Unityを活用した案件の単価や、ゲーム業界以外での注目度を知っていますか。自動車業界や医療分野でも力を発揮しているUnityの奥深い世界を、本記事でじっくりと解説します。
また、フリーランスとしてUnityエンジニアの道を選ぶ際の平均年収、さまざまな案件獲得の方法、レベル別にUnityエンジニアが求められるスキルセットも紹介しています。
キャリア選択の一助に、ぜひ参考にしてください。
Contents
Unityとは
Unityは、Unity Technologies社が提供するゲーム開発プラットフォームのことを指します。一般的に「ゲームエンジン」として知られるUnityは、ゲームを作成する際の基盤や仕組みを提供します。しかし、Unityの場合、単にゲームエンジンだけではなく、開発環境や実行環境も含む「ゲーム開発プラットフォーム」としての性質を持っています。
ゲームエンジン自体は、3Dや2Dの描画、サウンドの再生、ユーザーインターフェースの管理やデータ管理など、ゲームを作成する際の基盤を提供するツールキットです。Unityでは基本的なツールに加えて、手軽に3Dゲームを開発できる環境が用意されており、また2Dゲーム開発にも対応しています。
Unityは、無料版と有料のPro版、2つのバージョンが存在します。無料版でも高品質なゲームの制作が可能で、特に商業的な目的を持たない方や趣味での制作を目指す方には、無料版での利用がおすすめです。
さて、Unityがどのようなものか理解していただけたでしょうか。実際に、多くのスマートフォンゲームアプリはUnityを使用して制作されており、Unityの活用範囲はゲーム業界に留まらず、建設業界やデジタルアートの世界でも広がっています。特に建設業界では、お客さまが建物の内部や外部を仮想現実（VR）で体感するためのアプリケーション制作に活用されています。
以上のように、Unityは多方面での利用が進んでいるゲーム開発プラットフォームです。興味を持った方は、ぜひとも詳しく調べてみてください。ゲーム開発の世界が広がること間違いなしです。
Unityの特徴
Unityゲーム開発エンジンが多くのクリエイターや開発者から支持されている要因は、多機能性と使いやすさにあります。
まず、Unityの大きなメリットとして、マルチプラットフォーム対応が挙げられます。
Windows、Mac、Linuxなどデスクトップだけでなく、iOSやAndroidなどのモバイル端末、さらにはPlayStationやXboxなどのゲームコンソール、WEBブラウザーまで、Unityで開発されたゲームやアプリケーションが幅広いプラットフォームで動作する特性です。一度開発したゲームやアプリケーションを多くのユーザーに届けることができます。
次に、Unityの特徴として、プログラミングの知識が少なくても、ゲーム開発がおこなえる点が挙げられます。従来の3Dゲーム開発は複雑で、多くのプログラミング知識が求められました。しかし、Unityではノンプログラミングでの開発が可能です。さらに、詳細なカスタマイズや細かな設定が必要な場合でも、プログラミング言語「C#」を利用して調整ができます。デザイナーやプログラマーそれぞれの立場での取り組みやすさが、多くのクリエイターがUnityを選ぶ理由の一つです。
さらに、Unityの強みとしてアセットストアがあります。アセットストアは、3Dモデルや2Dグラフィック、サウンドエフェクト、プログラムなどゲーム開発に必要な素材を提供しているオンラインのショップです。アセットストアで提供されている数千の素材を利用し、開発の効率やクオリティを高めることができます。特に、無料で提供されている素材を活用すれば、初心者でもコストを抑えて高品質なゲームの開発がおこなえるでしょう。
Unityはゲーム制作だけでなく、ARやVRなどの最先端技術の分野でも活用されており、医療や建築、さらには宇宙など、幅広い分野での利用が期待されています。
自動車業界や医療分野で注目されている理由
Unityは多くの人にゲーム制作のツールとして知られていますが、近年ではUnityの用途はゲーム制作だけに留まりません。自動車業界や医療分野でも積極的に利用されるようになってきました。では、なぜゲーム以外の分野でUnityが注目されているのでしょうか。
まず、自動車業界での利用事例として、北欧スウェーデン発祥の自動車メーカーVOLVO（ボルボ）が自動車のシミュレーションのためにUnityを用いています。自動車開発には多くの部門の人々が関与します。Unityで自動車の3Dモデルを作成し、関わる全員が共通の視点で作業を進められるようになっています。また、3Dモデルを用いてのシミュレーションにより、安全性を確保しつつ何度もテストを繰り返すことができる利点があります。
次に、医療分野での活用事例を見てみましょう。米国ミネソタ州ミネアポリスに本社を置くMortenson社では、新しい病院や手術室のシミュレーションをおこなうためにUnityを使用しています。クライアントは、3Dシミュレーションを通して、医療設備や作業エリアを詳細に視覚的に体験し、操作できます。Unityは医療関連のプロジェクトの進行や視覚化、さらにはシミュレーションの役に立っています。
Unityが上記の分野で注目される背景には、3D・VR・AR技術を効果的に利用して、リアルな体験やシミュレーションを可能にする力があるからです。また、Unityを用いることで、コストを抑えつつ高度な技術を取り入れられる経済的なメリットも挙げられます。
結論として、Unityはゲーム制作のツールとしての側面だけでなく、技術的な優れた特性を活かし、多様な産業での革新や進化を支えています。
フリーランスでもUnityで稼げる？
Unityを用いたプロジェクトは、昨今のデジタル技術の発展とともに、多岐にわたる分野で注目を浴びています。技術の普及と需要の増加は、フリーランスとしてのUnityエンジニアにとって、明るい将来性を示唆しています。
Unityの強みは、ゲーム制作だけでなく、映像業界やVR・ARのような仮想空間の制作にも適用される汎用性にあります。特にVRやARは、5G技術の普及とともに、更なる市場の拡大が予測される分野です。5G技術の広がりを受け、Unityエンジニアは世界的にも注目される人材となる可能性が高まっています。
具体的な事例として、映像制作会社ではUnityを用いての成功事例が増えてきており、求人需要も徐々に増加しています。また、Unityは初心者でも取り組みやすい特性があり、フリーランスとしての活動を始める足がかりに最適です。
また、フリーランスとして活動する際、独自のスキルや経験のアピールは重要です。Unity技術を持つことで、アピールポイントが増えることは間違いありません。ゲームや映像制作に興味を持つ方や、リモートワークを希望する方には、特にUnityの習得をおすすめします。
フリーランスunityエンジニアの平均年収
Unityエンジニアとして独立を考える際、まず知っておきたいのが平均的な年収です。Unityエンジニアの平均年収は、約500万円とされています。特に初心者、すなわち未経験者の場合、初年度の年収は300万円からと見られており、多くの人々が左記の範囲でスタートを切っています。しかし、Unityエンジニアの魅力は、経験が増えるにつれて収入が大きく伸びる点にあります。
具体的には、3年以上の実務経験を持つUnityエンジニアは、年収が700万円台に到達するケースも十分考えられます。そして、実務経験を活かしてフリーランスとして独立する方々が増えてきたとの情報もあります。独立初年度での年収は、実務経験が少ない、あるいはない場合であっても、400万円程度を見込むことができます。さらに経験が豊富なフリーランスUnityエンジニアの場合、年収は700万円から900万円と、魅力的な数字となっています。
データを見る限り、Unityエンジニアとしてのキャリアは、実務経験を積むことで収入を大きく伸ばす可能性が高いでしょう。
フリーランスUnityエンジニアの案件単価
Unityエンジニアがフリーランスとして働く場合、案件の単価も気になるポイントです。年収と並び、案件単価は、自分のスキルや経験が評価されているかの指標となるからです。
実務経験のない、あるいは1年程度のUnityエンジニアは、案件単価は比較的低めとなる可能性が高いです。しかし、実務経験が3年以上に及ぶエンジニアの場合、評価は大きく変わります。経験豊富なエンジニアは、高い技術力や知識に見合った高額な案件を手にできるでしょう。
フリーランスエンジニア向けのIT案件を掲載している、弊社TechReachのUnity案件データでは、平均月単価としては71万円、中央値月単価は70万円、最高月単価は105万円、最低月単価は40万円となっています（2023年9月時点）。
年収に換算すると、フリーランスUnityプロジェクトの平均年収は852万円、最高年収1,260万円となります。
フリーランスUnityエンジニアに必要なスキルセット
Unityエンジニアに求められるスキルには何があるでしょうか。代表的なものを3点ご紹介します。
C#を扱うプログラミングスキル
Unityエンジニアになるための第一歩は、プログラミング言語C#を理解し、実務経験を積むことです。C#は、マイクロソフトが開発した言語で、Unityを使用してゲームやVRなどのアプリケーションを開発する際に中心的に用いられます。C#言語を身につけることで、ソフトウェア開発の幅が広がり、エンジニアとしてのスキルセットも豊かになるでしょう。しかし、言語を学ぶ過程は容易ではなく、ときには困難や挫折に直面する場合もあるかもしれません。困難を乗り越えるためには、努力と根気が欠かせない要素となります。
UI/UXに関する幅広い知識
Unityエンジニアとしての役割は、単にゲームやアプリケーションを開発するだけではありません。ユーザーに使いやすく、感じのよい体験を提供するためのUI（ユーザーインターフェイス）やUX（ユーザーエクスペリエンス）の知識も不可欠です。具体的には、画面のデザインやフォントの選定、そしてサービス全体の質を高めるためのテクニックなどが求められます。
UI/UXのスキルを持つことで、単に機能するソフトウェアを作成するだけでなく、ユーザーが喜ぶ品質の高いコンテンツの制作も可能となるでしょう。
ゲーム業界に関する知識
Unityエンジニアとして活躍するためには、ゲーム業界だけでなく、Unityが活用されるさまざまな業界の知識が必要です。例えば、自動車のデザインや医療分野における関節の動きの再現、さらには宇宙開発や建築業界など、Unityの技術は多岐にわたる分野で利用されています。宇宙開発や建築業界に関する知識を持つことで、フリーランスとしての案件の幅が広がり、多様なプロジェクトに取り組むことができるでしょう。
フリーランスUnityエンジニアが目指すべきレベルは？
フリーランスとしてUnityエンジニアを目指す方には、多くのスキルや経験が求められます。特に市場での競争が厳しいため、自身のレベルを明確にし、どの段階を目指すかを理解してプランを考えることが重要です。以下に、フリーランスUnityエンジニアの初級から上級までの求められるスキルを詳細に紹介します。
初級Unityエンジニア
初級Unityエンジニアは、ゲーム制作の基本的な流れを理解し、キャラクターを動かす基本的なプログラムが作成できるレベルを指します。Unityの特徴として、直感的な操作でゲームの雛形を作れるのが魅力であり、初級段階では操作の基本をつかむことが大切です。
具体的には、ゲームの動作を理解し、キャラクターを動かすプログラムを組むことを始めとした基本的な操作を習得します。また、CPUやマザーボード、ハードディスクやメモリの基本的な知識も獲得すると、Unityをより深く理解できます。ゲーム制作を通して、コンピューターのハードウェアについて基本的な知識やスキルを習得しましょう。
中級Unityエンジニア
中級Unityエンジニアとは、基本的なスキルを習得したうえで、さらに高度な技術や知識が必要となるレベルを指します。具体的には、多様なアセットの利用や、ポインティングデバイスの動きを取得するRemote機能など、より複雑なゲームの制作が可能なステージです。
中級者のレベルでは、アセットを活用してリアルなゲームの動作やモーションを作成する技術が求められます。さらに、タッチペンやマウスなどのデバイスを利用した操作も実装できるようになります。上記スキルを習得し、幅広いゲーム制作ができる能力を持つことが大切です。
上級Unityエンジニア
上級Unityエンジニアは、ゲーム制作のすべての工程に精通し、最適化やデバッグなどの高度な技術も扱えるレベルを指します。具体的には、プロファイラ機能を使ったメモリの監視や、スマートフォンとパソコンの両方でのゲーム制作が可能なスキルが求められます。
上級エンジニアでは、単にゲームを作成するだけでなく、ゲーム品質や効率性も追求する必要があります。例えば、メモリの消費具合をモニターして、リソースの効率的な利用や、複数のプラットフォームに対応する技術が必要となります。上級者としての高度な技術や経験を持ち、多様なゲーム制作に対応できるスキルが求められます。
Unityのフリーランス案件を獲得するには
Unityエンジニアとしてフリーランスで活動するための案件獲得方法を3点ご紹介します。
知人の案件紹介を受ける
知人や業界のつながりを活かして直接案件を紹介してもらう方法です。特にすでにエンジニアとして働いている方や、Unityの開発者コミュニティに参加している方は、自分のスキルを理解している知人から適切な案件を紹介してもらえる可能性があります。
知人の紹介の利点は、紹介者が信頼できる相手なため、案件の質が高い可能性があることと、紹介料などが発生しないことです。ただし、案件の供給量が不安定なため、紹介だけに頼るのではなく、他の方法と組み合わせて案件を探すことをおすすめします。
クラウドソーシングサービスを利用する
クラウドソーシングサービスとは、個人や企業が不特定多数の人を対象に仕事を依頼するプラットフォームのことで、Unityエンジニア向けの案件も多く掲載されています。
クラウドソーシングサービスの利点は、自分のスキルレベルや時間、好みに合わせて案件を選べることです。また、初めてフリーランスとして働く方や、未経験の領域に挑戦したい方にとっては、低リスクで案件を受けられる点も魅力です。ただし、単価が比較的低めに設定されていることが多いため、しっかりと案件内容や報酬を確認する必要があります。
フリーランス向けのエージェントを活用する
専門のエージェントが自分のスキルや経験、希望に合った案件を探してくれるサービスです。大手企業の非公開案件や高単価案件を紹介してもらえる可能性があります。
フリーランスエージェントの利点は、案件獲得だけでなく、契約交渉や事務手続き、税金対策など、フリーランスとしての活動を全般的にサポートしてくれることです。また、エージェントからのフィードバックを通じて、自身のスキルを客観的に把握し、キャリア形成の参考にできます。
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まとめ
Unityは、ゲーム開発をはじめ、自動車業界や医療分野でも注目されている多機能な開発環境です。
フリーランスUnityエンジニアが注目されている理由や、年収、スキルセット、案件獲得の方法などをご紹介しました。
- Unityはゲーム開発だけでなく、多様な業界で使用されている。
- 経験を経たフリーランスのUnityエンジニアは、年収600万円以上が期待できる。
- C#・UI/UXの知識、業界の知識は必須スキル。
- 案件の獲得方法は知人の紹介、クラウドソーシング、エージェントの活用などがあり、自身の状況に応じて選ぶのが大切。
フリーランスとしてUnityエンジニアを目指す場合、一定の年収も期待でき、案件単価も安定しています。しかし、フリーランスとして成功するためには、3年以上の実務経験、C#やUI/UXの知識、さらに対象業界の深い理解が必要とされています。
Unityのスキルを高め、ゲーム開発を始めとする多様な業界のプロジェクトに参画してみてはいかがでしょうか。
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