といった疑問を周囲の人は持っているからです。

会社員を続けたほうがいいのではないか、と周囲の人は思う可能性が高いのが現実です。

実際、フリーランスを対象にした新・フリーランス実態調査 2021-2022年版(19ページ目)によれば、「家族やパートナーに将来を心配される可能性がある」と回答した人が8.3%を占めています。

フリーランスに転向して後悔しやすい人の特徴

フリーランスとして独立して、後悔しやすい人の特徴を4つ解説します。

仕事の優先順位が付けられない人

フリーランスに転向すると、会社員時代の管理から解放されます。働く時間が決められていなければ、会社員が働いている時間に仕事をしていなくても誰からも注意されることはありません。

しかし、フリーランスになったからといって、仕事をしなくても生活ができるようになったわけではありません。自由になった時間を、自ら仕事時間に割り当てていかなければなりません。特に請負契約の案件を受注した場合は、納期があるので、納期までに納品できるように自分でスケジュール管理をする必要があります。仮に納品できなかった場合、二度と同じクライアントから受注されなくなるということもあり得えます。

自分から学ぼうとする意欲がない人

フリーランスとして独立し、特定のスキルで生活をしていこうと決めて、そのスキルで生活できたとします。案件をこなすことで、そのスキルはどんどん上達し、仕事の速度も増していくでしょう。それ自体はよいことですが、同じ案件ばかりをこなしていくことになります。仮に世の中が変化し、そのスキルを活用した案件数が減少したり、単価が下がった場合、どうしたらいいか分からない、という事態に遭遇するでしょう。

確定申告など事業に付随する作業を面倒に感じる人

会社員時代は、バックオフィスがあり、経費・勤怠の管理、見積・請求書の管理、簿記付けや確定申告などをおこなってくれていましたが、フリーランスになると、それらを適宜おこなわなければならない場合があります。

初めて行う事務作業も自ら調べて、間違いのないようにしなければならないため、そういった作業が面倒に感じる人は、フリーランスになって後悔するかもしれません。

また、インボイス制度(2023年10月施行)のように、世の中の仕組みが変わることもあるので、普段から情報集めを習慣化し、対応することが求められます。

 

なお、インボイス制度については下記の記事に詳しく記載されていますので、詳しくお知りになりたい方はご確認ください。

 

関連記事:フリーランスが知っておくべきインボイス制度について解説

案件獲得のための営業が不得意な人

会社員時代は出社して、その日にする仕事がまったくなかったという経験をしたことがある人はあまりいないと思いますが、フリーランスはそういうことは起こりえます。

会社員時代に仕事があったのは、企業に営業がいたからです。フリーランスは営業も自分でしなければなりません。営業が不得意な人は、そもそも収入を得るための仕事がないという状態になるため、独立して後悔することになります。

フリーランスになって後悔しないために

フリーランスになって後悔しないために何をしたらいいか、について解説します。

自己管理能力を向上させる

スケジュール管理、財政管理、体調管理、モチベーション管理といったように、まずは管理すべきものを見える化し、向上させるにはどうしたらいいか考えます。

たとえば、スケジュール管理や財政管理は便利なツールを導入したり、体調管理はなるべく決まった時間に働くようにし、決まった時間に休憩をとり、決まった日に休む、といったことを決め、モチベーション管理は同じフリーランスをしている仲間を作る、といった具合です。

自己研鑽の習慣を身に着ける

世の中が変化すると、今あるニーズが途端になくなることがあります。突然なくなることは滅多にないかもしれませんが、今よりも案件数が減り、単価も下がるということは起こりうるでしょう。そんな際、企業であれば世の中のニーズに合わせて新規に事業を立ち上げるでしょう。同様に、個人でもリスキリング(学びなおし)などをおこない、自らをアップデートしていく必要があります。

なお、フリーランスを対象にした新・フリーランス実態調査 2021-2022年版(22ページ目)によれば、「フリーランスの学ぶ意欲」はノンフリーランスと比較し8.1%高い傾向にあるとしています。

 

スキルなしでも目指せるフリーランスの仕事を5つ紹介していますので、気になる方はご確認ください。

 

関連記事:スキルなしで目指せるフリーランスの仕事5選|知っておきたい注意点も解説

フリーランスになる目的を明確にする

会社員を辞めて、フリーランスになりたいと思ったからには理由や目的があるはずです。その目的を達成するために、苦手なものや面倒なこと、辛いことがあった時などに、乗り越えていこうという意識づけが大切です。

働き方・労働時間のメリットが大きいことを理解しておく

会社員と比較してフリーランスは、働き方や労働時間など自由であるというメリットがあります。

実際、フリーランスを対象にした新・フリーランス実態調査 2021-2022年版(18ページ目)によれば、「フリーランスになったきっかけ」は、「時間にとらわれない働き方をするため」と回答した人が31.3%、「自己実現のため」と回答した人が25.8%、「場所にとらわれない働き方をするため」と回答した人が19.9%となっており、またフリーランス白書2020(32ページ)によれば、「自分の裁量で仕事をするため」と回答した人が57.1%、「働く場所/時間を自由にするため」と回答した人が51.3%、「より自分の能力/資格を生かすため」と回答した人が43.7%、「ワーク・ライフバランスを良くするため」と回答した人が37.4%などのように、会社の都合にとらわれない働き方がしたい、というニーズが高いことがうかがえます。

テレワークの普及率は上がっている

コロナ禍により、企業によるテレワークの普及率は上昇していますが、同様にフリーランスのテレワークの普及率も上昇しています。

令和3年に総務省の発表した「企業のテレワーク実施率」によれば、コロナ禍による緊急事態宣言直後(2020年5月)には、それまでのテレワーク実施率17.6%から56.4%に急上昇し、その後(2020年7月から2021年3月まで)は、31.0%から38.4%の間に落ち着いているとしており、また同じく令和3年に内閣府の発表した「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」によれば、緊急事態宣言直後には、それまでの10.3%から27.7%に上昇し、その後(2020年12月から2021年10月まで)は、21.5から32.2%の間となっているとしています。

一方、フリーランスを対象にした新・フリーランス実態調査 2021-2022年版(17ページ目)によれば、1年間でオンラインの仕事をしたことがあるというフリーランスが53.2%おり、オフラインに比べて働く時間が短く、高報酬であるということも併記されています。

独立する前から人脈による収入源を作っておく

フリーランスになる前から、収入源を確保することも大切です。営業が苦手な人でも知人の紹介や、会社員時代の取引先などから安定的に案件が来るようになれば、独立してからも困りません。

フリーランス白書2020(15ページ)によれば、受注経路は「人脈(知人の紹介含む)」と回答した人が73.8%、「過去・現在の取引先」と回答した人が52.3%としており、新・フリーランス実態調査 2021-2022年版(20ページ目)によれば、仕事の獲得方法は「人脈」と回答した人が44.6%います。

 

また、別の記事になりますが、フリーランスとして安心して働くためのポイントについて下記記事で詳しく解説していますので、気になる方はこちらもご確認ください。

 

関連記事:フリーランスとして働く不安とは?安心して働くポイントを解説

まとめ

フリーランスに憧れている人も多いと思いますが、いざフリーランスになってから後悔するポイントや、後悔する人の特徴について解説してきました。

しかし、フリーランスを対象にした新・フリーランス実態調査 2021-2022年版(32ページ)によれば、現在の働き方を続けたいというフリーランスが53.2%いるのに対して、企業で雇用されたいというフリーランスは5.9%となっています。このように、どんな状況であっても、フリーランスを続けていたいと考えるフリーランスの人が多いというのも事実のようです。

この記事を参考にぜひフリーランスを目指してみてください。

 

最後に、関連記事として下記をご紹介いたします。未経験からフリーランスになるまでの方法について詳しく解説しています。

 

関連記事:未経験からフリーランスになるには?必要な知識や手続きを詳しく解説

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