プログラミング学習を始めるうえで、知識やスキルの証明になり、体系的、網羅的に学習を進めることができる資格試験にチャレンジすることはよい選択肢であるといえます。今回はJavaScriptの2つの資格について、試験対策なども含めてご紹介しています。ぜひともご確認ください。
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JavaScriptの特徴
JavaScriptは、主に『フロントエンド』というWebサイトなどでユーザーの目に見える部分のシステム開発で使うプログラミング言語です。フロントエンド開発では、HTMLやCSSという言語で静的Webページを作成し、JavaScriptで動的Webページになるようにシステムを構築する、といった工程が採られます。
静的Webページとは、HTMLやCSSのみで作成されていて、表示された内容が変わらないWebページのことをいいます。企業が作成するコーポレートサイトなどで、文字や画像がまったく動かず、マウスオーバー(Webページ上でアイコンなどにマウスポインタを合わせること)をしてもポップアップなどが出ず、表示されているものが変わらないものをイメージして頂くとわかりやすいかもしれません。
それに対して動的Webページとは、ユーザーがWebサイトなどに訪問した際に表示される文言や画像が変わったり、ユーザー操作に対応して、マウスオーバーなどでポップアップなどが出現するものをいいます。近年では、Webサイトの見やすさや使いやすさなど、ユーザーと接する部分を表すUI(user interface|ユーザーインターフェイス)や、Webサイトなどを利用した体験のことを表すUX(user eperience|ユーザーエクスペリエンス)という言葉があり、UI /UXエンジニアという職種もあります。
通常のフロントエンド開発やUI /UXに特化したUI /UXエンジニア、WebデザイナーなどでもJavaScriptは使われる言語となっています。なぜJavaScriptが利用されるのかというと、JavaScript以外のプログラミング言語ではブラウザ上で動きを演出することができないからです。
JavaScriptはブラウザ上で動きを演出することができる唯一のプログラミング言語になっているため、IT業界で『リッチなWebサイト』などといわれる、動きがあり、デザイン性の高いWebサイトでは必ず使われている言語になっています。
また、少し複雑な内容になるかもしれませんが、JavaScriptはNode.jsという実行環境を使うことでユーザーの目に触れることのないバックエンドの開発もできるようになっています。JavaScriptをバックエンド開発でも利用する企業は限られていますが、フロントエンド開発、バックエンド開発を問わず利用できるところはJavaScriptの特徴といえるでしょう。
これら以外の特徴や、JavaScriptでの開発を簡単におこなうことができるフレームワークについて記載している記事もありますので、よければ参考にしてください。
出典:JavaScript言語のフレームワークはこの5つを押さえよう【2022年版】
資格取得のメリット
資格を取得するメリットは、①客観的なスキルの証明になる、②網羅的、体系的、段階的に知識を身に付けることができる、③企業によっては資格手当などの給与UPが見込める、などがあります。
取得する資格の難易度や認知度によって評価基準は異なりますが、転職やフリーランスの案件探しでアピール材料になるものも多数あります。また、国際的に通用する資格もありますので、エンジニアとしてのスキルアップやキャリアアップを考える際に、資格取得を目指すことはよい選択肢のひとつです。
JavaScript学習者におすすめの資格
JavaScript学習者におすすめできる資格をふたつ説明します。
CIW JavaScript Specialist
CIW(Certified Internet Web Professional) とはアメリカのCertification Partner社が運用しているインターネット技術者の認定資格です。世界70ヵ国以上で実施され、20万人以上の人がCIW試験に合格している国際的にも通用する資格になっています。
CIWの資格は基礎(Web Foundations Associat)、デザイン(Web Design)、開発(Web Development)、セキュリティ(Web Security)の4分野があり、JavaScript Specialistは開発分野の資格のひとつです。CIW JavaScript Specialistとは、CIWの『JavaScript Specialist』という資格試験のことです。
JavaScript Specialistは、JavaScript の特徴と一般的なプログラミング手法、コードのデバッグとトラブルシューティング、ライブラリとフレームワークの実装など、14個の試験項目があり、基礎から応用までの幅広い知識が求められます。そのため、資格取得をすればJavaScriptを扱うエンジニアとして、しっかりと業務に対応することができるスキルや知識を証明することができます。
応用レベルの問題が出題されるため、JavaScriptでの開発経験がない人がいきなり合格をすることは難しいと判断できます。また、CIWの試験はすべて英語で記載されているため、試験に合格するためには英語の読解力も必要になっています。
出典:CIW JavaScript Specialist – Instructor-led Products
HTML5プロフェッショナル認定試験
特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(LPI-Japan)が実施している資格試験です。LPI-JapanはOSのLinux認定試験である『LinuC|リナック』やオープンソースデータベースの認定試験『OSS-DB技術者認定試験』なども取り扱っています。
HTML5プロフェッショナル認定試験はHTML5やCSS3、JavaScriptなどの知識やスキルを認定する試験で、レベル1とレベル2に分かれています。レベル1は『HTMLやCSSでWebコンテンツなどを制作できる広範囲の基礎知識』などが問われ、レベル2では『HTML、CSS、JavaScriptを利用し、高パフォーマンスな動的コンテンツ制作やリアルタイムな情報を提供できるアプリケーションを開発することができる』などの知識やスキルが問われます。
JavaScriptを扱うエンジニアはHTMLとCSSも扱いますので、まずはレベル1の合格を目指し、そのあとにレベル2に挑戦をしましょう。いきなりレベル2を受験することも可能ですが、レベル1とレベル2を保有しないと 『HTML5プロフェッショナル認定 レベル2』の認定がおりません。そのため、レベル1、レベル2と順序を踏んだほうがよいでしょう。
公式ページによると、レベル1に合格をすればHTMLやCSSを使った基本的な実務に対応ができるとの説明があります。また、レベル2についてもJavaScriptの応用問題などが出題され、簡単な資格ではありません。そのため、資格を保有すればJavaScriptを利用したフロントエンド開発などに対応できる、と評価されることが期待されます。
出典:Web資格なら「HTML5プロフェッショナル認定試験」公式サイト
関連リンク:HTML/サーバーエンジニアのフリーランスエンジニア向け案件・求人
JavaScript関連資格の試験対策方法
CIW JavaScript SpecialistとHTML5プロフェッショナル認定試験の試験対策方法をお伝えします。
CIW JavaScript Specialist
一番最初の問題として、CIW JavaScript Specialistの英語問題を解くための英語力の有無が重要になります。公式サイトなどでは必要な英語力として、TOEICやTOEFL何点以上などの記載はありませんでしたので、実際のテスト問題を見て判断をしましょう。
JPNTestというサイトでCIW JavaScript Specialist試験である、『1D0-735』の無料問題集がありましたので、下記で引用します。
出典:1D0-735無料問題集「CIW JavaScript Specialist」 – JPNTest
また、公式サイトでは試験に対応した参考書、模擬試験付き参考書が販売されていますので、実際にこちらの商品を購入して試験対策をするのが一番有効かと思われます。
出典:CIW JavaScript Specialist – Instructor-led Productsを日本語に翻訳し添付
加えて、IT分野では日常英会話であまり利用されない英単語があるため、プログラミング英語検定や、プログラミング英単語に特化した学習書などで勉強をすることもおすすめできます。
出典:Amazon|現場で困らない! ITエンジニアのための英語リーディング
試験内容については、JavaScriptの基本からセキュリティ、拡張機能、Web API の実装まで幅広く出題されるようになっています。そのため、日本語のJavaScript参考書を購入し、基礎部分を網羅的に学習したあと、公式サイトの内容を参考に知識を深め、可能であれば試験対象範囲の実装などをするほうがよいでしょう。
出典:CIW JavaScript Specialist – Exam Objectivesを日本語に翻訳し添付
JavaScript Specialist試験の『1D0-735』は受験料150米ドル、受験資格は特になし、制限時間90分、問題数: 55、合格点: 70.91%となっているため、一問あたり約1分半で解答する必要があります。JavaScriptの知識もさることながら、問題を素早く理解する英語力も必要になるので、しっかりと準備をして挑むようにしましょう。
HTML5プロフェッショナル認定試験
HTML5プロフェッショナル認定試験は公式サイトに効率的な学習の流れが記載されていますので、まずはこちらを参考にしてみましょう。
出典:学習方法|Web資格なら「HTML5プロフェッショナル認定試験」公式サイト
こちらの公式ページにある、『HTML5道場』や『認定教材』などで対策をし、実際にHTMLやCSS、JavaScriptを用いてシステム開発、実装をすると知識やスキルがより強固なものになると考えられます。
また、初心者の方はProgateやpaizaラーニングといったオンライン教材で最初の学習を始めることもできますので、初級レベルの学習については自身に合ったものを選ぶようにしましょう。
受験料はレベル1、2ともに16,500円(税込)、所要時間は90分、試験問題数はレベル1が約60問、レベル2が40〜45問、合格点数は非公式になっていますが、約7割の正答率で合格という情報が多くなっています。
レベル1、2ともに参考書と問題集の販売があり、上記『学習方法』のリンク先にはサンプル問題などもあります。また、HTML5プロフェッショナル認定試験の受験体験ブログなどもありますので、それらの情報も加味しながら対策を立てるようにしましょう。
まとめ
日本国内でJavaScriptの資格取得を考えるのであれば、HTML5プロフェッショナル認定試験レベル2、外資企業や海外勤務を希望する場合はCIW JavaScript Specialist
の取得をおすすめします。
JavaScriptはフロントエンド開発の必須スキルとなっているため、資格試験を通して知識やスキルを身に付けることで、仕事の幅が広がることは間違いありません。しかし、どのプログラミング言語にもいえることですが、フレームワークやライブラリなど、新しい技術は常に生まれてくるので、必要になる知識やスキルはその都度習得する必要があります。
いったんは資格取得を目指し、取得後は自身のスキルアップやキャリアアップを加味したうえで、エンジニアとしての勉強を続けていただければと思います。
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