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 フリーランス(個⼈事業主)は確定申告時に源泉徴収票はもらえない︖必要な対応⽅法を徹底解説

会社員時代は、企業が年末徴収をおこなうため、確定申告が必要ありませんが、フリーランスとして独立すると、確定申告が必要になります。その際に、源泉徴収票があればスムーズに確定申告がおこなえるのに、と思った方もいるのではないでしょうか?この記事ではフリーランス相手に企業は源泉徴収票の発行義務があるのか、について解説するとともに、必要な対応方法を解説していますので、ぜひご覧ください。

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源泉徴収票とは

源泉徴収票とは、年末調整をおこない、一年間の所得税等が決まった後、もしくは年中に退職した場合は退職後に支給されます。

源泉徴収票は、一年間の給与所得と所得税などを確認できるほか、確定申告が必要な際や、住宅ローンの審査などで源泉所得票の提出が求められた際に使用できます。

給与支払報告書との違い

給与支払報告書も源泉徴収票も事業者に作成と提出が義務付けられており、記載内容は同じです。提出先が異なり、源泉徴収票は税務署、給与支払報告書は市区町村になります。また、給与支払報告書は年間30万以下の給与支払い額の退職者については支給は不要です。

フリーランスは源泉徴収票を発行されない

源泉徴収票は、事業者が給与所得者を対象に作成するため、その対象に入っていなければ、発行されることはありません。フリーランスの収入は事業所得になるため、源泉徴収税が引かれていても、事業者は源泉徴収票を発行する義務はありません。ですが、企業によっては、源泉徴収票を支給してくれるところもあります。

反対に、フリーランスが人を雇った場合、労働者に対して源泉徴収票を発行する立場になります。

フリーランスの源泉徴収で必要な手続き

フリーランスの源泉徴収で必要な手続きについて解説します。

源泉徴収の手続きの流れ

フリーランスの報酬には源泉徴収が必要な報酬と、必要のない報酬があります。その判断は曖昧な部分もあり、企業側が判断し、源泉徴収が必要と考えれば、徴収され、請求額から差し引かれ差額が振り込まれます。予め、源泉徴収を引いた請求書の発行を求められる場合もあります。

 

参考URL:源泉徴収が必要な報酬・料金等とは(国税庁ホームページ)

源泉徴収額の計算方法

源泉徴収を引いた請求書の発行を求められた場合や、正しく入金されているか口座を確認する場合、確定申告などで、源泉徴収税額の確認が必要な場合があります。計算方法について確認しておきましょう。

 

・1回で支払う金額が100万円以下

小計に対して10.21%の税率がかかります。従って、「小計×0.1021」(※小数点以下切り捨て)が源泉所得税額になります。

 

・1回で支払う金額が100万円以上の場合

100万円以下については、税率は10.21%、100万円を超える部分に対しては、税率20.42%になります。従って、「(小計-1,000,000)×0.2042+0.1021×1,000,000」(※小数点以下切り捨て)が源泉所得税額になります。

 

・源泉所得税額を引いた際の請求書への記載について

請求書を作成する際は、まず小計を計算し、小計から消費税と源泉所得税額をそれぞれ計算します。合計金額は「小計+消費税-源泉所得税」になります。

納付方法・納付期限

源泉徴収税額は企業側がおこないます。翌月の10日まで、あるいは源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書を提出した事業者、かつ弁護士や税理士等の報酬など特定の報酬については、半年おきの納付になります。1月から6月分については7月10日、7月から12月分については1月10日が納付期限です(※デザインなど特定の報酬は翌月の10日までのため、納付期限をきちんと確認してください)。

 

参考URL:[手続名]源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請

フリーランスとして源泉徴収票が発行されないときの対応方法

フリーランスとして源泉徴収票が発行されないときの対処方法を解説します。

源泉徴収票の発行依頼をする

源泉徴収票がないと、確定申告の手間が増えたり、計算間違いが発生する可能性があります。もし毎年源泉徴収票を発行してくれる取引先で、かつ源泉徴収票をなくしてしまった、または届かない場合は、発行依頼をすると良いでしょう。

取引先には源泉徴収票の発行義務はないため、丁寧にお願いする形が望ましいです。

支払調書の発行依頼をする

支払調書とは、同一人への年間の支払額が一定額を超えた場合、事業者が税務署に提出するもので、一年間に支払った報酬額と、源泉徴収額の合計金額がその内容です。企業によっては、支払調書の内容を書面で知らせてくれる場合があります。こちらが発行されず、かつ発行して貰いたい場合、取引先には発行義務がないため、丁寧にお願いする形が望ましいです。

 

参考URL:No.7431 「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数等

請求書の内訳に源泉徴収税額を記載する

源泉徴収は前もって所得税を納税する制度です。源泉徴収税額がいくらなのか、ということを把握することは、確定申告で損をしないためにも、大切なことです。

源泉徴収票や、支払調書があれば、間違いなく源泉所得税額を把握できますが、いずれも発行されていない場合、自分で計算する必要があります。

まずは、すべての取引から、源泉所得税を引かれている取引と引いていない取引を調べます。源泉徴収税を引かれていないものは除外します。源泉徴収税を引かれているものは、源泉徴収税額を自分で計算してメモしていきます。源泉所得税額の合計金額を算出できれば、完了です。

こうした処理を確定申告時におこなうのは煩雑なため、予めクライアントに源泉徴収するか、しないかを確認し、源泉徴収される場合は、請求書に源泉徴収税額を記載するようにすると、確定申告時の手間は緩和されます。

源泉徴収のないフリーランスが意識すべきこと

請求時、入金時に、源泉徴収されたことがない際などに、意識すべきことについて解説します。

源泉徴収についてクライアントに確認する

源泉徴収は、クライアント側の義務です。取引の内容が源泉徴収の対象か対象でないかは、クライアントが判断することです。ただし、同じような仕事をしていながら、あるクライアントは源泉徴収をおこない、あるクライアントは源泉徴収をおこなう、というようにばらばらな場合もあります。クライアントによっては、税務の知識が乏しく、源泉徴収について把握できていない場合もあります。いずれにせよ、源泉徴収の必要はあるのか、ないのか、は請求書の発行時などに、確認しておくと良いでしょう。

請求書に源泉徴収税額が記載されているか確認する

取引先で、経理担当者が請求書をまとめて処理している場合があります。その際、請求書に源泉徴収税額が記載されていないものを、実際には源泉徴収しなければならないにも関わらず、そのまま入金してしまっている可能性もあります。あまり起こることではありませんが、念のため、一度クライアントに問い合わせると良いでしょう。

取引先が源泉徴収義務者ではない

取引先にそもそも源泉徴収をおこなう義務がない場合もあります。その場合は、源泉徴収がおこなわれなくて当然と考えてください。なお、源泉徴収をする義務がある事業者のことを源泉徴収義務者といいます。

 

参考URL:No.2502 源泉徴収義務者とは

フリーランスには確定申告が必要

ここまで源泉徴収の解説をしてきましたが、源泉徴収をされていない場合も、源泉徴収をされている場合も、いずれにせよ確定申告をおこなう必要があります。

源泉徴収は、所得税の前納のことで、決まった税率で徴収されています。一方、所得税は年収に応じて税率が上がる累進課税を採用しているので、そうした税率で計算しなおす必要です。

また、源泉徴収には、経費や控除といった売上から差し引くことができる金額が計算されていません。その金額次第では、源泉徴収として予め前納をおこなっていた税金が還付されることもあります。

確定申告は原則として毎年2月16日〜3月15日の間におこなうと決まっていますので、忘れずに確定申告をおこなってください。

 

関連記事:フリーランスが確定申告をしないリスクや対処方法について解説

まとめ

クライアントには、フリーランスに対して源泉徴収票や法定調書を発行する義務はありません。

それらが手元にない場合も慌てずに、口座などを確認し、源泉徴収の有無と金額を洗い出してください。

源泉所得税額は計算方法が決まっているので、クライアントの方で計算しても、自分で計算しても同じ計算結果になります。

クライアントに対して、源泉徴収の有無を予め確認しておくとよいでしょう。源泉徴収がある場合は、請求書に源泉徴収税額を記載しておくことで、後で見返したときに、スムーズに処理ができるようになります。

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