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Javaの勉強方法と進め方の例をご紹介

プログラミング初心者の方がJavaを学習することを決めても、勉強方法や進め方のイメージが付きにくい場合もあるかと思います。そこでこの記事では、それらの情報に加えて、Java自体に馴染めるように、オブジェクト指向やコンパイル、Java仮想マシンなどについても説明をしています。ぜひともご確認ください。

 

 

出典:Java Logo

 

Javaはどのような言語なのか

Javaのおおまかな特徴を2つお伝えします。

1995年に作られ現在も活躍している

Javaは1995年に誕生し1996年に市場リリースされたプログラミング言語です。今回の記事でご紹介する、オブジェクト指向、Java仮想マシン、コンパイラ言語という特徴があり、処理速度の速さやセキュリティの高さ、プログラミング言語の汎用性の高さから現在でも活躍しています。

また、弊社TechReachでは総案件数が1299件と他のプログラミング言語より圧倒的に多く、業界全体を通しても同じような傾向があるため、Javaの知識やスキルを習得すれば働きやすい状況にあるといえるでしょう。(2022年10月現在)

また、Javaは過去の実績から情報も多くなっており、学習環境も整っています。初心者には難しいプログラミング言語だという意見も散見されますが、Javaから勉強を始めて転職やフリーランスを目指すことも戦略のひとつです。

組み込みシステムからスマホアプリまで開発できる

組み込みシステムとは、電子レンジや洗濯機、テレビ、エアコン、産業ロボット、医療機器など、何らかの機械や装置に組み込む、制御用のコンピューターシステムのことをいいます。組み込みシステムが入っていることで、ボタンを押したら電子レンジが動く、扉が開いていたら動作をさせない、といったことができるようになります。また、Javaはもともと組み込みシステムの開発を目的に作られた経緯があるため、現在でもよく利用されています。

スマホアプリは、Google社のAndroidとApple社のiOSでの開発を指すことがほとんどで、JavaはAndroidのアプリ開発ができるプログラミング言語です。現在の弊社Android案件では、Kotlinを利用したスマホアプリ開発のほうが多くなっていますが、Javaのスキルを求めるものもたくさんあります。また、JavaはKotlinと相互運用性を持っているため、JavaとKotlinの両方を利用した開発も可能です。

これらの特徴以外にJavaができることをまとめた記事もありますので、よろしければご確認ください。

 

関連記事:Javaは何ができる言語なのか?できることや汎用性の高さをご紹介

 

Javaを学ぶうえでのキーワード

この項では、Javaを学ぶうえで抑えておきたい、『オブジェクト指向』、『コンパイラ言語』、『Java仮想マシン』について説明をします。

オブジェクト指向

オブジェクト指向について簡単な紹介をしたあとに、自転車を例にして説明します。

オブジェクト指向とは

オブジェクト指向とは、システム開発をするうえでの考え方(概念)にあたります。

オブジェクト指向という考え方が広まるまでは、プログラムをうえから順に実行していく、手続き型というプログラミング言語が主流でした。しかし、手続き型のプログラミング言語は、大規模な開発になるとプログラムの追加や管理が大変になってしまうため、開発者がすべてを処理することが難しくなっていきました。そこで注目を浴びたものがオブジェクト指向で、現在では多くのプログラミング言語で採用されている考え方でもあります。

オブジェクト指向では、システム開発に必要な要素をモノ(オブジェクト)としてまとめ、モノの内容を定義・設計したり、一度作ったものを再利用したり、再利用したモノをカスタマイズすることができます。

自転車を例に説明

例えば自転車を作ろうと思ったとき、まずは下記の画像のようなものを想像されると思います。

 

 

自転車は、『自分の足でペダルを踏んで車輪を回転させて走行する乗り物で、サドルやハンドル、ブレーキなどがついているもの』と説明することができます。

オブジェクト指向では、まず作りたいモノ(ここでは自転車)について必要になる部品や条件などを考えて、それらを個別に開発し、組み合わせることでシステムを作ろうとする考え方です。

上の画像のような自転車を一から作るためには、サドルやハンドルなどの部品の設計に加え、自転車本体の設計を作る必要があります。そして一度設計してしまえば、赤色でも緑色でも、同じ形の自転車であれば自由な色に作りかえることが可能です。

オブジェクト指向では、上述した自転車のように作りたいモノを定義し設計することで、設計したモノを再利用したり(色を変えたり)、再利用したモノをカスタムする(サドルの定義を保ちつつ、形を変えたりする)ことができます。システムの一部を変更したいときは、作成した設計をもとに作業ができるため効率的です。また、部品ごとに分かれているため管理もしやすくなっています。

そのため、オブジェクト指向は効率的な開発、人間が簡単にシステム開発ができる方法を採用した考え方ともいえるでしょう。

コンパイラ言語

コンピューターとプログラミング言語の関係、コンパイルについておさらいをして、コンパイラ言語を説明します。

プログラミング言語とは

プログラミング言語とは、コンピューターにおこなって欲しいことを命令する言語のことです。日本語や英語、フランス語などがあるように、プログラミング言語にもJavaやRuby、Pythonなど、たくさんの種類があります。

例えば自転車を伝えようと思ったとき、日本語では自転車、英語ではbicycle、フランス語ではvéloと表現するように、プログラミング言語によってコンピューターに伝える方法が変わってきます。人間の言語の違いと同じように、プログラミング言語でも、同じ意味(ここでは自転車)を伝えようと思ったときの文法やルールが変わってくる、と覚えておきましょう。

(※注:感覚的に理解しやすいように人間の言語に置き換えて説明をしましたが、プログラミング言語によってできることとできないことがあります。すべてのプログラミング言語が違う文法やルールで同じことができるわけではありませんのでご注意ください)

コンパイルとは

プログラミング言語はコンピューターに命令をする言語ですが、人間が理解しやすいように作られています。そのため、現在でよく利用されているプログラミング言語では、コンピューターがそのまま理解することができないものが多くなっています。

コンピューターに命令をする際は、コンピューターが理解できる『機械語』にプログラムを翻訳する必要があり、その翻訳のことをコンパイルといいます。コンパイルの方法によって、次に紹介するインタプリタ言語、コンパイラ言語といった種類があります。

インタプリタ言語とコンパイラ言語

コンパイル(機械語への翻訳)方法は、インタプリタ型とコンパイラ型に大別されます。インタプリタ型は、プログラムをひとつずつ翻訳する方法です。プログラミングをしたシステムの動作をすぐに確認できますが、システム全体の処理速度が遅くなるという特徴があります。

それに対してコンパイラ型は、作成したプログラムを一括で翻訳する方法を採っています。そのため、処理速度が速いという特徴があり、Javaはこの方式を採用しています。しかし、一括で翻訳をするため、インタプリタ型と違いコンパイル作業が必要になります。また、プログラミング言語の種類として説明をする際は、インタプリタ型はインタプリタ言語、コンパイラ型はコンパイラ言語と呼ばれることが一般的です。

Java仮想マシン

Java仮想マシン(JVM|Java Virtual Machine)とは、Javaのプログラムを動かすために必要なソフトウェアです。WindowsやmacOS、LumixなどのOS(コンピューターの基本になるソフトウェア)を選ばずにプログラムを実行することができるという特徴があります。

一般的に、C言語やC++などの他のコンパイラ言語では、WindowsならWindows用の実行環境、macOSならmacOS用の実行環境を用意しないとプログラムを動かすことができません。そのため、Windows用に作ったプログラムはmacOSで実行することができなくなっています。

しかしJavaは、JavaコンパイラとOSの間にJava仮想マシンが入り、それぞれのOSに適用する機械語に翻訳をしてくれます。そのため、WindowsやmacOSといったOSの違いを吸収し、どのようなプラットフォームでもプログラムが実行できる、汎用性の高いプログラミング言語となっています。

Javaの勉強方法

Javaの勉強方法を2つお伝えします。

独学で学ぶ

参考書や、『paizaラーニング』、『Progate』、『Udemy』といったオンライン学習サービス、Web上の学習サイトやYouTubeなどでも独学で勉強することができます。また、ゲーム形式でプログラミングを学んでいく方法もあり、『プログラミング ゲーム』でブラウザ検索をするといろいろと出てきますので、ゲーム好きの方はこちらの方法もおすすめです。

プログラミングスクールを利用する

プログラミングスクールを利用すると、カリキュラムが組まれているため迷いなく学習することができる、同じ志を持った仲間と出会うことができる、わからないことをすぐに質問して効率的に学習することできるなどのメリットがあります。しかし、独学に比べて費用がかかり、通学型のプログラミングスクールの場合は移動時間もコストとして考えられるため、自身が納得する学校をしっかりと考える必要があります。

また、プログラミングスクールには厚生労働省が金銭援助をしてくれる『教育訓練給付制度』を利用できるところもあります。プログラミングスクールを検討している方は、こちらの制度についても調べておきましょう。

 

出典:教育訓練給付制度 – 厚生労働省

 

勉強の進め方例

この項では、Javaを勉強する進め方の一例をお伝えします。

基礎知識を身につける

Javaに限らず、プログラミング言語を利用して開発をするためには『開発環境』を整えなければなりません。Javaの場合はJDK(Java Development Kit|上述したJava仮装マシンはJDKに内包されている)というJavaの開発環境がセットになったものと、Eclipse(統合開発環境|効率的にプログラミングをするための機能がセットされているもの)をまずは揃えておきましょう。

加えて、プログラミング言語を使いこなすためには、数値計算や変数、条件分岐など、プログラミングの基礎知識をまずは覚えていかなくてはなりませんので、ひとつずつ身につけていきましょう。

簡単なプログラムを作ってみる

基礎知識を覚えたらオブジェクト指向の勉強に移行します。オブジェクト指向では、クラスとインスタンスが特に重要なものになり、それ以外にもメソッドや属性、継承、カプセル化などを理解しなくてはなりません。

プログラミング言語の勉強では、一番最初の基礎知識としてHello Worldのプログラムから始まる教材が多いかと思います。実際に手を動かし、自分でプログラムを作成すること(アウトプットすること)によって知識は定着していきますので、諦めずに続けていきましょう。

ライブラリとフレームワークについて学ぶ

Javaの一般的な開発方法を学んでも終わりではありません。現場のシステム開発では、『ライブラリ』というよく使う機能をパッケージ化したプログラムや『フレームワーク』というシステム開発に必要な機能を揃えた枠組みを使うケースが多くなっています。ライブラリやフレームワークを使うことで効率的な開発をすることができるようになり、特にフリーランスの案件では、これらの知識やスキルを前提とした求人も見受けられます。

ライブラリとフレームワークについての知識やスキルを持っていると対応できる業務領域が広がるため、Javaの学習を一通り終えたあとは、自身に必要があると感じたものを覚えていくようにしましょう。また、ライブラリやフレームワークを使わずに、Javaの基本文法だけで開発していくことを『素のJava』や『プレーンなJava』などといった表現がされることがあります。

Javaのライブラリやフレームワークにはたくさんの種類があり、フレームワークに関してはまとめている記事がありますので、よければこちらもご確認ください。

 

関連記事:Java言語のフレームワークはこの5つを押さえよう【2022年版】

     Javaのフレームワーク「Struts」とは?特徴やSAStrutsとの違いについても解説

進みたいキャリアに沿って知識を身につける

Javaで開発をすることは同じでも、開発をするものによって必要になる知識やスキルは異なっています。例えば、Androidアプリを開発したい場合、Javaの他に『AndroidStudio』というGoogleがリリースしている公式の統合開発環境(IDE)も覚えなければなりません。

他には、IoT(Internet of Things|モノのインターネット)開発がしたければ基盤やセンサーなどのハードウェア、ネットワーク、セキュリティに関する知識などが必要になります。Webアプリケーションであれば、サーバーやデータベース、SQL、クラウドなどの知識に加え、ユーザーが目にする部分の開発がしたければHTMLやCSS、JavaScriptなども覚える必要があるでしょう。

何かしらのシステムを開発する際は、Javaのようなプログラミング言語だけでなく、関連する知識も必要です。自分の作りたいものやキャリアに沿ったものを身につけるようにしましょう。

体系的な知識を身につけるには資格取得もおすすめ

網羅的・体系的な知識を身につけたい場合は、資格取得を目指すこともおすすめします。資格試験の内容にもよりますが、初心者向けの資格では一般的にその分野の基本内容が問われることが多く、そこから段階を経て知識を深めていくことができるからです。

Java関連の資格では、Javaのリリース元であるOracle社が主催をしている『Oracle認定Javaプログラマ』を特におすすめします。Oracle認定Javaプログラマは、レベルごとにBronze、Silver、Goldで区分されており、Bronzeはプログラミング未経験者でも合格できる内容になっています。

また、 Gold(Java Goldといわれる)はJava関連の資格で最難関の資格ともいわれています。Oracle認定Javaプログラマを段階的に合格すれば、網羅的な知識の取得と客観的なスキルの証明をすることができるでしょう。

Java SilverとJava Goldについてまとめている記事がありますので、こちらもぜひご確認ください。

 

関連記事:Java Silverの試験詳細や対策方法、資格取得のメリットをご紹介

     Java  Goldの難易度は?参考教材や勉強のコツを解説

まとめ

この記事の最初でもお伝えしたように、Javaはプログラミング初心者が初めてのプログラミングをする際に難しい、といった情報もあります。実際に、他のプログラミング言語に比べて環境構築や文法が複雑であるという特徴はありますが、IT業界全体を通して求人数が多く、エンジニアとしての経験が浅くとも採用している企業が見受けられます。

また、Javaのオブジェクト指向は他の主なプログラミング言語でも共通する概念であり、Javaに慣れれば他のプログラミング言語に容易に適応できるといったメリットもあるでしょう。プログラミングの習熟スピードは個々人の能力によるところもありますが、繰り返し勉強をすることで使いこなすことはできるかと思います。Javaに興味を持った方は、ぜひとも勉強を進めてみてください。

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