Kotlinを扱うエンジニアとしての知識やスキルを身につけるために、Kotlinに関連する資格取得を目指すことは効率的な勉強方法のひとつです。そこでこの記事では、それらの情報やKotlinの特徴、案件例などについて紹介しています。ぜひともご確認ください。
出典:Kotlin Programming Language
Contents
Kotlinとは
2011年にJetBrains社で開発されたオブジェクト指向のプログラミング言語で、Javaをより簡潔・安全になるように設計されました。そのため、Javaと同じくJVM(Java Virtual Machine|Java仮想マシン)で動作をし、JavaとKotlinでコードの相互呼び出しができる、Javaよりも短い記述でプログラムを作成することができる、といった特徴があります。
Javaの既存コードをKotlinでも利用できるので、JavaからKotlinへのシステム移行などもおこないやすくなっています。実際にシステム移行をした結果、コード記述量を大幅に削減できた、といった実例も上がっているようです。
また、2017年にGoogleがAndroidの公式開発言語にKotlinを採用したことにより一気に注目が集まり、LINEやYahoo!ニュース、UberなどもKotlinで開発されているという実績があります。Androidアプリの開発はKotlin以外にもJavaやC#でも可能ですが、Kotlinを利用しての開発案件は増加している状況です。加えて、弊社TechReachのプログラミング言語別の報酬額ランキングではKotlinが1番高くなっており、平均月単価73.8万円、平均年収は885.6万円となっています。(2022年9月現在)
KotlinはAndroidアプリ開発以外にもサーバーサイドとWebアプリケーションの開発が可能です。しかし、弊社のKotlin案件全182件のうち、149件がAndroidアプリの開発となっており、業界全体を見てもAndroidアプリの開発で主に利用されていると判断してよいでしょう。
Kotlinエンジニアに資格は必要?
Kotlinエンジニアに限らず、基本的には資格を持っていなくともエンジニアとして仕事をすることができます。しかし、取得する資格によっては持っていたほうが有利になることが期待されますので、転職やフリーランスの案件探しに不安を感じる方などは、何かしらの資格取得を目指したほうがよいでしょう。
Kotlin関連の資格
Kotlin関連の資格には、Kotlinというプログラミング言語そのものの、全体的な知識を問う資格はなく、Kotlinが主に利用されている『Androidアプリに関する資格』がある状態です。また、KotlinはJavaとの相互運用性を持ち、Androidアプリの開発でJavaのスキルを求められる案件も多くあります。そのため、ここではKotlinの関連資格として、Javaの資格も取り上げています。
Associate Android Developer試験
出典:Associate Android Developer
Googleが主催するAndroid開発者のスキルを証明する資格です。公式サイトではAndroid開発者としてのエントリーレベルのスキルを問う試験であると説明されており、アプリの機能、ユーザー インターフェース、データ管理、デバッグ、テストの項目が設けられています。
試験はすべて英語でおこなわれ、受験者の年齢制限を設けています。13 歳未満は受験不可、13 〜17 歳の場合は保護者の同意、18 歳以上は制限なしといった具合です。また、受験料は149米ドルで、日本人が試験を受けるには本人確認のためのパスポートが必須となっています。
しかしながら、2022年9月現在では、試験プログラムの改善のため新しい試験の準備がされている状態で、新規受験ができなくなっています。そのため、資格取得を希望される方は公式サイトをチェックするようにしましょう。また、Associate Android Developer試験はKotlinのスキルを認定する唯一の資格になっているため、Kotlinに直接関係のある資格試験は今のところありません。
Android技術者認定試験
Kotlinではなく、JavaでのAndroid開発のスキルが問われる資格で、一般社団法人 IT職業能力支援機構 Android技術者認定試験制度委員会が主催をしています。Android技術者認定試験はAndroidのプログラミングやオブジェクト指向、アプリ視点からのAndroidの基礎知識などが問われるアプリケーション技術者認定試験。Linuxやライブラリ、プラットフォーム視点のAndroidの基礎知識などが問われるプラットフォーム技術者認定試験に分かれています。
公式サイトでは両試験ともベーシックとプロフェッショナルにレベル分けがされているようですが、2022年9月現在は、ベーシックのみ受講可能になっています。
出典:Android™ 技術者認定試験制度 詳細情報|試験一覧
両試験はともに試験時間90分、出題形式は四肢択一、全70問のCBT方式テストとなっており、受験料金は税込16,500円です。
Oracle Certified Java Programmer
日本語では『Oracle認定Javaプログラマ』といい、オラクル社が主催しているJava関連の資格です。Javaの資格では1番有名なものになり、Bronze、Silver、Goldと難易度によって区分されています。なかでもGoldは『JavaGold』と呼ばれており、Java関連資格のなかで最難関になっています。
BronzeはJava言語未経験者向けの入門資格で、プログラミング未経験者の場合は50時間前後、経験者の場合は1週間ほどの勉強で合格したという情報も見受けられます。また、Bronzeのみ試験料が税込12,540円でSilverとGoldは税込32,340 円となっています。
JavaSilverとJavaGoldに関しては、試験内容などをまとめた記事がありますので、よろしければご参考ください。
関連記事:Java Silverの試験詳細や対策方法、資格取得のメリットをご紹介
資格取得のメリット
資格取得のメリットとしては、『転職に有利になる可能性がある』、『試験勉強を通した網羅的・体系的な知識の習得ができる』、『企業によっては資格手当がある』などを挙げることができます。
しかし現状では、Kotlinに直接関連する資格はありません。そのため、あくまでKotlinに関する資格を取得したい方は、Associate Android Developer試験の再開を待つか、新しい資格ができることを待つかになってしまいます。
また、弊社TechReachのKotlin案件ではJavaのスキルを求めるものも多く見受けられますので、Kotlinを扱うエンジニアのスキルアップとして、Java関連の資格を取得することもおすすめです。
加えて、資格試験を利用せずにKotlinを習得したいと考えた場合は、参考書や『paizaラーニング』、『ドットインストール』、『Udemy』などの学習サービス、Android Developersのトレーニングコース、Kotlin公式のドキュメントなどを利用しましょう。
Kotlinの案件例をご紹介
弊社のKotlin案件では以下のようなものがあります。
・Kotlinのスキルのみで応募ができるもの
【Kotlin/フルリモート可能】動画配信サービスのアプリ開発の案件・求人
業界 | Webサービス |
職務内容 | アプリの設計 / 実装 / リファクタリング フレームワーク・ライブラリ等の検証・導入および運用 |
ポジション | Webエンジニア |
スキル | Kotlin |
勤務地 | 東京都 六本木一丁目駅(基本フルリモートだが、緊急時出社の可能性あり) |
雇用形態 | – |
・Kotlin以外にSwiftやJavaのスキルが必要なもの
業界 | 金融 |
職務内容 | エンドユーザー様のFintecサービスと、金融機関の接続機能の開発をご担当いただきます。 エンド様の体制を新たに分割し、チーム体制を刷新するため、立ち上げメンバーとして募集させて頂きます。 |
ポジション | アプリケーションエンジニア |
スキル | Swift, Kotlin |
勤務地 | フルリモート |
雇用形態 | – |
【C#/フルリモート可能】某シニア施設向けの顔認証+入退場システムの追加開発の案件・求人
業界 | Webサービス |
職務内容 | 現在拡大中のチャット小説サービスのKotlin開発を支援いただきます。 現在リードエンジニアが1名いるが、 事業をより加速させていくために、 サービスの追加機能開発を中心にご支援いただきます。 |
ポジション | アプリケーションエンジニア |
スキル | Kotlin, Java |
勤務地 | 東京都 六本木一丁目駅 |
雇用形態 | – |
・複合的なスキルを求めるもの
【Swift/フルリモート可能】デジタル地域通貨サービスの開発の案件・求人
業界 | 金融 |
職務内容 | ブロックチェーン技術を活用したステーブルコイン発行に向けた開発をご担当していただきます。 本プロジェクトでは、個人のお客様や事業者様の取引金融機関を問わず利用可能な決済システムの構築を目指しており、某信用金庫様と某銀行様の両者が協働される形になります。各市町と地域金融機関が一体となりデジタル地域通貨の利用を促進することで、地域の皆様に利便性の高い決済手段を提供するとともに、行政サービスの向上や生産性向上を実現できるプロジェクトになります。 |
ポジション | アプリケーションエンジニア |
スキル | Kotlin, Swift, AndroidStudio, TypeScript |
勤務地 | フルリモート |
雇用形態 | 業務委託(準委任) |
Kotlinだけのスキルで応募できる案件が少ないわけではありませんが、KotlinとSwift、KotlinとJava、あるいはそれら以外のスキルをかけ合わせたものが多くなっています。そのため、安定的に案件を獲得するにはKotlin以外のスキルも持っていた方がよいでしょう。
まとめ
Kotlinに直接関係する資格は現在ありませんので、資格取得を通したプランとしては、JavaGoldなどを取得して『JavaとKotlinにしっかりと対応できるエンジニアを目指す』というビジョンを描くこともよいかと思います。
Kotlinは比較的新しい言語ですが、GoogleでのAndroid開発言語としての採用や、弊社の案件数の上昇、高単価案件の多さから将来性が高い言語だといえるでしょう。また、Javaを使えるエンジニアはKotlinを習得しやすくなっていますので、新しいスキルとしてKotlinを身につけることもおすすめです。
加えて、未経験からプログラミングを学び、Androidアプリの開発がしたい方は、学習コストが低いと言われるKotlinから学習を始めるのもよいかと思います。勉強を始めて損になることはありませんので、Kotlinが気になった方は行動をしていきましょう。
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