TechReach

インフラエンジニアとはどんな職業?仕事内容を分かりやすく解説

クラウドコンピューティングの普及でネットワークを管理するインフラエンジニアは不要になったのでしょうか?いいえ、インフラエンジニアの専門性はクラウドの時代でこそ活かせます。

インフラエンジニアの仕事内容や魅力をご紹介し、なぜクラウドコンピューティングにとって欠かせない人材なのか、インフラエンジニアの将来性や目指せるキャリア、インフラエンジニアの必須スキルや勉強方法などをご紹介します。

 

自分のスキル年収どのくらい? /
予定年収を診断してみる

Contents

インフラエンジニアとは

インフラエンジニアと呼ばれる職種を耳にしたことがあるでしょうか?

「インフラ」とは、IT分野の基礎的な土台のことで、具体的にはネットワーク設備やデータセンターなどの施設、各種のハードウェアやソフトウェアをまとめて(ITの)インフラと呼びます。

インフラエンジニアとはネットワークの接続やデータセンターでの設定、ITシステムを支える基盤となるハードウェアやソフトウェアの設計・構築・保守を担当する職種です。

インフラが整っていなければWebサイトや電子商取引、ソーシャルゲームなどは運営できなくなってしまいます。インフラエンジニアは、インターネットや企業内のネットワークでさまざまなサービスが正常かつ円滑に運用できるよう、環境を整備し日夜見守っている縁の下の力持ちです。

システムエンジニア(SE)との違い

インフラエンジニアと言葉の響きが似ていますが、システムエンジニア(SE)は取り扱うシステムの範囲や業務目標は異なります。

システムエンジニアは、企業のビジネスに直接焦点を合わせたシステムを設計・構築しますが、インフラエンジニアはシステムを動かす基盤となるインフラを設計し構築・運用します。

インフラに求められるのは技術的な安定性・拡張性・セキュリティなどで、間接的に顧客のビジネスを支えることになります。

Webエンジニアとの違い

Webエンジニアは、WebサイトやWebサービスを構成するシステムやユーザーインターフェースを開発します。

例として、ECサイトを考えてみると、買い物をしに来た利用者のWebブラウザに表示されるHTMLやカート画面など目に見える部分(フロントエンド)を設計・構築したり、カートに入れた商品を決済して在庫数を減らし売上をカウントするなどサーバーサイドでの仕組みを開発したりする(バックエンド)の領域があります。

Webエンジニアの業務領域は幅広く、なかでもバックエンドの領域はインフラエンジニアと一部重なります。簡単な構成のサーバーならばWebエンジニアが設定する場合もあるでしょう。インフラエンジニアが活躍するのは、何万人もの人が利用するECサイトなど性能と高い安定性が求められるシステムです。Webエンジニアより高いインフラ技術を活かして高いセキュリティを備えたサーバーやネットワークを構築しWebサイトの運営を支えていきます。

インフラエンジニアの種類

高い専門性を発揮できる領域毎にインフラエンジニアはさらに細分化されます。5つの区分をご紹介します。

サーバーエンジニア

サーバーの構築・運用・保守をおこないます。

見た目はシンプルなWebサイトの裏ではWebサーバーやメールサーバー、データベースサーバーなど複数のサーバーが稼働していることも多いため、いろいろなサーバー群を設計・構築するスキルが必要となります。

また、構築だけでなく実際に運用が開始してからも安定性をモニタリングし、機器の不調があれば交換するなどハード・ソフト両面で運用を支えます。

ネットワークエンジニア

企業のネットワークには、たくさんの機器がつながっています。例えば、一つのフロアに50台のパソコンが並んでいるだけでも、安定した通信ができるためにはケーブルやネットワークルーターなどの機器を適切に配置してつなげる必要があります。

対象となるシステムにとって安定して高いセキュリティを維持でき、コストが最適化されるように機器の配置・つなぎ方を設計し、実際につないでネットワークを構築します。多くの機器が関係しているため、不調な機器を特定したうえで交換するなど、ネットワークを安定して維持するためのチェックとメンテナンスが欠かせません。

クラウドエンジニア

企業のサーバーは今まで各企業が自社の設備として購入・保守作業をおこなってきましたが、近年急速に拡大しているのがクラウド環境にサーバーを構築できるクラウドコンピューティングプラットフォームです。

Amazonの展開するAWSやGoogleの展開するGCP、マイクロソフト社のAzureなどは時間あたりの料金を支払うことですぐにサーバーを構築できるため、自社で設備を購入する必要がなく、経済的かつ合理的なサーバー構築手段として普及してきています。

小規模なインフラから始めて規模の拡大にともない大きくしていけるので自社で設備を構えるのが難しいスタートアップ企業などでも利用が進んでいます。

クラウドコンピューティングプラットフォームでWebサーバーやデータベースサーバーを構築するには、従来のサーバーと異なる知識や管理方法が必要となります。そのため、インフラエンジニアのなかでも従来のサーバー知識に加えてAWSやGCPなどクラウドコンピューティングプラットフォームの知識を備えたクラウドエンジニアの注目度が高まっています。

データベース(保守・運用)エンジニア

データベース(保守・運用)エンジニアは、企業の取引情報など重要なデータを保管するデータベースサーバーを保守・運用します。

データベースサーバーはWebサーバーよりも複雑な設定が必要となることが多く、構築するシステムに応じて最適なデータベースサーバーを運用していくためにはデータベースのスキルがあるインフラエンジニアが必要となります。

構築後は、データ消失に備えてバックアップをおこなうなどの保守作業や、システムの利用者が増えた場合などデータベースの性能をチューニングする運用作業をおこなってシステムの安定稼働を支えます。

セキュリティエンジニア

ネットワークにつながったコンピュータは常に攻撃にさらされています。大量の迷惑メールや海外からの不正アクセスなどインターネットを通した攻撃は24時間止まることがありません。

セキュリティエンジニアは、ネットワークを通じて不正な通信が侵入するのを防ぐためファイアウォールなどを設計・構築したり、ウイルスなどの感染を防止するソフトウェア製品や機器をインフラに設置し、常に最新の対策を実施していきます。

また、仮に被害が発生した場合でもいち早く感染源を特定し、社内の他のパソコンへ拡散するのを防ぐなど緊急時の対応ができるよう日頃から対応をシミュレーションし企業の情報が危険にさらされないよう備えています。

インフラエンジニアの仕事内容

インフラエンジニアは日々どのような業務をおこなっているのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

設計・構築

インフラをどのようなサービスで使用するのか、要件を決めるところからインフラの設計は始まります。ビジネスの要件に合わせて必要な規模のネットワークを設計し、将来の運用時に障害が起こりにくいよう多重化したり、規模や性能、セキュリティなどを考慮して設計をおこないます。

構築の段階では実際に発注した機器を設置し、ケーブルをつなぎ、サーバーや機器にOSをインストール・設定するなど多数の機器を相手に設置・設定・動作確認をおこなっていきます。

監視

インターネットに限らず社内のネットワークであっても業務を止めることなく安定して運用するためには365日24時間の監視が欠かせません。

システムにつながった多数の機器やサーバーの状態をモニタリングし障害の兆候があれば早急に対応します。また、異常な通信やセキュリティ侵害などをいち早く発見し対処します。

保守・運用

OSのアップデートなどインフラを安定して利用できるためには、メンテナンス作業も必要となります。

また、障害が発生した場合には想定したシナリオに基づいて復旧作業をおこなったり、障害が発生した原因調査をおこない対策を講じたりすることもインフラエンジニアの重要な職責となります。

分析

運用状況を監視し、異常をチェックするだけでなく、インフラの稼働率などを分析し今後安定して運用していくために必要となる要素を洗い出します。必要なら新たに監視項目を設定したり、保守作業や運用作業を見直したり、改善していきます。

インフラエンジニアの仕事の魅力

インフラを支えるインフラエンジニアの仕事をすると、どのようなメリットがあるのでしょうか。2点ご紹介します。

最先端のスキルや知識が身につく

クラウドコンピューティングプラットフォームの普及や、サーバー仮想化技術の登場、軽量のコンテナを使って迅速にシステムを構築するなどインフラエンジニアの接している技術は日々進歩しています。

世界中の企業がインターネットの利用やクラウドコンピューティングプラットフォームをより便利に効率化するソフトウェア製品や機器を提供しており、インフラエンジニアは最新のソフトや機器の使い方を知り、スキルをアップデートしていく環境に身を置くことで最先端のリアルなスキルを学べる環境にあります。

多くの人の役に立ってる実感が得られる

インターネットや社内ネットワークを利用するのはたくさんの人々です。日々の暮らしからビジネス課題の解決までネットワークなしに生活するのは困難なほどです。

チャットアプリやメール、Webサービス、翻訳アプリや地図アプリなどいずれもインターネットが安定して稼働しているからこそ人々の暮らしを便利にしてくれます。

インフラエンジニアは人々が実際に利用しているシステムを支えている実感が得られるため社会に貢献し、人々の役に立っている実感を得やすいでしょう。

インフラエンジニアに適性がある人

技術知識がある以外にインフラエンジニアに向いているのはどのような人でしょうか?ポイントをご紹介します。

スムーズなコミュニケーションがとれる

インフラエンジニアはチームメンバーとコミュニケーションしながら仕事を進めます。

インフラ構築を進めるには、クライアントや同僚、システムエンジニアやデータベースエンジニアなど幅広い職種の人々と関わります。

要件を定義し、システムを構築し、24時間の監視をして運用していくには多くの人や関係部署とスムーズに連携し適切にコミュニケーションできる人が向いています。

自走できる

インフラエンジニアには問題解決能力が求められるだけでなく、例えばウイルス感染が社内で見つかるなど緊急対応が必要な場合もあります。

複雑な状況でも自分の抱えているタスクや仕事量を効率的に処理し時間を使っていける人はインフラエンジニアに適性があります。

自己研鑽できる

インフラエンジニアを取り囲む業界は日進月歩で進んでいます。

さまざまな技術やクラウドコンピューティングプラットフォーム、設計・構築の手法が新たに登場するため、新しい情報を常にキャッチし自ら学んでいくことが好きな人はインフラエンジニアとして最新技術を提案できる心強い存在となれるでしょう。

気配りができる

人々の暮らしの基盤となっているインターネットのサーバーやシステムが使えなくなると大変です。インフラ段階の設計にミスがあると修正が難しく人々に与える影響は大きなものとなります。

インフラエンジニアの仕事ではサービスの利用者や社会への影響をすみずみまで配慮し細部まで気を配って設計・構築していける人が向いています。

インフラエンジニアに必要なスキル

インフラエンジニアとして活躍するために習得しておくべきスキルは何でしょうか。主要なものを4つご紹介します。

プログラミングスキル

インフラエンジニアはサーバーの設定や起動、ネットワーク機器の設定などでプログラミングをおこないます。

例えば、深夜にデータをバックアップするなどの作業も自動でおこなえるようあらかじめ設定を作成します。自動化には、OSにより異なるスクリプト言語が使用されるため、Windows系・Linux系などサーバーの種類に応じてOSやスクリプトの知識が求められます。

本格的なプログラミングスキルまでは必要ではありませんが、サーバーでどのようにアプリケーションが稼働するのかを把握するためにもある程度プログラミングの知識がある方が高度な設定やチューニングに対応できます。

サーバー・クラウドスキル

インフラエンジニアはサーバーやクラウドコンピューティングプラットフォームを使いインフラを構築するので、利用のための知識だけでなく、性能の限界や設定方法など専門的な知識とスキルが求められます。

設計・構築段階では、サーバーの性能を把握したうえで必要な台数を手配したり、保守・運用の段階ではサーバーの操作やネットワークの切り替え、バックアップやリストアなどサーバーを操作します。

設計から運用まで、いろいろな場面でサーバーやクラウドコンピューティングプラットフォームを使いこなすスキルが必要です。

ネットワークスキル

インフラを作りあげているのは、サーバーや機器だけでなく、機器同士のつながり=ネットワークです。

物理的なサーバーであってもクラウドコンピューティングプラットフォームにある仮想サーバーであっても、機器をどうつなげば、性能に優れセキュリティを確保できるかはネットワークの設計によって左右されます。

インフラエンジニアにとってはネットワークへの理解が重要です。

仮想化スキル

仮想化の技術によってサーバーやネットワークなどの機器を分割したり束ねることができます。

クラウドコンピューティングプラットフォームにも仮想化の技術は使われているため、DockerやKubernetes、OpenStackなど個々の仮想化技術に詳しいインフラエンジニアはAmazonのAWSやGoogleのGCPなどクラウド環境へ効率的にインフラを構築でき、評価されるでしょう。

インフラエンジニアに役立つ資格

インフラエンジニアになるために資格は不要ですが、資格を取得する過程で、IT業務に携わるものとして必要なコンピュータやネットワークの基礎知識を得られるとともに客観的なスキルの証明にもなるため特に未経験やキャリアを歩み始めたばかりのときに資格を取ると強い味方になってくれるでしょう。

基本情報技術者試験/応用情報技術者試験

略して基本情報・応用情報とも呼ばれる国家資格で、インフラだけでなく幅広いITエンジニアとしての知識を学べます。

システムの設計・構築・運用やネットワーク・プログラミングなどのIT系知識だけでなく、経営戦略やプロジェクト管理などマネジメントに関する分野など出題範囲は広いので、IT業界になじみがない場合など総合的な知識の入り口として基本情報技術者試験を勉強すると役立つでしょう。

基本情報技術者試験に合格した人には、幅広い分野のより高度な出題や記述式の回答も求められる応用情報技術者試験があります。基本情報技術者試験の合格率は約39%、応用情報技術者試験の合格率は約24%となっています(令和4年度春期)

情報処理技術者試験

基本情報技術者試験などを含む、IT技術の国家資格でインフラエンジニアに役立つ試験分野がいくつかあります。

応用情報に合格した人はさらに専門性のある知識が問われるデータベーススペシャリスト試験、セキュリティの知識が問われる情報処理安全確保支援士試験などに挑戦してみてはいかがでしょうか。

どの分野も、記述式の回答を含む専門分野に特化した問題が出題されます。

データベーススペシャリスト試験の合格率は約17%、情報処理安全確保支援士試験の合格率は約21%となっています(令和4年度春期)

AWS認定ソリューションアーキテクト

AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)は人気の高いクラウドコンピューティングプラットフォームの一つでありAWS認定ソリューションアーキテクト(SAA)はAWS自体が提供している人気の資格です。

認定までにはAWSが提供するサービスへの深い理解やシステムの設計と構築に対する操作スキルが求められるのでインフラエンジニアとしての貴重な知識を得ることになります。

AWS自体が提供しているため、最新の動向を把握できる資格となっています。AWS認定ソリューションアーキテクトの合格率は非公開です。

ネットワークスペシャリスト

ネットワークスペシャリスト試験は、情報処理技術者試験の一つで国家資格であり、ネットワーク分野の深い理解が問われます。選択式の午前問題と記述式の午後問題に分かれており、難易度は応用情報技術者試験よりも高くなっています。

出題範囲はネットワークの要件定義から設計、構築とテスト、運用・保守・管理、システムの評価やシステム開発のコンサルティングまでと幅広いためネットワーク関連業務の幅広く実践的な知識が要求されます。

ネットワークスペシャリスト試験の合格率は約17%となっています(令和4年度春期)

ベンダー資格

ベンダー資格とは、ネットワーク製品を販売しているメーカーや業界団体が運営している資格試験です。3種類のベンダー資格をご紹介します。

CCNA/CCNP

ネットワーク機器を販売するシスコシステムズが運営する認定資格です。

シスコシステムズが提供する認定資格にはやさしいほうから順にエントリー、アソシエイト、プロフェッショナル、エキスパートのグレードがあり、CCNAはアソシエイト、CCNPはプロフェッショナルのレベルに該当します。

CCNAはネットワークやセキュリティの基礎的な知識が求められ、公式のEラーニングなどを使って実際にネットワークを構築・設定・運用・検証する方法を学べます。

CCNPはCCNAより難易度が高く、各分野毎のスペシャリスト認定を受けるためには実践的で専門性の高い知識を習得する必要があります。

LPIC/LinuC

サーバー向けOSとしてLinuxは広く利用されています。LPIC/LinuCはいずれもLinux系OSのスキルを認定します。

LPICは非営利組織のLinux Professional Instituteが運営し、LPIC-1では、Linuxシステムの概要やインストール方法、基本的なコマンドの使用やファイルのアクセス権限、基本的なメンテナンス、ネットワークの基礎知識、セキュリティなどが出題されます。

LPIC-2では、ファイアウォールやVPNなどのセキュリティ、DHCP・DNS・FTP・ファイルサーバーなど各種サーバーの設定などが出題されます。

LinuCはNPO団体のLPI-Japanが運営する認定試験で、Linuxサーバーの構築・運用、設計などに必要なスキルを認定します。LinuCの出題はクラウドコンピューティングプラットフォームで使用される仮想化やコンテナ技術などにも対応しているのが特徴です。

LinuCレベル1では、Linuxサーバーの構築・運用に必要となる基本的な操作と管理のスキルが出題されます。

LinuCレベル2ではLinuxネットワークの設計・構築、導入・保守などが出題されます。

ORACLE MASTER(オラクルマスター)

データベースサーバー製品を販売するOracle社が提供する認定試験です。

商用データベースとして採用例も多いOracle Databaseの管理スキルを証明し、体系的にデータベースサーバーの機能を学ぶことができます。

4つのレベルがあり、やさしいほうから順にブロンズ、ゴールド、シルバー、プラチナとなっており、ブロンズではデータベースの基礎知識、ゴールドではデータベースを管理・操作するとき必要となるSQL言語の基礎知識とデータベースサーバーの運用管理が出題されます。

データベースサーバーはWebサイトやアプリケーションのデータを保存・処理する際に必要なことが多いため、インフラエンジニアにとってもデータベースサーバーの管理ができることは重要です。

インフラエンジニアの年収

国税庁の令和3年度調査によれば、会社員の平均給与は443万円ですが、インフラエンジニアに近いと思われる「ネットワーク技術者」の平均年収は733.6万円(総務省調査令和3年度)となっており一般的な会社員に比べて約300万円高い年収となっています。

 

会社員の平均給与(総務省R3)インフラエンジニア 平均年収(弊社登録案件)
443万円820万円

弊社テックリーチのインフラエンジニア求人案件のうち、月収90万円(年収換算1,080万円)以上の案件は63件、約400件登録されているインフラエンジニアの案件の平均年収は約820万円となっておりスキルのあるインフラエンジニアの需要の高さがうかがえます。

インフラエンジニアの将来性

増え続けるインターネットサービスの需要や、クラウドでのサービス提供、AIやIoTなどの先端分野でもインフラエンジニアの知見はなくてはならないため今後もインフラエンジニアの需要は増え続けると考えられます。

企業活動ではインターネットを通じたサービス提供に自社データセンターを使用する場合もクラウドコンピューティングプラットフォームを使用する場合も考えられますが、インフラエンジニアは両方のケースとも設計から構築、運用に欠かせない人材であり高い専門性を活かして活躍できる可能性を持っています。

インフランジニアの次のキャリア

インフラエンジニアとして経験を積んだプロフェッショナルが次に目指せるキャリアはどのようなものでしょうか。いくつかご紹介します。

ITコンサルタント

ITエンジニアは、高い専門性を持つだけでなくクライアントのビジネス要件を深く理解してインフラを構築する理解力、難しい専門用語を分かり易く説明する能力などITコンサルタントに求められる要素を身につけることができるため、経験を積んだインフラエンジニアの次のキャリアとしてITコンサルタントへのキャリアパスが考えられます。

ITスペシャリスト

ITスペシャリストとは、ネットワークやセキュリティ、データベースなど特定分野での高度な専門性を持つ技術者です。

インフラエンジニアは、さまざまなクライアントのビジネス案件に関わるなかで時間をかけてネットワークやセキュリティなど特定の分野の実践的なスキルを高めていけます。特定の分野で専門家になることでクライアントに提供できる価値は高くなり、昇進や昇給の可能性が高まります。

IT技術への興味を持ち続け、特定の分野でエキスパートになることを目指すことでインフラエンジニアからITスペシャリストへと転身をとげる可能性が高まります。

プロジェクトマネージャー(PM)

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトが時間通りに予算内で関係者が満足するように完了するよう調整する縁の下の力持ちです。

インフラエンジニアとしての経験は、システムへの深い理解を与えてくれるでしょう。システムへの理解はプロジェクトの予測や計画に不可欠なだけでなくプロジェクトを実際に担当するエンジニアやチームメンバーとのコミュニケーションにも役立ちます。

また、インフラエンジニアはプロジェクト管理など、チーム作業と自分の仕事量の管理の経験をしていることが多いです。

インフラエンジニアは技術プロジェクトを進めるうえで重要な知識やコミュニケーション能力、管理経験があるため、プロジェクトマネージャへとキャリアパスを進めるのに有利な立場です。

 

参考記事:プロジェクトマネージャ試験とは?試験内容や難易度・勉強法を解説

フリーランス

クラウドコンピューティングプラットフォームの普及によりリモートワークの案件も増えているため、インフラエンジニアにとって自由な働き方ができるフリーランスは魅力的です。

フリーランスの収益を安定させるには安定した顧客・得意先の確保が重要です。

インフラエンジニアとして専門的なスキルや経験を積むと、クライアントにとって魅力的な人材となることができるため、安定したプロジェクトとクライアントの流れにつなげられます。経済的に安定したフリーランスとなって、さまざまな興味深いプロジェクトに取り組める可能性があります。

 

参考記事:フリーランスのシステムエンジニアの平均単価、メリット・デメリットをご紹介

インフラエンジニアがおさえたい言語

インフラエンジニアの仕事では、定期的なタスクなどを自動化するためスクリプト言語やプログラミング言語が使用されます。いくつかご紹介します。

Python(パイソン)

AI(人工知能)の分野などで人気のスクリプト言語のPython(パイソン)はさまざまな目的で利用できる言語です。

クラウドコンピューティングプラットフォームのAWSはBoto3と呼ばれるモジュールを提供しており Python言語を使ってAWSの操作を自動化できます。

AWS以外にも、多くのプラットフォームがAPIと呼ばれる自動化のための機能を提供しておりAWS同様に自動化できます。

また、特にAI(人工知能)分野のプロジェクトではPythonが使われることが多く、開発過程でのインフラ処理ツールでPython言語の利用が求められることがあります。

 

参考記事:Pythonとは?特徴や学習方法などを他言語と比較しながら解説

Ruby(ルビー)

Rubyは日本人が開発しオープンソースとして世界中で使われているスクリプト言語ですが、インフラ構築にも使用できます。

Chefと呼ばれる管理ツールを使って、サーバーの設定を自動でおこなったり、IPアドレスなどの構成をRuby言語でプログラミングできます。一度プログラミングすると自動化できるのはもちろん、設定内容をひとまとまりのファイルとして管理できるためチームメンバーと設定内容を共有したり変更点の追跡が容易になるなどさまざまなメリットがあります。

Python言語同様にAPIを使ってインフラ操作を自動化できます。

 

参考記事:Rubyで出来ることとは?特徴やRubyで作られたサービスをご紹介

Java(ジャバ)

Javaは1995年のリリース以来、企業のシステムなどで広く利用され多くの開発者を抱えている言語です。

Javaは信頼性が高く高速に実行できるだけでなく、同じコードをWindows, macOS, Linuxなど異なるOSで実行できる特徴があるためインフラエンジニアにとってさまざまなOSや複数の組織で利用できるプログラムを作成できる利便性があります。

 

参考記事:Javaは何ができる言語なのか?できることや汎用性の高さをご紹介

BAT(バッチファイル)

バッチファイル(batch file)はWindows、OS/2、DOSなどのOS環境で管理に使用できるスクリプト言語により構築されている実行ファイルです。エクスプローラーでは拡張子.batをもつファイルとして表示されます。

ネットワークの設定をおこなったりユーザーの追加、権限の設定などさまざまなWindows設定作業を自動化できます。

TTL

TTL(Time To Live)はLinuxサーバーなどの管理をする際にWindowsで利用できるスクリプト言語です。

Linuxサーバーにはコマンドを文字としてキーボード入力していきますが、TTLを使えば一つのサーバーに対しておこなった設定を別のサーバーにもおこないたい場合など簡単にコマンド入力を自動化できます。

Bash(シェルスクリプト)

Bash(Bourne Again Shell)は1989年にリリースされて以来、LinuxやSolarisなどのサーバーOS、macOSなどで利用できシェル(コマンドライン環境)で、対応するスクリプト言語(シェルスクリプト)を実行できます。

Linuxサーバーの設定には、文字を打ち込んでいくことが多いですが、Bashはインフラエンジニアが入力した文字をキーボードから読み取って実行する代わりに、ファイルに保存されているスクリプトを読み取って実行でき、一連のコマンド操作を自動化できます。

Linux系OSの設定では随所でシェルスクリプトが使用されているため、シェルスクリプトを読み書きできることはLinux系OSの管理には欠かせません。

 

参考記事:Linuxの理解に欠かせないシェルとは?シェルスクリプトについても解説

よくある質問

インフラエンジニアを目指す方から多く寄せられる疑問の2点をご説明します。

未経験でもインフラエンジニアは目指せますか?

インフラエンジニアはクラウドコンピューティングの普及などで常に需要が高い状況となっており未経験でも採用される可能性があります。

しかしインフラエンジニアとしてキャリアを積んでいくためにはネットワークやサーバーの管理、設計や構築方法などさまざまなスキルを習得する必要があります。

インフラエンジニアとしてのスキルを身につけるには、教科書や技術書を読んで知識を学ぶことと、VPSやクラウドコンピューティングプラットフォームなどのサーバーをレンタルして実際にネットワークの構築やLinuxサーバーの設定をやってみるなど経験を積んでいく方法があります。

4冊インフラエンジニア向けの書籍をご紹介します。

 

男女によるインフラエンジニアで雇用条件や収入の差はありますか?

インフラエンジニアはリモートワークや屋内での勤務となるため性別の差によっておこなえる仕事に差はありません。

また、結婚や出産のため離職するなどで生涯年収が統計のうえで下がることはありますが、就業時点での年収に差はありません。

細やかな気づかいができ、スキルの習得・向上に熱心な方は性別問わずインフラエンジニアとしてのキャリアを高められる可能性が開けています。

まとめ

インフラエンジニアの職務内容や特徴を見てきました。

 

  • インフラエンジニアはシステムの基盤となるサーバーやネットワークを構築します。
  • インフラエンジニアの仕事内容は、設計・構築、監視、保守・運用、分析に分類できます。
  • インフラエンジニアの次のキャリアはITコンサルタント、プロジェクトマネージャ、フリーランスなどです。
  • インフラエンジニアに役立つ言語としてPython、Ruby、Java、BAT、TTL、Bash(シェルスクリプト)があります。
  • インフラエンジニアは多くの人に役立ち、社会貢献の実感が得られる職種です。

 

インフラエンジニアはIT技術への深い理解や新しい技術への探究心、顧客やチームとのコミュニケーションスキルを発揮でき、多くの人の役に立っていると実感しやすい職種です。

フリーランスの案件をお探しの方はTechReachにご相談ください。

TechReachを運営する株式会社アールストーンはIT・Web業界特化で15年以上の実績がございます。

そのため、高単価・高品質な数多くの案件紹介が可能です。

また一人のコンサルタントが企業と求職者様の担当を行う「両面型エージェント」を採用しているため、あなたの希望に合う案件がきっと見つかるはずです。

TechReachを活用して、理想の案件を見つけましょう!

関連記事

カテゴリ