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JavaScript言語のフレームワークはこの5つを押さえよう【2022年版】

JavaScriptは昔から使われているプログラミング言語にも関わらず、現在でも第一線で利用され続けています。

今回の記事では、JavaScriptのフレームワークやライブラリをご紹介しています。フリーランスとして活躍するためにも大切なスキルになりますので、この記事の情報を参考にしていただき、みなさまのお役立てになれば幸いです。

出典:JavaScript – MDN Web Docs

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JavaScript言語の特徴

1995年にリリースされたオブジェクト指向のスクリプト言語で、当初はLiveScriptという名前でした。しかし、サン・マイクロシステムズ(現在名はオラクル社)がリリースしたJavaが人気を集めていたため、現在のJavaScriptという名前に変更された歴史を持ちます。

JavaScriptはポップアップウィンドウの表示や画像のスライド表示(カルーセル)など、Webブラウザ上で動きを出すために使われるプログラミング言語です。HTMLで文章を構成、CSSで文章の装飾、JavaScriptで動きを演出する仕組みになっています。JavaScriptのように、ユーザーのWebブラウザ上で機能するものをクライアントサイド(フロントエンド)のプログラミング言語といいます。

Webブラウザ上で動きを出すことができるので、ユーザーの操作によって表示する内容を変えることができます。上述したスライド表示以外にも、画面スクロールで表示されていくWebページや、入力フォームでのミスのアラート、案内メニュー(グローバルメニュー)の詳細表示欄の開閉などの機能です。

これらはユーザビリティの向上に関与してくるため、Webサイト開発で求められる機能となっています。しかし、クライアントサイドでJavaScriptと同じような働きをするプログラミング言語は他にありません。そのため、JavaScriptは多くのWebサイトで利用されており、現在の需要も将来性も高い言語といえるでしょう。

その他のJavaScriptの特徴としては、

・JavaScriptのみの利用の場合は実行環境のインストールが不要

・文字起こしなどのブラウザ上で作動する便利機能の拡張

・Webサイトを更新しなくともデータの取得、表示ができる非同期通信機能

・PHPやRubyなどのプログラミング言語と組み合わせてWebアプリケーションの作成ができる

・ゲームの開発で利用できる

などがあります。

Node.jsはフレームワークではない

出典:Node.js

フリーランスの案件ではNode.jsをフレームワークとして扱っているものもあります。しかし、Node.jsはフレームワークではなく、JavaScriptをサーバーサイド(バックエンド)で利用できるようにする実行環境のことです。本来はクライアントサイドでしか利用できないJavaScriptをサーバーサイドでも利用することができるようにするため、Node.jsはサーバーサイドJavaScriptとも呼ばれています。

Node.jsは2009年にリリースされ、その利便性の高さからNetflixやLinkedinなどの大規模サイトでも利用されるようになってきています。主な特徴としては、クライアントサイドとサーバーサイドをJavaScriptという共通の言語でプログラミングができるため作業の効率化に役立つ、同時接続台数が増加したときでも高速処理ができる、といったことを挙げることができます。

サーバーサイドでもJavaScriptが利用できるため、PHPやRuby、Javaなどのプログラミング言語を組み合わせなくとも、 JavaScriptのみでWebアプリケーションやスマートフォンアプリの開発、Webサーバーの構築ができるようになります。

また、Node.jsではJavaScriptのコードを実行するエンジンに、Googleが提供している高機能なV8JavaScriptエンジンを利用しています。加えて、シングルスレッド、イベントループ、ノンブロッキングI/Oなどの技術を用いているため、サーバーにアクセスするクライアントが1万人を超えたときに処理速度が遅くなる、C10K問題にも対応できるようになっています。

弊社TechReachのフリーランス案件でもNode.jsが利用できるエンジニアの募集が多くあります。そのため、JavaScriptをメインに扱うエンジニアの方はNode.jsを利用できるようになっておくと選べる案件の幅が広がるでしょう。

知っておきたいJavaScriptフレームワーク5選

ここではJavaScriptで人気のあるフレームワークやライブラリをご紹介していきます。

React・React Native

出典:ユーザインターフェース構築のための JavaScript ライブラリ

2013年にFacebook社(現在名はMeta社)がリリースしたオープンソースのライブラリでReact.jsとも言われ、UI(ユーザーインターフェース)の開発に特化しています。Reactは公式サイトにあるように、誰から見てもソースコードがわかりやすくデバックもしやすい『宣言的なView』、構成要素を部分ごとに分け管理しやすくする『コンポーネントベース』、既存のソースコードの書き換えをせず、Reactの知識でNode.jsやReact Nativeの記述もできる『一度学習すればどこでも使える』の3つを特徴としています。

また、JavaScriptの知識があれば習得することが難しくなく、コード記述も削減でき、大規模開発でも管理がしやすくなっています。加えて仮想DOM(Document Object Model)という仕組みを用いているため、処理速度が非常に速いという特徴もあります。

FacebookやInstagramなどのサービスにも利用されており、WebサイトやWebアプリケーション開発以外にVR開発などもできるようになっています。現在の需要もさることながら、Reactを覚えればスマートフォンアプリ開発に使うReact Nativeも利用できるため、将来性も高いライブラリということができます。

加えて、弊社TechReachのReact案件数は200件となっており、ライブラリ別に見ると1番需要のあるものになります。(2022年6月現在)

出典:React Native · Learn once, write anywhere

React NativeはReactと同じくMeta社が2015年にリリースした、スマートフォンアプリ向けのオープンソースフレームワークで、AndroidとiOSでの開発ができるようになっています。

Reactと同じようにコード記述ができ、既存コードの書き換えも不要のため、Reactを使うことができればReact Nativeも効率的に開発することができます。また、React NativeはJavaScriptでコード記述をするため、スマートフォンアプリ開発で用いるAndroidのJavaやKotlin、iOSのSwiftやObjective-Cなどの知識がなくとも制作が可能です。そのため、JavaScriptをメインに扱っているエンジニアの業務範囲が広がります。

また、現在ではスマートフォンアプリをリリースする際、AndroidとiOSの両方に対応したものを公開することが一般的です。React Nativeを用いればKotlinやSwiftといったように別々のプログラム言語を用いる必要がなくなるので、工数の削減にも大いに役立ちます。

React Nativeの他の特徴として、コードの修正をすぐにUIで確認することができるホットリロード機能を挙げることができます。通常は修正点の確認をするためにコンパイルをする必要があります。しかし、React Nativeではその手順が不要のため開発効率を高めることが可能です。

加えて、Apple社のAppStoreでは、JavaScriptでの修正や変更は審査なしでアップデートができるようになっています。そのため、JavaScriptを用いたReact Nativeでの開発は、Apple社からのリジェクト(審査落ち)を受けにくくなっており、スケジュール管理もしやすいといえます。

jQuery

出典:jQuery

2006年にジョン・レシグがリリースしたJavaScriptのディファクトスタンダード(業界標準)と言われているライブラリです。JavaScriptの項で説明をした、画面上の動きや非動機通信といった便利な機能を素のJavaScript記述より短く、簡単に実装することができるようになっています。加えて、本来であれば必要になるブラウザごとの調整をjQueryは自動でおこなってくれるため、過去には爆発的な人気を博しました。

現在でも多くのWebサイトで使われており、弊社TechReachでの応募もありますので需要はあるライブラリになっています。しかし、jQueryの有名なプラグインである、jQuery UIやjQuery Mobileの開発が2021年10月に終了され、他のプラグインも更新がされていないといった状況もあります。また、ReactやVue.js、bootstrap5などの登場により、jQueryを用いない開発も広がりを見せています。

Angular

出典:Angular 日本語ドキュメンテーション

2012年にGoogleによってAngularJSとしてリリースされ、2016年からAngularに名称が変更されたオープンソースのフルスタックフレームワークです。React やVue.jsとともに現在のJavaScriptでの開発で最も使われているフレームワークの一つに挙げることができます。Angularの標準開発言語はTypeScriptとなっています。しかし、TypeScriptはJavaScriptを拡張した言語になっているため、JavaScriptでの記述も可能です。

AngularはSPA(Single Page Application)という単一のWebページでアプリケーションを構成する仕組みをとっています。そのため、サーバーとの通信量を最低限に抑え、ユーザーのアクションにすぐに対応できるようになっており、UX(ユーザーエクスペリエンス)の向上につながります。

それ以外の特徴では、システムメンテナンスをしやすくするHTMLテンプレート機能、部分ごとに要素を組み合わせるコンポーネント指向、動作環境を意識する必要がないクロスプラットフォーム、MVW(Model、View、Whatever)モデルのシンプルな開発、データやUIの変更があったときは自動更新をしてくれる双方向データバインディング機能などを挙げることができます。

関連リンク:AngularJS/サーバーエンジニアのフリーランスエンジニア向け案件・求人

Vue.js

出典:Vue.js

2014年エヴァン・ヨー によってリリースされたオープンソースのフレームワークです。UIの開発に特化し、規模の大小や開発段階に関わらず利用することができる、プログレッシブフレームワークであると製作者本人が提唱しています。

シンプルで構文も難しくなく、HTMLに似た記述をするようになっています。日本語の情報も多いので、JavaScriptを使えるエンジニアは比較的簡単に習得することができるでしょう。また、Vue.jsは拡張性が高くなっており、プラグインはもちろん他のライブラリや既存プロジェクトとの組み合わせ、アプリケーションの一部だけでVue.jsを用いるといったこともできるため、自由度も高くなっています。

Vue.jsはMVVM(Model、View、View Model)を採用しており、ModelとViewの変更をすぐに反映でき、それぞれの部分を独自で開発できるようになっています。また、Angularと同じくSPA開発に強い、双方向データバインディング機能、コンポーネント指向などの特徴を持ち、Reactと同じく仮想DOMで処理をおこないます。

モダンなライブラリやフレームワークの機能を持っているにも関わらず、柔軟でシンプルな作りになっているため、Google、LINE、DeNAなどの企業にも採用されていて、今後もシェアの拡大が見込まれています。

弊社TechReachのVue.js案件数は189件となっており、フレームワーク別に見ると1番需要のあるものになります。(2022年6月現在)

Svelte

出典:Svelte • Cybernetically enhanced web apps

2016年にリッチ・ハリスによってリリースされたオープンソースのフレームワークでUIの開発に特化しています。大きな特徴は上述してきたReactやVue.jsと違い仮想DOMを利用していない点になります。コードを素のJavaScriptにコンパイルし処理をするので、DOMの更新を素早くできるようになっています。そのため、仮想DOMは不要であるという考えです。

ReactやVue.jsと同じ処理をする際のコード記述量も少なくなっており、開発者の負担を減らし、アプリケーションの処理も素早くなっています。また、学習コストも低くなっているので初学者でも扱いやすいといった特徴があります。しかし、他のフレームワークやライブラリと違い、日本語の情報はあまりありませんので、開発に詰まってしまった際の情報収集に苦労する可能性が考えられます。

拡張性がそれほど高くなく、機能も多くないので小規模開発に向いているフレームワークです。

その他のJavaScriptフレームワーク

JavaScriptには他にもさまざまなフレームワークがあります。確認しておきましょう。

  • AngularJS

先の項でご紹介したAngularの前身となったオープンソースのフルスタックフレームワークです。Angularと同じく、MVWモデルを採用し、HTMLテンプレート機能や双方向データバインディング機能などがあり、小規模開発に向いています。しかしながら、開発元のGoogleのサポートが2022年2月に終了しているため、今後はシステム移行なども考えられるフレームワークになっています。

  • Ember.js

2011年にイェフダ・カッツによってリリースされた、オープンソースのフルスタックフレームワークでMVCモデルを採用しています。Ember.jsはフルスタックで、リッチなWebアプリケーション開発ができる仕組みを提供しようとしているため、学習コストは高い部類に入ります。しかし、使いこなすことで生産性が高くなり、開発効率を上げることが可能です。

  • Hyperapp

軽量かつ高速な処理を実現するライブラリで学習コストも低くなっています。Reactと同じようにJSX構文で記述でき、仮想DOMも採用しています。また、非常にシンプルな構造のため小規模開発に向いているライブラリです。日本での開発実績や情報は少なくなっています。

  • Knockout.js

2011年にスティーブ・サンダーソンによりリリースされたオープンソースのフレームワークでMVVMモデルを採用しています。Knockout.js自体がJavaScriptで作られているため学習コストが低く、中規模開発に向いています。弊社ではKnockout.jsのスキルを求める案件がなく、業界全体を見てもかなり少ないようです。

  • Riot.js

軽量でシンプルなコンポーネント指向のライブラリです。学習コストが低く、HTML、CSS、JavaScriptの知識があれば開発しやすくなっています。しかし、データバインディング機能がないため大規模開発には向いておらず、日本でのシェアは広がっていません。

公開案件の数はReactとVue.jsが多い

弊社TechReachの案件数ではReactが200件、Vue.jsが189件とそれぞれライブラリ、フレームワークで一番需要のあるスキルになっています。これらに加え、Angularは107件となっているため、やはりReact、Vue.js、Angularの3つがJavaScriptのトレンドのフレームワークやライブラリということができます。また、これらは将来性も高いとみなされているため、JavaScriptを扱うエンジニアであれば習得したほうが有利になるでしょう。

まとめ

ここまで見てきたように、JavaScriptのフレームワークやライブラリはReact、Vue.js、Angularを基軸として考えていったほうがよいでしょう。しかし、jQueryも弊社案件では50件の求人があり、業界全体としてもまだまだ需要はある状態です。

フレームワークやライブラリの知識をつければ、JavaScriptの案件を獲得しやすくなります。フリーランスエンジニアは個人で契約を結んでいくかたちになりますので、スキルを磨き、必要とされる人材になれるように勉強をしていきましょう。

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