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JavaとJavaScriptとの違い、それぞれの特徴や名前が似ている理由について

同じ『Java』という名前を冠していながら、JavaとJavaScriptはまったく異なるプログラミング言語になっています。そこでこの記事では、JavaとJavaScriptの異なる点をそれぞれの特徴を踏まえたうえで説明し、JavaScriptの名前の由来についても記載しています。ぜひともご確認ください。

JavaとJavaScriptとの大きな違い

名前の似ているJavaとJavaScriptですが、プログラミング言語としての特徴や機能がまったく異なったものになっており、IT業界では両者のことを『メロンとメロンパンくらい違う』と、よく表現されています。主な違いは以下のとおりです。

 

・javaはSun Microsystems社が開発した言語(2010年に買収され、現在はOracle社)で、javascriptはNetscape Communications社からリリースされた言語である。

・現代のシステム構築において、Javaはバックエンド開発、JavaScriptはフロントエンド開発で主に利用する。

・Javaはコンパイラ言語でJavaScriptはインタプリタ言語。

・Javaは仮想マシン(JVM|Java Virtual Machine)でプログラムを実行し、JavaScriptは基本的にブラウザ上で実行される。

 

今回の記事では、これらの違いをそれぞれの言語の特徴とあわせて説明をしていきます。

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Javaの特徴

Javaの特徴を説明し、JavaScriptと比較をしていきます。

Javaとは

1996年にSun Microsystems社からリリースされ、2010年に同社がOracle社に吸収合併されたため、Javaの版権も移行されました。Javaは非常に汎用性が高い言語として知られており、WebサイトやWebアプリケーションの開発以外にも、業務システムやAndroidアプリケーション、組み込みシステムなど、多岐にわたるバックエンド開発が可能です。

また、実行速度が他のバックエンド開発で利用するプログラミング言語に比べて早く、安全性も高いといわれているため、数多くの企業に利用されてきた実績があります。特に有名なものはGoogleで、Google社が利用しているGoogle三大言語(Java、C++、Python)にも加えられているプログラミング言語です。

Javaはこれらの特徴から、弊社TechReachの主要プログラミング言語の案件数ランキングで全13件中1位となっています。(2022年9月現在|主要プログラミング言語は Java以外にRuby、JavaScript、PHP、C#、Python、TypeScript、Kotlin、Swift、GO言語、C++、C言語、Objective-Cと比較)

Java仮想マシン上で動作する

Javaを利用するためにはJDK(Java Development Kit|Java開発キット)というJavaを開発するために必要なキットをインストールしなければなりません。そして、JDKのなかに入っているソフトウェアのひとつにJava仮想マシン(JVM)というものがあり、Java仮想マシンはJavaのプログラムを実行するために必要なものになっています。

プログラミング言語で記述された内容は、人間が分かるように表示されています。そのため、プログラミング言語の記述はそのままコンピューターが理解することができず、プログラミング言語を機械語に翻訳する過程が必要になります。

通常のプログラミング言語は、WindowsやmacOS、LinuxなどのOSに合わせて、それぞれに適応した機械語に翻訳しています。本来であればそのような処理が必要になりますが、JavaはJava仮想マシンが入ることによってOSごとの違いを吸収し、OSに合わせた機械語に翻訳をしてくれるので、プログラムの書き換えをする必要がありません。

Java仮想マシンを利用できない言語では、OSが変わった際にコードを書き換えたり、ひとつの言語で対応ができない場合は別の言語に書き換えたりしなくてはいけなくなっています。そのため、JavaはJava仮想マシンという点においても汎用性の高い言語であるといえるでしょう。

また、Java以外でも、KotlinやScalaなどのプログラミング言語はJava仮想マシンを利用できるようになっています。これらのように、Java仮想マシンが使えるプログラミング言語のことを、JVM言語ともいいます。

単体で動作するアプリケーションを作れる

インターネットやサーバーなどのネットワークに接続せずに利用できるアプリケーションのことを、スタンドアロン(スタンドアローン)のアプリケーションといい、OSにインストールをすれば他のネットワークに依存せずに利用することが可能です。

Javaはスタンドアロンのアプリケーションを開発することができるようになっています。それに対してJavaScriptは、ブラウザ上で動作をするプログラミング言語のため、基本的にはインターネット接続がないと利用することができません。そのため、JavaScriptではスタンドアロンのアプリケーションを開発することができなくなっています。

しかしながら、JavaScriptの実行環境であるNode.jsをインストールすることで、JavaScriptを利用したバックエンド開発ができるようになります。それゆえに、開発をしようと思えば、JavaScriptでもスタンドアローンのアプリケーションを作成することも可能です。

また、Javaについてまとめた記事やフレームワークについての記事もありますので、こちらもぜひご確認ください。

 

関連記事:Javaのプログラミングで出来ることまとめ【フレームワークも紹介】

     Java言語のフレームワークはこの5つを押さえよう【2022年版】

JavaScriptの特徴

Java Scriptの特徴を説明し、Javaと比較をしていきます。

JavaScriptとは

1995年にNetscape Communications社にリリースされたオブジェクト指向のスクリプト言語で、HTMLやCSSなどと同じく、フロントエンド開発の必須スキルになっています。

なぜ必須スキルになっているかというと、JavaScript以外のプログラミング言語では、ポップアップウィンドウや画像の拡大など、ブラウザ上で動くWebページを作成することができなくなっているからです。そのため、フロントエンド開発をするうえで、JavaScriptはとても重要なスキルとなっています。

また、JavaScriptがふんだんに使われるWebページのことを『リッチなWebページ』などといい、UI(User Interface|ユーザーインターフェース)やUX(User Experience|ユーザーエクスペリエンス)の向上を目指すうえでも欠かせません。それらのような特徴から、弊社TechReachのJavaScript案件も多くなっており、主要プログラミング言語の案件数ランキングでは、全13件中2位になっています。

インタプリタ方式を採用している

プログラミング言語を機械語に翻訳する方法は、インタプリタ方式とコンパイル方式に大別され、JavaScriptはインタプリタ方式を採用しています。

インタプリタ方式の言語は機械語への翻訳をひとつずつおこなうようになっており、記述したプログラムを順次実行できるという特徴があります。記述したコードをすぐに実行できるため簡単に確認をすることができますが、実行速度が遅いというデメリットがあります。

それに対して、Javaはオブジェクト指向のコンパイラ言語となっています。コンパイル方式を採用している言語では、機械語への翻訳をコンパイルという方法で一括でおこない、プログラムの実行もまとめておこなうようになっています。インタプリタ方式に比べて実行速度が速くなっていますが、コンパイルという作業が入るため、手間が増えてしまうというデメリットがあります。

主にブラウザ上で動作する

ここまでに説明してきたように、Java Scriptはブラウザ上で動作するプログラミング言語です。そのため、JavaのようにJDKやIDE(統合開発環境)を用意することなく、ブラウザとテキストエディターがあれば開発をすることができます。

また、JavaScriptのような動的Webページは、JavaScriptがHTMLとCSSに指示をする形で実現されています。そのため、JavaScriptのプログラムをHTMLファイルに埋め込むか、外部ファイルとして読み込んで実行されるようになっています。

HTMLファイルに直接埋め込んだ場合は、処理が早いというメリットがあります。しかしながら、JavaScriptとHTMLのコードを書き分けることができないため、保守や機能拡張時の管理が煩雑になるというデメリットがあります。

それに対して外部ファイルに記述する場合は、保守や機能拡張時の管理がしやすいというメリットがあります。しかし、外部ファイルのサイズによって、時効速度が遅くなる可能性があることがデメリットとして挙げられます。

また、JavaScriptエンジニアの年収などをまとめた記事や、フレームワーク・ライブラリについてまとめた記事もありますので、こちらもぜひご確認ください。

 

関連記事:JavaScriptエンジニアの年収は?年収の幅や年収を上げる方法をご紹介

     JavaScript言語のフレームワークはこの5つを押さえよう【2022年版】

名前が似ている理由

JavaとJavaScriptはここまで見てきたように、まったく別のプログラミング言語です。それなのになぜ、両者は名前が似ているのでしょうか?ここではJavaScriptの開発された背景と、名前の経緯をお伝えします。

JavaScriptの開発された背景

1991年に初めてインターネット上にWebページが公開されてから、1995年まで動的Webページというものはなく、WebページはHTMLとCSSだけで構成されたものでした。

JavaScriptの開発元である、Netscape Communications社は1994年Netscape Navigator(以降NNと表記)というブラウザをリリースしており、圧倒的なシェアを誇っていました。十分なシェアを獲得していたNNですが、Netscape Communications社は動きのあるWebページを作成しようと模索していました。

また、当時は各社からさまざまなブラウザがリリースされており、NNのシェアを奪うために、NNと互換性を持ちながら自社ブラウザに独自機能を搭載する流れが生まれていました。

そのようななか、SunMicroSystems社(現在はOracle社)が1995年にHotJavaという、Javaで実装されたブラウザをリリースします。HotJavaでは、Javaアプレットというプログラムが搭載され、HTMLでは難しかった動きのある内容を表示することができるようになっており、とても人気が出ていきました。

HotJavaを知ったNetscape Communications社は、SunMicroSystems社と協力をしてブラウザにJavaを組み込みます。また、それとは別に、Java以外のプログラミング言語を利用して、動的Webページを作るための開発を進めており、そのような状態でリリースされたのがJavaScriptの原型である『Mocha』でした。

これらのように、JavaScriptが開発された背景には、自社独自のブラウザのシェアを獲得しようとする社会の流れがあります。また、当時のJavaはリリースされたばかりのプログラミング言語であり、Javaアプレットの影響もあって、人気がとても高かった時期でした。

開発当初の名称は『Mocha』

JavaScript開発者のBrendan Eich氏によると、JavaScriptは1995年の5 月〜12 月までの6 ヵ月間で、『Mocha』という名前から『LiveScript』に変更され、同年12月の初旬に Netscape Communications社とSunMicroSystems社でライセンス契約を結び、『JavaScript』という名称に変更されたそうです。これは上述したように、Javaが当時人気があったため、その人気にあやかる形でネーミングされました。

また、JavaScriptはブラウザ上でコードを実行するために『JavaScriptエンジン』というものが必要になります。一番最初のJavaScriptエンジンは、先ほどからお伝えしているブラウザの『Netscape Navigator(NN)』に向けてBrendan Eich氏によって作成されたものでした。

加えて、JavaScriptが現在でも使われている背景には、Netscape Communications社とMicrosoft社の『第一次ブラウザ戦争』や、Microsoft社にJavaScriptのライセンを与えなかったためにMicrosoft社が作成した『JScript』という言語のこと、『AdobeのFlash』との動きのあるWebページ作成の争い、JavaScriptが落ち目になってきた際にGoogleMapで使用された『Ajax』などの経緯があります。

今回の記事では趣旨が逸れてしまうため説明できかねますが、気になった方は『JavaScript 歴史』、『第一次ブラウザ戦争』などでブラウザ検索をしてみてください。

 

出典:javaScript creator ponders past, future – InfoWorld

まとめ

JavaとJavaScriptは同じ名前を冠していながらまったく違う言語になっているため、今回の記事で説明をしたような内容を意識していきましょう。

また、記事の最後にJavaScriptの歴史について記載をしましたが、 Javaの成り立ちをC言語の歴史を踏まえて説明をしている記事もありますので、そちらもぜひご確認ください。この記事が少しでもお役に立てば幸いです。

 

関連記事:JavaとC言語の違いとは?特徴や習得難易度について解説

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