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フリーランス向けAzure案件について、主な業務内容や単価相場を解説

AzureはMicrosoft社のクラウドサービスで、大企業を中心に導入が進んでいます。

フリーランスエンジニアにとって、Azure関連の案件は将来性が高く魅力的です。

本記事では、Azure案件の主な業務内容や単価相場、Azure案件の特徴を詳しく解説します。また、高単価案件を獲得するためのポイントにも触れるので、フリーランスエンジニアの方はぜひ参考にしてください。

Azureとは?

Azureは、Microsoft社が提供するクラウドコンピューティングプラットフォームです。インターネット上の仮想的なコンピュータ環境を利用して、サーバーやストレージ、データベース、ネットワーク、ソフトウェアなどのリソースをオンデマンドで提供します。

Azureは、IaaS(Infrastructure as a Service)とPaaS(Platform as a Service)の両方のサービスを提供しています。IaaSでは、仮想マシンやストレージなどのインフラリソースを利用できます。PaaSでは、アプリケーションを開発・実行するための基盤を提供し、ユーザーはアプリケーションの開発に集中できます。

Azureの特徴は、高い可用性と拡張性、セキュリティ、コスト効率の良さなどが挙げられます。また、Microsoftの他のサービスとの連携も容易で、Office 365やDynamics 365など、企業で広く使われているサービスとスムーズに統合できます。

Azure案件は将来性が高い

Azureを扱えるエンジニアの市場価値は今後ますます高くなると考えられます。理由は、Azureのシェア率が年々上昇しているためです。

クラウドサービス業界での最新のシェア調査では、AzureがAWSに次ぐ2位の地位を維持しています。順位に変化はありませんが、AWSとのシェア差が徐々に縮小しており、Azure市場の拡大傾向が見て取れます。

実際に、Azureはすでに米国防総省から100億ドルの大型契約を獲得したり、国内の大手企業WEBサイトで利用されています。

【Azure利用WEBサイトの例】

  • ・JAL
  • ・サントリー
  • ・ニコン
  • ・パイオニア
  • ・パナソニック
  • ・マイナビ
  • ・任天堂
  • ・富士フイルム
  • ・文藝春秋
  • ・横河電機

多くの企業がMicrosoftのOSやOffice 365などの生産性向上ソフトウェアを使用しているため、Azureは重要な企業向け案件を獲得し続けるための強力なプラットフォームを持っています。各企業で利用されるクラウドサービスの数は年々増加しており、基本的なWEBホスティング以外のサービスの販売によって、Azureと競合他社は高い成長率を維持できる可能性があります。

以上の理由から、Azure案件の将来性は高く、Azureのスキルを身につけることで、フリーランスエンジニアとして長く活躍し、高い報酬を得るチャンスが広がるでしょう。

関連記事:AWSエンジニアとは?仕事内容と平均年収、必要なスキルなどを徹底解説

フリーランス向けAzure案件の魅力

フリーランスのエンジニアにとって、Azure案件のメリットはどのようなものでしょうか。2つのポイントを解説します。

大企業からの案件が多い

Azureは、大企業を中心に幅広く導入が進んでいるクラウドサービスです。大企業は一般的にセキュリティや可用性を重視する傾向にありますが、Azureは左記の点で高い評価を得ています。

金融機関や証券会社など、機密情報を扱う企業でもAzureの導入が進んでおり、今後さらに利用が広がると予想されます。こうした大企業の案件に参画できれば、フリーランスエンジニアにとって、技術力のアピールにもつながります。

大企業は、信頼できるエンジニアを求める傾向が強く、実績のあるエンジニアを中心に採用する場合が多いです。一度大企業の案件を担当し信頼を得られれば、担当後も安定的に案件を請けられる可能性が高くなるでしょう。

リモートワークが可能な案件が多い

フリーランスエンジニアのなかには、リモートワークを希望する方も多くいます。自宅など、好きな場所で仕事ができるのは大きな魅力ですが、クライアント企業がリモートワークを認めていないケースも少なくありません。

しかし、Azureの案件では比較的リモートワークに対する理解があり、フルリモートでの参画が可能なケースも見られます。特に、WEBアプリケーションの開発や、すでに構築済みのシステムの運用・保守案件では、リモートワークを認めている場合があります。

リモートワークが可能であれば、通勤時間を節約でき、自身のペースで仕事に取り組めます。また、全国各地から案件を選べるため、自宅から近い案件にこだわる必要がなくなり、より条件のよい案件を選べる可能性が高まります。

ただし、インフラ構築の案件など、機密情報を扱う案件では、セキュリティの観点からリモートワークが認められない場合もあります。案件の性質をよく見極めたうえで、リモートワークの可否を確認するのが大切です。

フリーランス向けAzure案件の主な業務内容

Azureを用いたフリーランス案件では、さまざまな業務を担当できます。以下では、代表的な5つの業務内容を詳しく解説します。

業務システム開発

Azureは信頼性の高さから、金融や通信、証券などの業界で業務システム開発によく利用されています。こうした業界のシステムでは高度なセキュリティや法令順守が求められるため、専門的な知識を持ったエンジニアが重宝されます。

業務システム開発の案件では、業界や企業独自の慣行やルールをシステムに的確に反映させる能力が問われます。例えば、金融業界ではお客さまの大切な個人情報や金融資産を扱うため、高度な情報セキュリティ対策が必須となります。また、証券業界では株式売買に関する法令を順守したシステムが求められるでしょう。高度な開発スキルが要求される分、案件の単価も高くなる傾向にあります。

WEBアプリケーション開発

Azureを使ったWEBアプリケーション開発の案件も数多くあります。フリーランスの案件としては、WEBアプリケーション自体の開発よりも、開発環境の構築や業務効率化、テストや公開、運用保守などが中心になります。

Azureの各種サービスを使いこなし、開発現場の生産性を高められるスキルが求められます。例えば、Azure DevOpsを活用して継続的インテグレーション/継続的デリバリー(CI/CD)の環境を構築したり、Azureの仮想マシンやコンテナサービスを利用して開発環境を素早く立ち上げたりできます。また、Azureのモニタリングサービスを活用して、アプリケーションの状態を常に監視し、障害発生時の対応を迅速におこなうことも可能です。

リプレイス

オンプレミス環境をAzureに移行するリプレイス案件は、Azureのフリーランス案件のなかでも需要が高いです。移行元の環境からデータを収集し、円滑に移行を進められるよう、ネットワークやサーバーの知識も必要になります。

リプレイス案件に携われば、インフラエンジニアとしてのスキルも身につけられます。具体的には、オンプレミスのサーバーやネットワーク構成を把握し、構成をAzureの仮想マシンやネットワークサービスに適切にマッピングする必要があります。また、移行後のシステムが円滑に稼働するよう、リソースの最適化やパフォーマンスチューニングも欠かせません。移行の上流工程まで担当できるようになると、より高単価の案件も狙えるでしょう。

追加機能の開発

Azure環境で運用中のシステムに、新機能を付加する案件もよくあります。機能追加の場合、ゼロから開発するよりもAzureの既存サービスを活用するケースが多くなります。Azure上に構築されたシステムの構成や利用しているサービスを理解していれば、Azureのサービスを最大限に活かしながら新機能を開発できます。

追加機能の開発案件は新規開発と比べると小規模な案件が多いですが、一度関わるとシステム全体の理解が深まります。そのため、同じクライアントから継続的に案件を依頼してもらえるケースも少なくありません。例えば、機能追加の際に発見した改善点などをフィードバックし、次の案件に活かすことができます。継続的な関与によって、クライアントとの信頼関係を構築できる可能性も高まります。

インフラ運用・保守

Azureで構築されたインフラ環境の運用・保守を担当する案件です。運用面では、Azureのリソースを最適化し、コスト削減やパフォーマンス向上を図ります。保守業務としては、セキュリティ対策やトラブル検知の仕組みづくりなどがあります。

運用・保守の案件に携わるには、Azureの各サービスに精通している必要があります。障害発生時には原因の調査や対応、報告なども求められます。

フリーランス向けAzure案件の主な単価相場

フリーランスのAzureエンジニアの単価相場は、平均69万円/月、中央値67万円/月です。最高単価は130万円/月、最低単価は25万円/月と、かなり幅があります。

出典:テックリーチ取り扱い案件データ(Microsoft Azure) 2024年4月現在

上記を年収に換算すると、平均年収は828万円になります。

単価の幅が大きい理由は、案件の規模や内容、必要とされるスキルのレベルなどによって、報酬が大きく変わるためです。

例えば、大規模なシステム開発プロジェクトや、高度なセキュリティ対策が求められる案件では、単価が高くなる傾向にあります。

実際のAzure案件例

テックリーチの取り扱い案件から、具体的な案件例を見ますと、下記の案件は単価が〜85万円となっています。

業界WEBサービス
ポジションバックエンドエンジニア
スキルPython, Go言語, AWS, Microsoft Azure
単価~85万円/月
職務内容Python言語を活用した社内プロダクトの開発支援業務をお願いします。AWS/Azureのデータ基盤や機械学習基盤の構築、ツール選定、機能追加などを担当していただく予定です。

本件は、メガベンチャーの社内システムの開発支援案件です。RedashやAthena、Glueなどの知見があり、CICD/IaCなどインフラサイドの経験、Python/GoでのバックエンドWEBアプリケーション開発経験、AWSやAzureを使ったIaCによるインフラ構築経験、チーム開発の実績が求められます。

フリーランスがAzureの高単価案件を獲得するには?

Azureの案件は、小規模なアプリケーションから大規模なプロジェクトまで単価の幅が広くなっています。

広い単価の幅から高単価の案件を獲得するためにできることを見ていきます。

Azure関連の資格を取得する

Azureには幅広い機能があり、求められるスキルも多岐にわたります。そのため、「Azureができます」だけでは、具体的に何ができるのかわかりません。資格取得によって、自分のスキルレベルを客観的に示すことができ、Azure関連の資格があれば案件獲得につながりやすくなります。

Azureの資格には、MicrosoftのAzure認定資格があります。レベルはFundamentals(初級)・Associate(中級)・Expert(上級)の3段階で、分野ごとに資格が分かれています。個々人の得意分野やキャリアパスにあった、認定取得を検討するとよいでしょう。

参考:Microsoft Certified: Azure Fundamentals

上流工程の経験を積む

IT系の仕事では、要件定義や設計など上流工程のほうが、高い報酬を得られる傾向にあります。上流工程の経験だけでなく、プロジェクトリーダーやマネージャーなどのマネジメント経験があれば、高単価案件に携わるチャンスが増えます。

会社員の方は、独立前に上流工程の仕事に関われる機会がないか検討してみましょう。フリーランスの方は、案件の規模にとらわれず、上流工程のプロジェクトに積極的に取り組むことで経験を重ねていくことが賢明です。

WindowsやMicrosoft製品の知識を深める

AzureはMicrosoft社のサービスであり、同社の他製品と連携しやすいのが特徴です。そのため、WindowsやMicrosoft製品への理解が深いと、Azure案件を担当するうえで役立ちます。

特にオンプレミス環境からの移行プロジェクトでは、Windows Serverの構築と運用に関する技術力、Office 365などとの統合方法の理解が不可欠となります。

ネットワークやセキュリティの知識を深める

インフラ構築や運用を担当するうえで、ネットワークとセキュリティの知識は欠かせません。左記の知識を習得できれば、受注できる案件の幅が広がるでしょう。

Azureを導入する大企業は、セキュリティ強度を重視する傾向にあります。セキュリティに関する豊富な知識があれば、大きなアピールポイントになります。

以上のポイントを押さえることで、フリーランスエンジニアとしてAzureの高単価案件を獲得しやすくなるでしょう。地道にスキルアップを重ね、実績を積み重ねていくことが大切です。

まとめ

フリーランスエンジニア向けのAzure案件は需要が高く、大企業からの案件が多くなっています。

主な業務はシステム開発や運用・保守で、リモートワークも可能なケースも多いです。単価相場は平均69万円/月ですが、案件によって幅があります。高単価案件を狙うには、資格取得や上流工程の経験が有効です。

フリーランスのエンジニアとして将来性の高いMicrosoft Azureの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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