独立してフリーランスを選択すれば、働き方に自由度が生まれ、年収アップの機会も広がります。
しかしながら、不規則な収入になりやすいデメリットもあるので、独立を検討する際は細心の注意を払う必要があります。
本記事では、独立を考えているITエンジニアの皆さんへ向けて、フリーランスとして活動するプラスとマイナスを丁寧に説明し、加えて独立を判断するのに最適なタイミングと具体的な準備方法も解説します。
Contents
エンジニアはフリーランスとして独立できる?
エンジニアがフリーランスとして独立するのは十分可能です。
IT業界は慢性的なエンジニア不足が続いており、仕事の需要が高いため、スキルさえあれば食いっぱぐれる心配は少ないでしょう。また、エンジニアの仕事は在宅でもおこなえるものが多く、場所や時間にとらわれない働き方ができるのも魅力です。
さらに、エンジニアの仕事はリモートワークに適しているため、新型コロナウイルス感染症の影響で在宅勤務が広がったことにより、フリーランスエンジニアの需要はさらに高まっています。データによれば、フリーランスで活躍するエンジニアの年収平均は700万円程度と、相当な高水準にあるようです。
ただし、フリーランスには収入の不安定さや社会保障の手続きなどのデメリットもあります。独立前にはメリットとデメリットをよく理解し、十分な準備をしておくことが大切でしょう。独立に適したタイミングを見計らい、必要なスキルを身につけてから挑戦するのがおすすめです。
エンジニアがフリーランスとして独立するメリット
フリーランスエンジニアとして独立すると、会社員とは異なるメリットがあります。本項では、独立して得られる主なメリットを4つご紹介しましょう。
年収が上がる傾向にある
フリーランスエンジニアの平均年収は、700万円と会社員と比較してかなりの高水準です。
会社員の場合、給与は会社の業績や評価制度に左右されますが、フリーランスの場合は自分の実力次第で収入を上げることができます。高い技術力やマーケティング力があれば、年収1,000万円以上も夢ではありません。
ただし、案件が途切れてしまうと収入が途絶えるリスクもあるため、高単価の案件を安定的に受注できるスキルを身につけることが重要です。また、案件獲得のために営業活動をおこなう必要もあります。自分の力を過信せず、謙虚に仕事に取り組む姿勢が求められるでしょう。
やりたい仕事を自由に選べる
会社員の場合、上司から割り当てられた仕事をこなす必要がありますが、フリーランスは自分の意思で仕事を選ぶことができます。
自分の得意分野や興味のある案件に注力できるため、仕事のやりがいを感じやすいでしょう。新しい技術を学ぶ機会も得られます。
ただし、自分の希望だけで仕事を選んでいては収入が安定しません。ある程度の妥協は必要です。また、自分の実力を過信してハードルの高い仕事ばかり選んでいては、納期に間に合わなかったり、クライアントから信頼を失ったりしかねません。自分の能力を冷静に判断し、無理のない範囲で仕事を選ぶことが大切です。
働く場所や時間を自由に選べる
フリーランスは、自宅やコワーキングスペース、カフェなど好きな場所で仕事ができます。
子育てや介護中の人にとって、時間や場所に縛られない働き方ができるのは大きなメリットであり、ライフスタイルに合わせて柔軟に働けます。
一方で、自宅で仕事をする場合は仕事と私生活のメリハリをつけにくいデメリットもあるため、仕事専用のスペースを作ったり、勤務時間を決めたりするなどの工夫が必要です。
また、常に1人で仕事をするため孤独を感じることもありますが、家族や友人、他のフリーランスとのコミュニケーションを大切にし、適度な息抜きが重要です。
独立するための初期費用が低い傾向にある
フリーランスエンジニアとして独立する際の初期費用は、他の職種に比べて低い傾向にあります。
パソコンとインターネット環境さえあれば、すぐに仕事を始められます。自宅の一角を仕事スペースにするだけで十分です。
また、フリーランス向けの案件サイトを利用すれば、営業活動にかかる費用も抑えられます。
エンジニアがフリーランスとして独立するデメリット
フリーランスエンジニアとして独立する前に、注意が必要なポイントも見ていきましょう。
収入が不安定になりやすい
フリーランスエンジニアは、会社員と違って毎月決まった収入が得られるわけではありません。
案件の受注状況によって、収入が大きく変動します。安定した収入を得るためには、常に次の案件を探しておく必要があります。
また、案件が途切れてしまうと、収入が途絶えるリスクもあります。長期的な案件が獲得できるよう、日頃からスキルアップに努め、人脈を広げておくことが大切です。
さらに、フリーランスは会社員と違って有給休暇がありません。体調不良や家庭の事情で休んだ分の収入は得られません。ある程度の貯蓄が必要でしょう。
社会的に信用が低い
フリーランスエンジニアが、正社員と比べると社会的信用度が低いと言われるのは、収入の不安定さに加えて、所属する会社のないことが大きな理由です。
銀行からローンを借りたり、賃貸物件を借りる際の審査では、正社員と比べるとハードルが上がります。独立当初は特に、ローンの利用や住居の確保などが難しくなる可能性があるでしょう。
一定の実績を積んで、フリーランスエンジニアとしてのキャリアを確立していけば、信用の問題も徐々に解消されていきます。ただ、独立当初は正社員時代と同じようにはいかないことを理解しておく必要があります。
税務処理や管理を自分でおこなう必要がある
会社員の場合、給与から税金が差し引かれて支払われるため、税務処理を意識する必要はありません。一方、フリーランスエンジニアは事業者として、税務処理を自分でおこなわなければなりません。
確定申告をはじめ、納税や社会保険料の支払いなど、ビジネスオーナーとしての事務作業が発生します。会計や税務の知識がないと、事務作業に多くの時間を取られてしまうことがあります。
また、案件の進捗管理、請求書の発行や売掛金の回収など、エンジニアリング以外の業務も自分で対応する必要があるため、上記を踏まえ覚悟を決めて独立に臨むことが大切でしょう。
孤独を感じることがある
会社員として働いている間は、同僚と毎日顔を合わせ、上司に相談しながら仕事を進めていくことができました。しかし、フリーランスエンジニアとして独立すると、基本的に1人で仕事をします。
特に在宅ワークの場合、1人で黙々と作業する時間が長くなるため、孤独を感じやすくなります。また、技術的に困ったことがあっても、気軽に相談できる相手がいないのも悩みの種です。
フリーランスエンジニア同士のコミュニティに参加したり、オンラインでの交流の場を探したりするなど、積極的に人との関わりを持つ工夫が必要になるでしょう。1人で仕事をするのに不安を感じる人は、独立に向いていない可能性があります。
ITエンジニアの平均年収【職種別】
フリーランスITエンジニアの平均年収は、職種によって差があります。以下では、主要な職種ごとの平均年収を見ていきましょう。
システムエンジニア(SE)
システムエンジニアの平均年収は、778.8万円です。要件定義や設計など上流工程の担当が多いため、高い年収となっています。
バックエンドエンジニア
バックエンドエンジニアの平均年収は、885.6万円です。サーバーサイドの開発を担当し、高度な技術力が求められるため、高い年収水準にあります。
フロントエンドエンジニア
フロントエンドエンジニアの平均年収は、848.4万円です。ユーザーインターフェースの開発を担当し、デザイン性も求められるため、バックエンドエンジニアに次ぐ高い年収となっています。
インフラ系エンジニア
インフラ系エンジニアの平均年収は、825.6万円です。サーバーやネットワークの構築・運用を担当し、安定稼働を支える重要な役割を果たすため、高い年収水準にあります。
プログラマー
プログラマーの平均年収は、680.4万円です。コーディングを中心に担当するため、他の職種と比べると年収は低めですが、それでも全職種の平均を上回る水準です。
フリーランスエンジニアとして独立するベストタイミングは?
健康面での不安がないこと以外に、独立のタイミングを判断する際の重要なポイントを詳しく解説します。
実務経験を重ねてから
フリーランスエンジニアとして活躍するには、実務経験を十分に積んでおくことが大切です。
会社に所属している間は、先輩エンジニアからアドバイスをもらったり、チームのサポートを受けたりしながら仕事ができます。一方、フリーランスはそうした支援が得られにくいため、独力で案件をこなせるだけのスキルが求められます。
具体的には、設計からテスト、デプロイまで、一連の開発工程を一人で担えるようになっておくとよいでしょう。開発言語やフレームワークなど、自分の強みとなる技術を磨いておくことも大切です。
このような実務経験やスキルは、クライアントから信頼されるフリーランスエンジニアとなるために欠かせません。独立を考えている方は、会社で多くの経験を積んでからの独立をおすすめします。
案件を定常的に獲得できる見込みが立ってから
フリーランスエンジニアにとって、案件の安定的な獲得は生活を左右する重要な課題です。
エンジニアの知人から直接仕事を紹介してもらえれば心強いですが、紹介だけでは不十分でしょう。クラウドソーシングサイトやフリーランス向けのエージェントなどを活用して、複数の案件獲得ルートを確保しておくことが大切です。
また、自分の得意な技術やサービスをアピールできるポートフォリオサイトを作っておくのもよいでしょう。SNSを活用した情報発信を通じて、見込み客とのつながりを増やすことも可能です。
このような地道な営業活動によって、案件を定常的に獲得できる見通しが立ってから独立するのが理想的です。独立後も継続的に案件が得られるよう、日頃から人脈づくりとスキルアップを心がけましょう。
金銭面で余裕ができてから
フリーランスエンジニアとして独立する際は、ある程度の資金的な余裕を持っておくことが大切です。
会社員の場合は毎月決まった額の給与が支払われるため収入が安定していますが、フリーランスは案件の状況によって収入が変動し、無収入の月も発生し得ます。
このようなリスクに備えて、独立後しばらくの間は生活費をまかなえるだけの貯蓄を用意しておくことが賢明で、一般的には半年から1年分の生活費に相当する額を目安にするとよいでしょう。
また、健康保険料や住民税などの費用も自分で支払う必要があるため、事前に支出を見積もったうえで資金計画を立てておくことが大切です。
エンジニアとしてフリーランスを目指すには
フリーランスを目指す際、仕事の受注を継続的におこなえるかどうかは大変重要です。
本項では、継続的な受注を通じて安定したフリーランスを目指す方法を見ていきましょう。
自ら営業活動をおこなう
フリーランスエンジニアとして成功するためには、自分の技術やスキルをアピールし、クライアントから仕事を獲得するための自らの営業活動が必要です。
具体的には、自分のポートフォリオを作成し、SNSやブログなどでの発信が効果的です。また、知人や友人に自分の仕事を紹介してもらうのもよい方法です。
独立初期は獲得に苦労するかもしれませんが、コツコツと継続すれば次第に仕事が舞い込むようになり、フリーランスとしての成功へとつながります。
フリーランスエージェントを活用する
フリーランスエージェントとは、フリーランスエンジニアとクライアントをマッチングするサービスのことを指します。フリーランスエージェントを利用すると、自分の条件に合った案件を紹介してもらえます。
フリーランスエージェントは、独立したばかりで営業活動に不慣れなエンジニアにとって、自分の条件に合った案件を見つけるのに有効な手段です。
数あるエージェントのなかでも、ITエンジニア専門の「テックリーチ」の利用をおすすめします。テックリーチは、東証プライム上場企業が運営しており、大手企業からベンチャー企業まで多くの案件を保有しています。また、専門知識を持ったキャリアアドバイザーが、エンジニアの経験やスキルに合わせて最適な案件を提案してくれます。
さらに、テックリーチでは、契約交渉や報酬の支払いなども代行してくれるので、安心して案件に参画できます。フリーランスエンジニアとして独立する際は、ぜひテックリーチの利用を検討してみてください。
知人の紹介を受ける
フリーランスエンジニアとして独立する際、知人の紹介で案件を獲得するのも効果的な方法です。知人の紹介であれば、クライアントとの信頼関係も築きやすく、スムーズに案件を進められる可能性が高いです。
ただし、知人の紹介だけでは、案件数が限られてしまう可能性があります。そのため、知人の紹介だけに頼るのではなく、並行して営業活動やフリーランスエージェントの活用もおこなうことをおすすめします。
また、知人の紹介で案件を獲得する際は、自分の技術力やスキルを正確に伝えることが重要です。知人に自分の実力を過大に伝えてしまうと、クライアントの期待に応えられず、トラブルになる可能性があります。
逆に、自分の実力を過小に伝えてしまうと、適切な報酬を得られない可能性があります。そのため、知人の紹介で案件を獲得する際は、自分の技術力やスキルを正確に伝えることを心がけましょう。
まとめ
独立してフリーランスエンジニアになれば、年収アップと自由な働き方が可能になる半面、収入が不安定になったり、孤独を感じやすくなったり、税務・経理の手続きが面倒になったりするデメリットもあります。
賢明な独立のタイミングは、実務知識を十分に身につけたうえで、案件の獲得が見込まれ、経済的な準備もできてからと考えられます。
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