Djangoという名前を聞いたことはありますか。Web開発で、多くの企業が利用しています。
Djangoの特徴や能力を知り、フリーランスエンジニアとしての道を歩む前に知識を深めたいと思っている方へ。本記事では、Djangoを中心にした技術的特徴や、実際の案件獲得の方法、平均的な収入、仕事内容までを詳しく解説しています。
フリーランスとしてキャリアを考えるうえでお役立ていただければと思います。
Contents
Djangoとは
Djangoとは、WEBアプリケーション開発フレームワークのひとつで、Python言語向けです。
フレームワークとは、基本的な構成や機能があらかじめ設定され、テンプレート化されたコードで、開発を効率化できます。
Flaskとの違い
Djangoは網羅的に機能が揃っており、複雑なアプリケーション開発に適しています。対照的にFlaskは基本機能のみでシンプルな作りであり、小規模プロジェクトやフレームワーク学習の入門に適しています。
下記の表は、DjangoとFlaskの主な構成要素の比較です。
| 構成要素 | Django | Flask |
| 開発用WEBサーバー | ○ | ○ |
| リクエスト処理 | ○ | ○ |
| テンプレートエンジン | ○ | ○（Jinja2） |
| データベース管理 | ○ | ×（外部ライブラリ必須） |
| 管理画面 | ○（Django Admin） | ×（カスタマイズ必須） |
| 認証機構 | ○ | ×（外部ライブラリ必須） |
| フォーム | ○（Formクラスあり） | ×（外部ライブラリ必須） |
具体的には、Djangoはデータベース管理、管理画面、認証機構、フォームの基本機能を兼ね備えるのに対し、Flaskでは外部ライブラリを用いて補う必要があります。
他のフレームワークとの違い
PythonのフレームワークにはBottle、Tornado、web2pyなどがあり、それぞれ特色と用途が異なります。
Bottleは軽量でシンプル、Tornadoは静的コンテンツの配信速度に優れ、web2pyはシンプルなアプリケーションの迅速な開発に適しています。
プロジェクトの要件に合わせたフレームワーク選択が重要であり、例えば、大規模な開発にはDjango、迅速な開発にはweb2pyを選ぶとよいでしょう。
Djangoの特徴とできること
Djangoは、内蔵された便利な機能により、少ないコードで効率的にWEBアプリケーションを開発できます。主な特徴を見ていきましょう。
初心者からプロフェッショナルまで幅広く使いやすい
Djangoは、初心者にも開発を容易に始められる機能や、プロフェッショナルが大規模アプリケーションを開発できる豊富な機能を提供します。
簡単な操作でデータベース管理ができ、拡張性と連携のしやすさも魅力的です。幅広い層のエンジニアに支持されており、WEBアプリケーション開発が低い学習コストで可能です。
WEB APIの開発が得意分野
Django REST frameworkを利用すると、RESTful API構築で強みを発揮します。
シリアライズ、認証、ページネーションなどの機能により、API開発を効率的に進められます。モバイルアプリやSPAのバックエンド開発に最適で、開発者にとって重要な選択肢です。
セキュリティ面に優れている
頻発する攻撃手法のXSS、CSRF、SQLインジェクションに対する防御機能をDjangoは備えています。
また、強力なユーザー認証機能を提供し、安全性の高いアプリケーション開発を実現します。Djangoにより、WEBアプリケーション開発でのセキュリティ確保が容易になります。
「settings.py」による設定が可能
設定ファイル「settings.py」を通じて、データベース接続やテンプレート配置、開発環境と本番環境の切り替え、メールサーバー設定などプロジェクトの重要設定をおこなえます。
柔軟な設定により、アプリケーションを自由にカスタマイズし、効率良く運用が可能です。
フリーランスDjangoエンジニアの仕事内容
Djangoエンジニアとしてフリーランスで活動する際の具体的な仕事内容をケース別に見ていきましょう。
WEBアプリケーション開発
Djangoエンジニアは、Pythonを用いたWEBアプリケーションの設計や実装をおこなうのが主な仕事です。
バックエンド開発とフロントエンド開発の両方の知識を活かし、ユーザーにとって使いやすい効率的なアプリケーション開発を目指します。Djangoの特長を活かし、ユーザー目線で最適なアプリケーションを作り出すことが重要です。
システム開発
システム開発では、例えばニュースサイトの記事管理システムのようなプロジェクトがあります。CMSのように、記事の編集から校閲、サイトへの公開まで一連の管理をするシステムです。
エンジニアには開発から運用まで幅広い知識が求められ、Django以外の技術（フロントエンドやサーバーサイド）との組み合わせも必要とされます。
プロジェクトの要件理解と適切な技術選択によって、効率的なシステム開発をおこないます。
システム保守・運用
開発したシステムのリリース後は、安定稼働のための保守・運用が求められます。
トラブルシューティングや継続的なコードベースの更新作業を通じて、システムの安定性を保ち、ユーザーに良好な体験を提供します。問題の原因究明や長期的視点での変更など、開発フェーズとは異なる技術や対応力が試される仕事です。
Djangoエンジニアの平均年収・案件単価
Djangoエンジニアの平均年収は経験年数によって大きく変わります。詳しく見ていきましょう。
フリーランスの場合の平均年収と案件単価
フリーランスでDjangoの開発に携わる技術者の平均年収と1案件あたりの単価は次のようになっています。
| 経験年数 | 平均年収 | 平均月額単価 |
| 1年未満 | 約400万円 | 約37万円 |
| 1〜2年 | 約500万円 | 約44万円 |
| 2〜3年 | 約700万円 | 約62万円 |
| 3〜5年 | 約850万円 | 約73万円 |
| 5年以上 | 1,000万円以上 | 88万円以上 |
初年度の年収は約400万円ですが、経験を重ねるごとに収入は上昇し、5年を超えると1,000万円を上回る年収を得ることができます。
単価で見ると、経験1年未満では約37万円ですが、5年以上になると88万円前後が相場となり、高額案件では130万円を超える単価になる場合もあります。
なお、上記の数値は平均値のため、スキルや実績によって変わってくるケースがある点に留意する必要があります。
未経験から案件を受けることはできる？
Djangoの案件は高単価なものが多い一方で、ほとんどの案件で最低1年以上の実務経験を求められます。そのため、未経験からいきなりDjango案件を受注するのは難しいでしょう。
まずはアプリケーション開発で経験をつむことが重要で、自分で学んで作った成果物を企業に提示して、案件獲得の機会を広げることが大切です。
最初は難易度の低い案件から着手し、実務経験を積んでいきましょう。経験を積むと、より高単価の案件も狙えるようになります。
Djangoのフリーランス案件を獲得する方法
フリーランスのDjangoエンジニアが案件獲得のために取り入れることができるアプローチは複数存在します。主なものをご紹介します。
クラウドソーシングサービスを利用
クラウドソーシングサービスは、企業や個人とフリーランスエンジニアを結ぶプラットフォームとして成長しています。
国内では、Lancers（ランサーズ）・CrowdWorks（クラウドワークス）などがあります。
Djangoスキルを持つエンジニアにとって、複雑な手続きなしで多様な案件にアクセスできる点は魅力です。フリーランス歴が少ないエンジニアにとっても、レベルにあった案件を探せる利点があります。
ただし、案件選びには慎重さも必要です。低単価の仕事を避け、条件のよい案件を見極めるスキルが重要になります。
フリーランスエンジニア向けのエージェントを活用
フリーランスエージェントの活用は案件獲得の効率化につながります。多数の高品質な求人情報を保有し、書類添削やキャリア相談などの手厚いサポートが提供されます。特に、非公開の求人情報にアクセスできる点は大きなメリットです。
テックリーチは、Django案件も豊富に取り扱っています。
報酬の支払いサイクルが早く、キャッシュフロー計画が立てやすいなどの利点があります。
専任アドバイザーが手厚いサポートときめ細やかなマッチングで、あなたのキャリアプランをサポートし、長期的な視点での案件選びを支援します。
同業界の知人の紹介
業界内の人脈を通じた知人からの案件紹介は、既存の信頼関係に基づいて安心して業務を開始できる点が大きなメリットです。余計な中間コストが発生しないのも魅力的です。
しかし、紹介にのみ依存せず、フリーランス向けエージェントの利用やクラウドソーシングサービスの併用で、案件獲得をより安定させることが重要です。
Djangoエンジニアとして年収・案件単価をアップさせるには
Djangoエンジニアが更なる年収アップ、高単価案件への参画をするためには何が必要でしょうか。主なポイントをご説明します。
データ分析や機械学習の知識をつける
Djangoのフリーランス求人情報では、データ分析や機械学習のキーワードが多く見られます。
データサイエンスのスキルがあると、高単価案件を獲得しやすくなります。
ビッグデータの分析手法やPyTorch・TensorFlowなど機械学習フレームワークを習得すると、幅広い案件に対応可能です。
AIやIoTの知識をつける
PythonはAIやIoTでも広く利用されます。
センサーデータの送信や分析システム開発など、AIやデータ分析の数理を理解し、実際のプロジェクトへ応用できるとフリーランスDjangoエンジニアとしての市場価値は高まります。
Django以外のフレームワークも習得する
Bottle、Flask、Tornadoなど他のWEBフレームワークの習得もフリーランスとしての案件選択の幅を広げます。
用途や要件に適したフレームワークを選べるようになり、Pythonの理解度も深まります。Django案件でもスキルが評価されるでしょう。
Djangoエンジニアの今後の需要について
Djangoエンジニアの需要は今後も一定数見込まれるでしょう。Djangoは、PythonでWEBアプリケーションを開発するためのフレームワークです。Pythonは人工知能やデータ分析などの分野で人気が高く、今後もさまざまな業界で活用の広がることが予想されます。
一方で、DjangoはPythonの人気ほど右肩上がりに需要が伸びているわけではありません。Googleでの検索数を見ると、ここ数年はほぼ横ばいで推移しています。ただし、PythonやDjango以外の関連フレームワークで開発したアプリケーションを一般公開する際には、Djangoが有力な選択肢となります。
Djangoエンジニアを目指す方は、Pythonをはじめ、クラウドやデータベース、インフラなどの知識も身につけておくことをおすすめします。また、上流工程やマネジメントの経験を積むことで、さまざまなシーンで求められるエンジニアになれるでしょう。Djangoの需要だけでなく、Python全体の動向にも注目しながらスキルアップを図ることが大切です。
Djangoの案件の種類・案件例
以下では、テックリーチの取り扱いDjango案件から、いくつかの具体例をご紹介します。
案件例①リモート併用のスポーツ記録WEBサービス開発案件
| 募集職種 | アプリケーションエンジニア |
| 想定月収 | ～600,000円 |
| 業界 | WEBサービス |
| 職務内容 | スポーツ関連のシステムで、AWSクラウド環境を活用したPythonによるアプリケーション開発業務です。アジャイル開発手法を用いて、詳細設計からテストまでの一連の工程を担当していただきます。 |
| 勤務地 | 東京都新橋駅 |
| 求めるスキル | Python、Djangoでの実務経験2年以上、およびjQueryを使った開発経験となります。 |
スポーツ関連のWEBアプリケーション新規開発案件です。Django、jQueryの実務経験を持つ方を募集しています。設計からテストまでの開発工程を担当していただきます。
案件例②リモート併用の法務的な機能にフォーカスした新規開発案件
| 募集職種 | バックエンドエンジニア |
| 想定月収 | ～750,000円 |
| 業界 | 金融 |
| 職務内容 | 債券システムの法務機能に特化した新規プロダクトの開発プロジェクトです。要件定義から開発までを一貫しておこない、返済不可能なユーザーへの法的手続きの機能を実装します。アジャイル開発を採用し、プロトタイプ版の開発後は導入先へのカスタマイズを予定しています。 |
| 勤務地 | 東京都六本木駅 |
| 求めるスキル | Python（Django）での2年程度の実務経験と、WEBアプリケーション全般の5年程度の経験です。RDBを用いたシステム設計・開発経験と、APIに関する知見も必要となります。 |
金融業界向けの新規プロダクト開発プロジェクトです。要件定義から開発までを担当していただきます。Django、コードレビュー、WEBアプリケーション設計・開発、データベース設計・開発、API設計・開発の経験が必須となります。法務的な機能にフォーカスした内容ですので、関連する知見があると望ましいでしょう。
案件例フルリモートの飲料メーカー販促アプリのバックエンドAPI開発案件
| 募集職種 | バックエンドエンジニア |
| 想定月収 | ～800,000円 |
| 業界 | メーカー |
| 職務内容 | 某大手飲料メーカーのBtoCアプリ向けバックエンドシステムの開発案件です。AWSサーバレス環境でのPythonを使ったAPI開発をメインとし、Djangoなどの開発フレームワークを利用します。フルリモート勤務で、新しい技術にも柔軟に取り組める方を求めています。 |
| 勤務地 | フルリモート |
| 求めるスキル | アジャイル開発の実務経験と、Slack/Git/Backlogなどの一般的な開発ツールの利用経験が必須となります。 |
フルリモートでWEBアプリケーションのバックエンド開発をお願いします。Django、AWS、サーバレスアーキテクチャ、API開発、アジャイル開発の経験が必要となります。また、コミュニケーションツール、Git、プロジェクト管理ツールの利用経験も求められます。
まとめ
Python製のWEBフレームワーク「Django」は、Flaskなどと比べ高機能なのが特徴です。
フリーランスのDjango案件では、実績によっては年収800から1,200万円以上も目指せます。
ぜひDjangoを学んで、実際にWEBアプリケーション開発に挑戦してみてください。
Djangoは豊富な機能を持ち、WEBアプリケーション開発にまつわるさまざまな知見が生かされています。Djangoフレームワークを学び、WEBアプリケーション開発の案件に挑戦してみてはいかがでしょうか。
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