フリーランスとして働く場合、案件を獲得しなければ仕事をすることができません。未経験からWebデザインに携わろうとしている方、すでにWebデザインの仕事をされている方でも、フリーランスの案件概要は気になるところだと思います。
そこで今回は、Webデザイン案件を受注するために役立つ情報をご紹介しています。案件の特徴や求められるスキルを把握し、プラン作りの参考にしてください。
Contents
フリーランスがWebデザインの案件を受注するには
Webデザインの案件を受注するためには、画像作成やレイアウトに関するデザイン力、Webサイトの全体構造や操作性を考える設計力が不可欠です。具体的な業務の流れは以下のようなもので、さまざまなスキルが必要になります。
①クライアントの意向を伺い、Webサイトのイメージや機能、ブランディングなどを踏まえた要件定義。
②要件定義をもとにデザイン性や操作性を意識しながらワイヤーフレーム(Webサイトの骨組み)や配置を決定。
③Adobe PhotoshopやIllustratorを用いて配色や装飾、ロゴやグローバルナビ(案内メニュー)などのデザインを作成。
④ワイヤーフレームやデザインにしたがって、HTML、CSS、JavaScriptなどの言語でコーディング。
⑤検索システムなどのプログラミングをし、テストやデバック(エラーの修正)を繰り返し完成。
案件によって求められる業務は異なり、②と③、③と④などの一部工程を任されるものや、①〜⑤までを一任されるものまであります。フリーランスとして案件を受注しやすくするには、基本的なデザインに関する知識やAdobe Photoshopなどのデザインツールの技術に加え、プログラミング技術も習得しておく必要があります。
Webデザインのスキルを身につけ制作実績をつくる
Webデザインの案件では実務経験不問のものは滅多にありません。そのため、未経験者からすぐにフリーランスに転身することは非常に難しいといえます。将来的に困らないためにも、未経験者の方は独学あるいはスクールに通ってスキルを身に付け、Webデザイナーとして一度はWeb制作会社などに所属したほうがよいでしょう。
正社員や契約社員などの雇用形態を問わず、Web制作会社に勤めると制作実績をつくることができます。また、業務を通して磨かれるコミュニケーション能力やスキルはフリーランスでも必要なものです。
フリーランスのWebデザイン案件では、実務経験1〜3年以上を求めるものが多くあります。最低でも1年はWeb制作会社で働いて、実績を積んでからの独立をおすすめします。
Webデザイン制作ができることを知ってもらう
制作会社などから独立したての場合、前職で関わりのあった人しか業界内での知り合いがいない状態です。魅力的な商品を作成しても、知られなければ買い手はつきません。案件獲得を目指すにあたり、Webデザイナーとしてクライアントの目に入る努力が必要です。
ここでPRにつながるのが先に挙げた制作実績です。実績が多数あれば職務経歴書に書き連ねることができますし、ポートフォリオがあれば実際のWebデザインを見てもらうこともできます。
案件獲得のためには『Webデザインができる人』と認知される必要があります。営業活動を通して潜在的なクライアントを見つけ出し、実力を認められる段階があると覚えておいてください。
個人や法人からWebデザインの依頼をもらう
Webデザイナーとして認知され、依頼をもらえる段階に進みます。クライアントは個人と法人に大別され、個人から請け負う場合はWebデザインを一任される案件が多くなっています。それに対して法人の場合、比較的規模が大きく、ディレクターやコーダーとともに作業を進めていくことが一般的です。
どちらの場合もクライアントの意向をくみ取って業務をおこないます。また、イレギュラー発生時には柔軟に対応しなければいけません。実務経験で培ったスキルを使い、仕事を円滑に回せるように努めましょう。
フリーランスとして依頼をもらうため、自信を持って仕事をするためにも、一つ一つ段階を踏んでいく必要があります。
Webデザインの案件の種類
上述した請け負う工程以外にも、Webデザインの案件には種類があります。確認しておきましょう。
LP制作の単発依頼
LP(ランディングページ)とは、訪問者に商品の購入やサービスの申し込みをしてもらうことを目的にした紹介ページです。一般的には検索や広告のリンク先にある縦長のWebページ1枚で作成されています。
縦長のWebページは営業トークに近い役割を持ち、一つの商品説明に終始します。加えて、訪問者の興味を引くインパクトのあるデザイン、『商品購入』や『お申込みはこちら』といった目的とするアクション以外のリンクを排除しています。LPは強い訴求力を持たせ、コンバージョン(成果)獲得に貢献するよう作成されているWebページです。
Webデザインの案件としては、一時的なキャンペーンのお知らせなど、期間限定で用いるLPの作成依頼が多くなっています。
Webサイトの設計・デザイン
Webサイトと一口にいっても種類があり、大まかに9つあるといわれています。
コーポレートサイト | 企業や学校の公式サイト。 |
リクルートサイト | 求職者向けに情報を提供するサイト。 |
オウンドメディア | 企業が保有するコンテンツやメディアを発信するサイト。 |
ECサイト | インターネットで商品を販売するサイト。 |
ランディングページ(LP) | 商品の購入やサービスの申し込みに特化したサイト。 |
プロモーションサイト | 商品やサービスのプロモーションサイト。 |
ポータルサイト | お役立ち情報や業界に関するニュースなどの幅広いコンテンツを扱うサイト。 |
ブランドサイト | 商品やサービス、企業の魅力を伝えるためのブランディングサイト。 |
サービスサイト | 商品やサービスを伝えるためのサイト。LPと違い他のWebページへのリンクを設ける場合が多く、掲載コンテンツを深く、広く知ってもらうことを目的としている。 |
Webサイトの設計・デザインの案件は上記のどれかに該当します。業務内容はWebサイトの新規開発や改善などです。
バナーなどの広告デザイン
バナーとは、Webサイト上にある他のWebページへのリンクが付いた画像のことで、Web広告の一種です。バナーを含め、Web広告のデザインをする際には、クライアントの意向を深く汲み取り、デザインに反映しなければなりません。
Webデザイナーが一人でディレクションやキャッチコピー、セールスコピーなどを任される場合もありますが、ディレクターやコピーライターなどと分業していく案件が多くなっています。
広告デザインでは、ターゲットのアクションを促す目的のものがほとんどです。そのため、Webマーケティングの知見があれば効率的に業務をおこなうことができます。また、Web広告で一番大切になってくることは、そのWeb広告から売上の増加などにつながったか、どれだけの結果を導き出せたか、ということです。
Webデザイナーとして美しいデザインを制作することは大切なことです。しかし、デザイン性に加え、結果を出すためにどうするべきかという思考も必要になります。
フリーランスの案件には常駐型と在宅型とがある
常駐型とはクライアント企業に赴き業務をおこなう勤務形態のことをいい、在宅型とはリモートで場所を問わず業務をおこなう勤務形態のことです。
Webデザインの案件では常駐型はほとんどなく、一部リモート対応としているものが大多数を占めます。業務の特性上クライアントのイメージと実際のWebデザインのすり合わせが必要になってきますので、大切な工程は対面で、webデザイナーが進めるつ務はリモートでといった具合です。そのため、完全フルリモートの案件は他のWebエンジニア業種より少なくなっています。
案件の探し方は大きく分けて3種類
Webデザイン案件を探す方法は大きく分けて3種類に分類されます。それぞれの特徴を説明します。
クラウドソーシングの利用
クラウドソーシングとは、業務を発注したい個人や企業がインターネットで受注者を募り、マッチングした希望者と契約を締結できるサービスです。複数のクラウドソーシング運営会社がありますが、LancersとCrowdWorks以外のプラットフォーム(Shufti、Craudia、JOB HUB、Bizseek)では、Webデザイン案件は確認できませんでした。(2022年5月1日現在)
Lancers、CrowdWorksともに会員登録をすればすぐに利用できます。そのため、独立したての方でも案件探しの役に立つでしょう。契約から支払いまでプラットフォーム上で完備されていますので、契約書や請求書などの作成をせずに業務に取りかかることができます。
クラウドソーシングは非常に便利なサービスです。しかし、Webエンジニア専用のシステムではありませんので、後述するエージェントよりも案件の詳細が分かりづらい点もあります。
エージェントでは案件概要の他に利用プログラミング言語や必須スキル、職務内容などを案件検索画面ですぐに見ることができるので、詳細の把握がしやすくなっています。
それに対してクラウドソーシングでは、エージェントと同じ情報を知るためには案件の詳細ページに入らなければなりません。案件検索画面からワンクリックで詳細ページに入ることができます。しかし、膨大な数の案件の中から希望する条件を探すために、毎回ワンクリックする必要が出てきます。この動作によって時間がかかってしまうので、網羅的に調べる際の手間になることは否めません。
案件探しのマイナス面を書き示しましたが、案件の獲得ができれば報酬を得られる点でエージェントと変わりはありません。まずは登録をし、いつでも応募ができる状態を作っておきましょう。
エージェントへ登録し紹介を依頼する
エージェントとは、利用者の希望要件に該当するクライアントを探し出し、案件の紹介から報酬の請求までを代行、仲介してくれるサービス運営会社です。フリーランスエンジニア専用のエージェントも多数存在し、キャリア相談や福利厚生などのサービスを用意している企業もあります。
クラウドソーシングと違い、エージェントでは担当者がつくことがほとんどです。そのため、案件の相場やクライアント先の職場環境など、細かい情報を知ることができます。
エージェントは案件獲得の手助けをしてくれますので、少なくとも2、3社は登録しておくことをおすすめします。webデザイナー専用のエージェントは今のところありませんので、Webデザインの案件が多く掲載されているエージェントや、サポートの内容などを判断基準にしてみてください。
友人・知人に尋ねる
友人・知人に尋ねるのもよい方法です。フリーランスになったことを告げ、周囲にWebデザイナーを探している人がいないか聞いてみましょう。また、会社員時代にやり取りがあった方も顧客になる可能性があります。
まったく人との関わりがないという方は、エンジニアの勉強会やセミナーに参加することも一つの方法です。人脈を築くことで潜在顧客の選択肢に入れる可能性があります。
友人・知人からの紹介はクラウドソーシングやエージェントと違って手数料が発生しません。そのため、高単価契約になる可能性が高いです。契約書や請求書などが必要になってくるので自分で準備をし、営業活動をおこないましょう。
Webデザインの案件を受注するためにできること
案件を獲得しやすくするために、Webデザイナーにできることがあります。ここでは3種類をお伝えします
ポートフォリオの作成
ポートフォーリオとは成果物の資料集のことです。ポートフォリオを作成していると、スキルや実績、料金などを手短かに説明することができます。ここでは、弊社TechReachでご活躍されているWebデザイナーの株式会社オカクリ様のポートフォリオをご紹介します。(※掲載許可をいただいております。)
関連リンク:制作実績 − 株式会社オカクリ
関連リンク:料金表 − 株式会社オカクリ
制作実績や料金表などがあると、クライアントとのイメージ共有が簡単にできるようになります。そのため、Webデザイナーとして活躍をするにあたり、ポートフォリオは大いに役立つものです。ポートフォリオを作られていない方は、サーバーをレンタルして制作することをおすすめします。
営業用の文章作成
営業の方法として、企業などのお問合せフォームにメールを送信するものがあります。そのため、営業文章のもとになる、自身の基本的な情報をひな形として作成しておくことをおすすめします。
これはテンプレートを送りつけるという意味ではありません。ひな形があれば営業メールごとに何度も同じ文章を書かなくて済むので、書く時間を削減し、他の仕事を効率化するためのものです。
実際に営業メールを送る際は企業のニーズを読み取り、自分が仕事を請け負った場合に何ができるか、ホームページなどをどう改善できるかといった情報を記載しましょう。
デザイン以外の知識を身につける
Webデザイナーはディレクター、マーケター、コーダーと接する機会が多く、なかには経営者と接する場合もあります。そのため、Webデザインの目的や流れ、プロジェクトの全体構造などの知識を持ち、話が通じやすい人材になっておくことが大切です。
また、Webサイト開発は何かしらの情報の発信を目的にしています。Webマーケティングの知識があると、目的に即したデザインなどの提案もできるので、仕事が進めやすい人と認識され、継続的に利用されたり、他の人に紹介してもらえることもあります。
ディレクションやマーケティング、コーディングの知識やスキルはWebデザイナーとしてのキャリアアップにもつながります。フリーランスとして重宝されるためにも、勉強を続けていきましょう。
まとめ
Webデザイナーとして活躍するためには、Webデザインの技術をはじめディレクションやマーケティング、プログラミングについての知識を持っていたほうが有利になります。
未経験者の方はやることが多く、ハードルが高いと思われるかもしれません。しかし昨今では、インターネットや教本、スクールなど、勉強できる環境はありますので、少しづつ知識や技術を身につけていきましょう。
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