近年AI技術の目覚ましい発展により、ホワイトカラーの仕事がAIに奪われるのではないか、という話を耳にしたことがあるのではないでしょうか?この記事では、エンジニア職がAIに奪われる可能性があるのか、またエンジニア職の将来性について解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
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「エンジニアの仕事がAIに奪われる」と言われる理由
そもそもAIとは人工知能のことで、人間のように考えることができるコンピューターの実現に向けて研究されてきました。ディープラーニングなどの登場により、音声認識、画像認識、自然言語認識などの技術が飛躍的に向上し、Googleアシスタント、自動運転など生活や産業に導入されていっています。近年では、ChatGPTやMidjourneyといった生成AIが発表され、AIに話題が集まっています。こうした技術の革新的な進歩は、かつての産業革命を思い起こさせます。機械の登場により、熟練工が必要なくなりました。AIなどによりもたらされる変革を第4次産業革命と呼び、その変革により、失われる職業があるのではないか、と懸念されるのも無理からぬことです。野村総合研究所とオックスフォード大学の研究によれば、将来49%の職業がAIなどにより代替されるとしています。
AIはまだ研究の過程にあり、将来においてどのような影響を与えるかは予想の範疇でしかありませんが、エンジニアの仕事がAIにより代替されない、という保証もないと言えます。
AIのほかにエンジニアの仕事を奪う存在
例えば、kintoneは必要な業務システムをノーコード・ローコードにより自分たちで作ることができるサービスです。STUDIOは自動でコーディングをおこなってくれます。このようなサービスの普及により、既存のエンジニアは仕事を失うかもしれない、という声もあります。また、人材不足やコストの削減を目的に海外の開発会社に依頼するオフショア開発(Offshore Development)のように、海外のエンジニアにより日本のエンジニアが仕事を奪われるかもしれない、という声もあります。
「エンジニアの仕事はAIに奪われない」と言われる理由
AIはまだ研究段階にあり、現段階のAIでは、まだエンジニアの仕事はなくならないのではないか、と言われている理由を解説します。
AIには代替できないスキルが必要
現在のAIは、ITエンジニアに求められる課題解決力や、コミュニケーション力や交渉力が求められる仕事は難しいとされています。例えば、顧客の依頼により業務システムを作成する場合、顧客の業務や業務上の課題をヒヤリングし、そのうえで、どんなシステムが最適かを提案し、機能面や価格面などの合意形成をしたうえで、作成するというプロセスが考えられます。こうした業務の進行をAIによって代替できるかというと、現状のAIの苦手とする領域となります。
AIは管理が必要
現状AIは何かの目的や課題解決に対して使用され、その際にAIを学習させる必要があります。具体的には、データ収集、データ加工・構築といった機械学習の設計をおこない、グリッドサーチ、ランダムサーチ、ベイズ最適化といった機械学習におけるアルゴリズムの設定をおこない、適合率や再現率といった評価指標の選択などをおこなう、といったことをします。こうしたAIの管理にはエンジニアが必要です。
IT技術の発展に不可欠
現在の生成AIブームとなっているChatGPTも、OpenAI社のエンジニアが開発したものです。AIやIoTやメタバースなどIT業界の発展に、エンジニアは欠かせません。
IT業界の市場拡大による需要の高騰
そもそも、日本は人口減少に伴う労働人口の減少が問題となっています。また、経済産業省によれば、2030年までに、IT人材が最大で約79万人不足すると予想されています。市場として、エンジニアの需要は拡大傾向にあります。人手不足を補うには、ITエンジニアとAIの共存が必要になるのかもしれません。
AIにできるエンジニアの仕事とは?
AIが得意とすることは、音声処理、画像処理、自然言語処理、産業用ロボットや自動車などの機械制御などです。他にも仕様書、設計書の作成、ソースコードの記述、ソースコードレビュー、デバッグ作業などもおこなえます。AI技術が発達していけば、今あるエンジニア職の仕事のほとんどをこなせるようになる可能性はあります。
エンジニアの将来性はある
これまでの総括になりますが、エンジニアの将来性はあると言えます。
・AIにも苦手分野があり、管理も必要
AIの発展により、一部ITエンジニアのスキルが代替可能になってきているのは事実です。将来的には、より多くのスキルが代替可能になってくるかもしれません。ですが、AIにも苦手とする分野があり、またAIを管理するエンジニアの存在も不可欠です。
・IT人材の不足
日本は人口減少が問題となっており、IT業界は、2030年までに、最大で約79万人のIT人材が不足すると予想されています。人材不足からくる需要が見込めます。
・IT業界の発展
かつてインターネットの出現により、ITエンジニアという新たな職種が誕生し、近年、AIやIoT、ビッグデータといった新しい技術の登場により、AIエンジニア、データサイエンティストという新たな職種が誕生しました。今後も、新たな技術の登場と共に、新しいエンジニア職が誕生することが考えられます。
AI時代を生き抜くエンジニアを目指すには
IT技術の進歩は目まぐるしく、世の中の需要は日々移り変わっています。それに合わせてエンジニアも、変化していくことが求められているのかもしれません。
経済産業省によれば、システムの開発などをおこなう従来型IT人材の需要は、将来的に減少傾向にあるものの、人材は不足するとしています。一方、AIやIoTなどを扱う先端IT人材と情報セキュリティ対策を担う人材(高度IT人材)の需要は、将来的に増大し、かつ人手不足も深刻化するとしています。
世の中の需要に応えるために、新しい情報のキャッチアップとスキルの向上は欠かせません。
まとめ
AIの登場により、エンジニアの仕事もAIにより代替される可能性があります。現在でも、仕様書、設計書の作成、ソースコードの記述など、一部の仕事をAIがこなすことができますが、今よりもAIが進歩すれば、更なる業務範囲の拡大や、AIが苦手とする分野の克服などにより、ほとんどのエンジニア職の仕事を代替できるようになるかもしれません。
一方、AIやIoTなど新たな技術の登場により、データサイエンティスト、AIプランナー、AIエンジニア、IoTエンジニアなど、新たな職種も生まれています。人材不足から来るエンジニア職の需要も高く、将来性は高いと言えます。
IT業界の進歩に取り残されないように、情報の収集とスキルアップを心がけながら、時代のニーズに合ったエンジニアを目指してみてください。
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