データサイエンティスト検定は2021年9月に始まったばかりの資格試験でありながら、認知度と人気が上がってきています。この記事では、データサイエンティスト検定の概要や対策方法、データサイエンスに対する日本政府の取り組みなどについて説明をしています。ぜひともご確認ください。
Contents
データサイエンティスト検定とは
一般社団法人データサイエンティスト協会が主催をしている資格試験で、正式名称はデータサイエンティスト検定™リテラシーレベル(略称はDS検定★)といいます。
DS検定★は『データサイエンティスト協会』が公表している『データサイエンティスト スキルチェックリストのスキルレベル★、見習いレベル』と『数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアム』の『数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)モデルカリキュラム』の内容を合わせた内容が問われ、データサイエンティスト(DS)としての見習いレベルの実務能力や知識が証明できる資格です。
- データサイエンティストのスキルレベル概要
出典:データサイエンティスト検定 リテラシーレベル | 一般社団法人データサイエンティスト協会(以降の画像で出典記載のないものは、こちらからの引用になります。また、本記事の内容はすべて2022年9月27日現在の情報となっています。)
- データサイエンティストのスキルレベル★(見習いレベル)の定義
出典:データサイエンティスト|スキルチェックリスト ver.4
- リテラシーレベル モデルカリキュラムの構成
出典:数理・データサイエンス・AI (リテラシーレベル) モデルカリキュラム
~ データ思考の涵養 ~|数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアム
2021年9月に始まった新しい資格ではありますが、データサイエンティスト協会の一般(個人)会員で現役のデータサイエンティスト556名におこなった調査では、全体の44.6%が資格取得を検討し、14.2%がすでに資格を取得している人気資格になっています。
出典:Data of Data Scientist シリーズ vol.29『53.1%-資格取得で自己の成長を感じた・自信が持てた割合』
上記出典の記事は、資格取得のメリットについてわかりやすく簡潔にまとめられているため、気になった方はぜひともご確認ください。また、こちらの記事を掲載しているData Scientist Society Journalはデータサイエンティスト協会が発行しているデータサイエンティスト(DS)とDSを目指す方のための情報サイトになっているため、該当する方の情報収集やDSとしての教養を培うためにおすすめのものになります。
試験範囲・試験期間
DS検定★では上述したスキルレベル★とリテラシーレベル モデルカリキュラムのスキルセットの内容が問われます。
スキルレベル★では、『データサイエンス力』、『データエンジニアリング力』、『ビジネス力』の3つのカテゴリに分類、それぞれに求められる力を定義づけし、統計数理基礎、システム企画、ビジネスマインドなど、各分類ごとに10種以上の試験項目を設けています。
リテラシーレベル モデルカリキュラムでは、『社会におけるデータ・AI利活用』、『データリテラシー』、『データ・AI利活用における留意事項』の3つに分類され、ビッグデータ、観測データに含まれる誤差の扱い、個人情報保護など複数の項目が設けられています。そのため、合格率は低くないものの試験範囲は広くなっており、しっかりとした対策をするべき試験であると判断できます。
また、DS検定★はCBT(Computer Based Testing|コンピュータ ベースド テスティング|コンピューターを使った試験)方式になっていますが、申し込み期間と試験期間が定められています。
直近の申し込み期間は、個人が2022年10月1日(土)10:00~2022年11月6日(日)23:59、法人が2022年10月3日(月)10:00~2022年10月28日(金)18:00となっています。
試験期間は2022年11月15日~2022年12月5日となっておりますが、試験期間内でも1度しか受験することができませんので注意しましょう。DS検定★の模擬問題は以下のものになりますので、興味のある方は出典のリンクから確認してみてください。
合格率・合格ライン
第1回試験と第2回試験の合格率と合格ラインは以下のものになります。
第1回試験(2021年9月)
合格率 | 66% |
合格ラインの目安 | 正答率約80% |
第2回試験(2022年6月実施)
合格率 | 約50% |
合格ラインの目安 | 正答率約80% |
受検者数:約1400名
合格者数:927名
合格率 :約66%
合格ラインの目安:正答率約80%
受検者数:約2900名
合格者数:1453名
合格率 :約50%
合格ラインの目安:正答率約80%
また、第1回、第2回と合格ラインの目安は正答率80%と公表されていますが、2022年11月受験の合格ラインは非公開となっています。
出典:よくある質問 | 一般社団法人 データサイエンティスト協会
データサイエンティスト検定の主な受験対象者
公式サイトによると、DS検定★は以下のような方を受験対象者としているようです。
・データサイエンティスト初学者
・これからデータサイエンティストを目指すビジネスパーソン
・データサイエンティストに興味を持つ大学生や専門学校生など
入門資格として人気のあるものになっていますので、該当する方は受験を検討することをおすすめします。
データサイエンスの基礎力は日本政府も重視している
内閣府が公表している『AI戦略2019』では、『人間尊重』、『多様性』 、『持続可能』の3つの理念を掲げたSociety 5.0の実現を目標としています。
『AI戦略2019』では4つの戦略目標や目標達成に向けての取り組みを作成し、人材育成や教育改革に力を入れ、『数理・データサイエンス・AI』をデジタル社会の『読み・書き・そろばん』としてとらえ、全ての国民がこれらの基礎を育むことを提言しています。
また、現在では小学校、中学校、高等学校でプログラミングや情報Iといったカリキュラムが始まりました。加えて、株式会社ドコモgaccoが運営する『gacco』という無料で大学レベルの講座を勉強できるサービスでは、総務省統計局が『社会人のためのデータサイエンス入門』、『社会人のデータサイエンス演習』という講座を開講しています。(『社会人のためのデータサイエンス入門』は2022年11月30日 23:59まで、『社会人のデータサイエンス演習』は2022年10月4日14時から受講可能)
出典:gaccoとは
これらの情報から鑑みるに、日本政府はデータサイエンスやデジタル社会に関する基礎に力を入れていることが推測されます。上記の学習サービスは無料で利用することができますので、データサイエンティストを目指す方や興味が湧いた方は活用していきましょう。
試験対策テキスト
公式サイトにて、参考書籍として正式に紹介されている2冊をお伝えします。
最短突破 データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)公式リファレンスブック 第2版
出典:技術評論社|データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)公式リファレンスブック 第2版
2022年6月に改訂されたデータサイエンティストスキルチェックリストver.4に対応し、模擬試験の付録も付いています。Amazonの評価では☆3.5となっています。(2022年9月27日現在)
- 徹底攻略データサイエンティスト検定問題集[リテラシーレベル]対応
出典:インプレスブックス|徹底攻略データサイエンティスト検定問題集[リテラシーレベル]対応
こちらの参考書籍もデータサイエンティストスキルチェックリストver.4に対応し、巻末には総仕上げ問題があります。Amazonの評価では☆4となっています。(2022年9月27日現在)
どちらの参考書籍も試し読みをして、自分に合ったものを購入するようにしましょう。
独学に不安のある方は講座の受講もおすすめ
2022年では6月と11月の2回のみ試験が実施されましたので、独学に不安のある方は講座の受講もおすすめします。公式サイトでは5社の対策講座が紹介されています。
以下の表で、公式サイトの順番通りに料金と学習時間をまとめています。
会社名 | 講座名 | 料金 | 学習時間 |
株式会社AVILEN | DS検定対策コース | 42,900円(税込) | 約10時間 |
株式会社GRI | DS検定対策講座 | 32,780円(税込)(※1) | 約9時間半 |
スキルアップAI株式会社 | DS検定リテラシーレベル対応データサイエンティスト基礎講座 | 無料(※2) | 約10.5時間 |
株式会社ディジタルグロースアカデミア | データサイエンティスト検定 リテラシーレベル対策講座 | 9,000円(税抜) | 約9時間 |
株式会社日立アカデミー | <eラーニング>AI・データサイエンス基礎 | 18,700円(税込) | 6時間 |
(※1)コーチング付きのプランは65,780円(税込)
(※2)受講に必要な講座資料+模試の料金で8,800円(税込)、試験対策アプリは買い切りで980円
各社とも、学習方法や強みなどが違っていますので、下記の出典から公式サイトに入り、サイト内リンクから確認をして比較をしましょう。
出典:データサイエンティスト検定 リテラシーレベル | 一般社団法人データサイエンティスト協会
まとめ
日本政府が重要視しているデータサイエンス領域は、現代の企業活動でも必要なものになっています。データサイエンティスト検定は入門資格として人気があり、公式サイトや関連情報なども豊富にあるため、データサイエンティストになりたての方やこれから目指す方にとってもおすすめできる資格であると判断できます。この記事で興味を持たれた方は、ぜひとも挑戦してみてください。
また、データサイエンティストについてまとめている記事もありますので、よろしければこちらもご確認ください。
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