会社員の場合は税金や社会保険の手続きを会社がおこなっているため、フリーランスエンジニアの場合、手取り収入がどうなるのか気になる方もいらっしゃるかと思います。
そこでこの記事では、社会保険料や各種税金に関する説明や、手取り金額を算出するうえで必要な情報をまとめました。今後の手続きにお役立ていただければ幸いです。
Contents
フリーランスエンジニアの手取り金額について
仕事をして得た報酬=売上から、必要経費や税金、社会保険などを差し引いたものが手取り金額となります。
会社員時代よりも保険料等の自己負担が多い
フリーランスは、国民健康保険と国民年金に加入します。これらの費用は全額自己負担です。会社員の場合、健康保険(協会けんぽ、組合保険)と厚生年金の支払いは会社との折半になっているため、支払い金額が増えることになります。
また、扶養家族がいる場合の健康保険料にも違いがあります。国民健康保険は扶養家族が増えたとき保険料が増額されます。それに対して、健康保険は扶養家族の人数では保険料が変わりません。
さらにフリーランスには雇用保険と労災保険がありません。働けなくなってしまった際の備えとして、民間の保険の利用を考える必要があります。
金額上の負担だけでなく、企業がおこなっていた各種手続きも、フリーランスの場合は自分でしなくてはいけません。報酬形態によっては個人事業税の支払い、売上1000万円以上の場合は消費税の支払いも発生します。
フリーランスは会社員時代よりも、保険などに関する負担が増えると覚悟してください。
独立する場合は会社員時代の1.3倍程度の年収が目安
手取り収入に反映されていない、会社が負担している費用はさまざまあります。こうした会社負担分を実質的な所得として換算した場合、フリーランスは会社員時代に比べ1.3倍以上の年収を得ないと、同じ水準の生活が難しくなります。
退職金
経団連の『2021年9月度 退職金・年金に関する実態調査結果』によると、大学卒業後、22歳で就職して60歳まで勤続した場合の平均退職金は2,243.3万円です。この金額を年収に当てはめて換算すると、会社員はフリーランスより毎年59万円多く所得があるとみなすことができます。
フリーランスに退職金はありません。そのため、同じ年収500万円でも、フリーランスと会社員では1.18倍の差があります。
同じように年収400万円〜800万円を比べると、フリーランスと会社員では1.07倍〜1.14倍の差が生まれることになります。
出典: 2021 年9月度 退職金・年金に関する実態調査結果
有給休暇
フリーランスは雇用されていないため、有給休暇がありません。そのため、会社員と比べると、実質的な収入が少ないと考えることができます。
厚生労働省の『令和3年就労条件総合調査』の概況では1企業の年間休日総数の平均は116.1日で、1ヵ月あたり労働日は20日と換算できます。同資料の年次有給休暇取得率は平均10.1日となっており、会社員は働かずとも半月分の所得を得られる権利があります。
また、有給休暇は勤務年数に応じて最大20日間まで取得できます。仮に20日分の有給休暇を取得すると、1ヵ月の労働日をすべて賄うことができる計算です。
以上の点から、フリーランスと会社員の実質年収を比べると1.05倍〜1.09倍の差が生まれるとみなすことができます。
福利厚生
福利厚生とは、企業が従業員に対し金銭以外で提供するサービスや報酬のことを指し、法定福利厚生と法定外福利厚生があります。
法定福利厚生から見る違い
法定福利厚生とは、会社員の健康保険や厚生年金保険といった社会保険、子ども・子育て拠出金などのことで、法律で企業に義務付けられた福利厚生です。
社会保険料は年収の30%程度で、会社員の場合、企業と折半で支払うことになります。そのため、全額自己負担のフリーランスは、会社員よりも年収の15%支出が多い計算になり、実質年収に1.15倍の差が生まれるとみなすことができます。
法定外福利厚生から見る違い
法定外福利厚生とは、社員食堂や住宅手当、結婚・出産祝い金など、企業独自で設けている福利厚生をいいます。
経団連の『第63回福利厚生費調査結果報告』によると、従業員1人あたりの法定外福利厚生費用の平均は月に25,369円です。この金額を年収に置き換えると、会社員は約30万円分、フリーランスよりも所得があるとみなすことができます。
具体的にいえば、年収500万円のフリーランスと会社員の場合、会社員のみなし年収は530万円となり、1.06倍の差が生まれます。年収400万円〜800万円で比べると、1.03倍〜1.07倍の差が生まれることになります。
これまでの情報をまとめると、フリーランスと会社員では、年収400万円〜800万円で1.3倍〜1.45倍の差が生まれます。フリーランスとして独立する場合には、少なくとも会社員時代の1.3倍程度の年収が必要になると考えてください。
フリーランスエンジニアの年収は?
2022年4月16日現在、当社の新着案件の平均年収は789.6万円です。こちらの金額はあくまで中央値であり、エンジニアの業種や技術レベルで年収は異なってきます。
例えば、当社案件のフロントエンドエンジニアの平均月収は71.2万円です。平均月収での業務内容は開発がメインで、高額案件になるとフロントエンドの他、サーバーエンドやバックエンド領域の技術も求められます。
また、面談時の営業力も報酬に関係してきます。クライアントから求められる以上の付加価値を提案し、交渉することができれば報酬を上げることもできるでしょう。
フリーランスは、自分の契約した案件によって報酬が変わります。年収を上げるには、エンジニアとしての技術とフリーランスとしての営業力も重要になってきます。
差し引かれる保険料・税金等の種類
フリーランスは事業の売上から、自分で保険料や税金を支払わなければなりません。ここではフリーランスの社会保険と税金について解説します。
国民健康保険
国民皆保険制度に基づき、企業の健康保険や健康保険組合などの加入者、生活保護受給者を除くすべての国民が加入する健康保険です。一般的にフリーランスエンジニアは国民健康保険に加入しています。
国民健康保険は都道府県と市区町村が運営をしています。そのため、地域ごとに保険料の金額が異なります。居住地の保険料を確認する際は自治体の窓口かホームページで確認をしましょう。
また、会社員からフリーランスに転身した場合、2年間に限り会社員時代の健康保険に任意加入することもできます。加えて、Webデザインを主な収入源にしているエンジニアであれば、Webデザイナーとしての審査を受けたうえで、文芸美術国民健康保険組合に加入するという選択肢もあります。
国民年金
会社員時代の厚生年金に変わって加入する年金制度です。加入対象者は日本に住んでいる20歳以上60歳未満の方となっています。
国民年金は収入に関わらず一律の金額になっており、令和4年度の保険料は毎月16,590円です。また、年度ごとに保険料の見直しがおこなわれます。
所得税
1年間の所得にかかる税金を所得税といいます。フリーランスの所得とは、売上から必要経費や所得控除、青色申告特別控除(青色申告)を差し引いた金額のことです。
所得税は累進課税制度を採用しており、所得が増えると税率が上がる仕組みになっています。課税率は国税庁ホームページにある速算表から計算することができます。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000円 から 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
また、令和19年(2037)年までは東日本大震災の復興目的のため復興特別所得税も課せられています。復興特別所得税の算出方法は、その年の所得税に2.1%をかけ合わせた金額です。
住民税
居住地域の教育や福祉、ごみ処理といった公的サービスのために課せられる地方税です。道府県に納税する道府県民税(東京都では都民税)と市区町村に納税する市町村民税(東京23区では特別区民税)をあわせて住民税といいます。
個人事業税
年間売上が290万円以上の個人事業主で、法定業種という70種類の職種に該当する方が納める税金です。課税率は業種によって3%から5%になっています。
フリーランスエンジニアでは成果物を納品する請負契約の場合、法定業種の請負業に該当し、年間売上の5%が課税されます。クライアント先への常駐案件では準委任契約(SES契約)となることが多いので、課税対象にならないことが一般的です。
消費税
国内におけるほぼすべての商品やサービスの消費に課せられる税金です。消費者が金銭支払時に消費税を負担し、金銭を受け取った事業者が消費者の代わりに納税をします。消費税のように、税の負担者と納税者が異なる税金を間接税といいます。
フリーランスエンジニアの業務もサービスの提供に含まれます。そのため、サービスを消費した側であるクライアントの支払いには消費税が発生します。間接税の仕組みから、金銭を受け取った事業者(フリーランスエンジニア)はクライアントの代わりに消費税の納税をするかたちになります。
消費に対して広く公平に課せられる消費税ですが、個人事業主は次の3つの項目に該当した場合のみ課税対象になります。
1.2年前の売上が1000万円以上ある場合
2.1年前の1月1日から6月30日までの間に売上が1000万円以上ある場合
3.消費税課税事業者選択届出書を提出し、自らの意思で課税事業者になった場合
上記に該当しない場合、個人事業主は受け取った消費税の納税義務がありません。また、新規開業から2年間は売上金額に関わらず、消費税の納税は免除されています。
手取り金額の計算例
ここでは以下の条件で働いているフリーランスエンジニアのTさんを例に、月収から各種保険料、税金を差し引いた手取り金額を算出します。
- 年齢:30歳
- 居住地:東京都大田区
- 配偶者・扶養家族:なし
- 業務形態:準委任契約に基づくクライアント常駐型
- 必要経費:毎月3万円
- 確定申告:青色申告特別控除
なお、計算しやすいように生命保険料控除は省いています。所得控除には他にも種類があり、詳しくは財務省のホームページでご確認ください。計算例はあくまで目安となります。
出典:所得控除に関する資料
月収が30万円の場合の手取り金額
Tさんの条件で2年前から月収30万円(年収360万円)だった場合の手取り金額は以下になります。
月収 | 30万円 |
国民健康保険料 | 21,600円 |
国民年金保険料 | 16,590円 |
所得税 | 6,965円 |
復興特別所得税 | 146円 |
住民税 | 14,588円 |
手取り金額 | 24万111円 |
- 国民健康保険料の計算
国民健康保険料の計算には、国民健康保険の全加入者が平等に支払う均等割額と、前年度の所得金額に応じて支払う所得割額が用いられます。
均等額割は一律の保険料のため計算は必要ありません。しかし、所得額割は算定基礎額という算出のもとになる金額を出す必要があります。
算定基礎額=前年度の収入−必要経費−基礎控除−青色申告特別控除
月収30万円のTさんの年収は360万円、必要経費は36万円、基礎控除は一律となっており43万円、青色申告特別控除は65万円です。これらを計算すると、Tさんの算定基礎額は216万円になります。
また、国民健康保険料の算出は、以下の3つの区分から支払う形になっています。
・医療分保険料(全加入者が負担):国民健康保険加入者への医療費に使用
・支援分保険料(全加入者が負担):後期高齢者医療制度に使用
・介護分保険料(40歳から64歳の加入者が負担):介護保険事業に使用
それぞれ計算方法は違いますが、支払い金額には最高限度額が設けられています。Tさんは東京都大田区在住なので、ここでは大田区のホームページにある計算表を記載します。
所得割額 | 均等割額 | |
医療分(最高限度額65万円) | 加入者全員の算定基礎額×7.16パーセント | 加入者数×42,100円 |
後期高齢者支援金分(最高限度額20万円) | 加入者全員の算定基礎額×2.28パーセント | 加入者数×13,200円 |
介護分(最高限度額17万円) | 40から64歳の加入者の算定基礎額×2.29パーセント | 40から64歳の加入者数×16,600円 |
Tさんは30歳なので介護分保険料は発生せず、医療分保険料と支援分保険料を合わせた金額が国民健康保険料になります。
医療分保険料
所得額割(算定基礎額216万円×7.16%)+均等割額(加入1名×42100円)=19万6,756円
支援分保険料
所得額割(算定基礎額216万円×2.28%)+均等割額(加入1名×13200円)=62,448円
Tさんが1年に支払う国民健康保険料は、医療分保険料19万6,756円+支援分保険料62,448円=25万9,204円となります。
この金額を1ヵ月に換算すると、Tさんの毎月の健康保険料は21,600円となります。
出典:国民健康保険料計算方法
- 国民年金保険料
国民年金保険料は所得に関わらず月額16,590円となっています。
- 所得税の計算
所得税は1年間の収入(所得)から所得控除額を差し引いた、課税所得金額をもとに算出します。所得税にも国民健康保険と同じように基礎控除がありますが、基礎控除の計算方法は国民健康保険とは異なります。以下は国税庁ホームページにある控除額の計算表です。
個人の合計所得金額 | 控除額 |
2,400万円以下 | 48万円 |
2,400万円超2,450万円以下 | 32万円 |
2,450万円超2,500万円以下 | 16万円 |
2,500万円超 | 0円 |
また、国民健康保険料や国民年金保険料は社会保険料として控除されます。
これらを踏まえた課税所得額の計算式は以下になります。
課税所得金額=1年間の収入−経費−所得控除(基礎控除や社会保険料控除など)−青色申告特別控除
1年間の収入360万、必要経費36万円、基礎控除48万円、社会保険料控除45万8,284円(国民健康保険料25万9,204円+国民年金保険料19万9,080円)、青色申告特別控除65万円を計算すると、Tさんの課税所得金額は165万1,716円になります。
所得税の項目で紹介した国税庁の速算表から、Tさんは課税所得金額1,000円 から 1,949,000円まで、税率5%、控除額0円に該当します。
課税所得金額165万1716円×税率5%=83,585円
この金額を1ヵ月に換算すると、Tさんの毎月の所得税は6,965円となります。
出典:所得税のしくみ
- 復興特別消費税の計算
復興特別消費税は所得税×2.1%ですので、所得税83,585円×2.1%=1,755円。1ヵ月に換算すると毎月146円になります。
- 住民税の計算
Tさんは東京都大田区在住なので、都民税と特別区民税を合わせたものが住民税になります。計算方法は国民健康保険料と同じく、均等割額と所得割額が用いられます。
住民税の均等割額は都民税1500円、特別区民税3500円です。所得割額を求めるには、課税標準額を算出する必要があります。
課税標準額=前年度の収入−必要経費−所得控除(基礎控除や社会保険料控除など)−青色申告特別控除
算出方法は所得税と同じです。しかし、所得税の基礎控除48万円に対し、住民税の基礎控除は43万円になっています。
1年間の収入360万、必要経費36万円、基礎控除43万円、社会保険料控除45万8,284円(国民健康保険料25万9,204円+国民年金保険料19万9,080円)、青色申告特別控除65万円を計算すると、Tさんの課税標準額は170万1,716円になります。
住民税の所得割額は課税標準額に都民税4%と特別区民税6%を掛けた金額です。
課税標準額170万1,716円×(都民税4%+特別区民税6%)=所得割額17万171円
調整控除や税額控除を割愛すると所得割額は約17万円になります。
所得割額約17万円+均等割額5,000円(都民税1500円、特別区民税3500円)=約17万5,000円
この金額を1ヵ月に換算するとTさんの毎月の住民税は約14,588円となります。
月収が50万円の場合の手取り金額
Tさんの条件で2年前から月収50万円(年収600万円)で計算した場合は以下になります。
月収 | 50万円 |
国民健康保険料 | 40,480円 |
国民年金保険料 | 16,590円 |
所得税 | 28,127円 |
復興特別所得税 | 590円 |
住民税 | 32,709円 |
手取り金額 | 38万1,504円 |
- 国民健康保険料の計算
年収600万円−必要経費36万円−基礎控除43万円−青色申告特別控除65万円=算定基礎額456万円
医療分保険料
所得額割(算定基礎額456万円×7.16%)+均等割額(加入1名×42100円)=36万8,596円
支援分保険料
所得額割(算定基礎額456万円×2.28%)+均等割額(加入1名×13200円)=11万7,168円
Tさんが1年に支払う国民健康保険料は48万5,764円で、1ヵ月に換算すると毎月40,480円です。
- 国民年金保険料
国民年金保険料は所得に関わらず月額16,590円です。
- 所得税の計算
年収600万−必要経費36万円−基礎控除48万円−社会保険料控除68万4,844円−青色申告特別控除65万円=課税所得金額382万5156円
国税庁の速算表から、Tさんは課税所得金額3,300,000円 から 6,949,000円まで、税率20%、控除額427,500円に該当します。
課税所得金額382万5156円×税率20%−控除額427,500円=33万7,531円
この金額を1ヵ月に換算すると、Tさんの毎月の所得税は28,127円となります。
- 復興特別消費税の計算
所得税33万7,531円×2.1%=7,088円。1ヵ月に換算すると毎月590円になります。
- 住民税の計算
年収600万−必要経費36万円−基礎控除43万円−社会保険料控除68万4,844円、青色申告特別控除65万円=課税標準額387万5,156円になります。
課税標準額387万5,156円×(都民税4%+特別区民税6%)=所得割額38万7,515円
所得割額約38万7,515円+均等割額5,000円(都民税1500円、特別区民税3500円)=約39万2,515円
この金額を1ヵ月に換算するとTさんの毎月の住民税は約32,709円となります。
月収が80万円の場合の手取り金額
Tさんの条件で2年前から月収80万円(年収960万円)で計算した場合は以下になります。
月収 | 80万円 |
国民健康保険料 | 68,800円 |
国民年金保険料 | 16,590円 |
所得税 | 86,042円 |
復興特別所得税 | 1,806円 |
住民税 | 61,536円 |
手取り金額 | 56万5,226円 |
- 国民健康保険料の計算
年収960万円−必要経費36万円−基礎控除43万円−青色申告特別控除65万円=算定基礎額816万円
医療分保険料
所得額割(算定基礎額816万円×7.16%)+均等割額(加入1名×42100円)=62万6,356円
支援分保険料
所得額割(算定基礎額816万円×2.28%)+均等割額(加入1名×13200円)=19万9,248円
Tさんが1年に支払う国民健康保険料は82万5,604円で、1ヵ月に換算すると毎月68,800円です。
- 国民年金保険料
国民年金保険料は所得に関わらず月額16,590円です。
- 所得税の計算
年収960万−必要経費36万円−基礎控除48万円−社会保険料控除82万5,604円−青色申告特別控除65万円=課税所得金額725万4,396円
国税庁の速算表から、Tさんは課税所得金額6,950,000円 から 8,999,000円まで、税率23%、控除額636,000円に該当します。
課税所得金額725万4,396円×税率23%−控除額636,000円=103万2,511円
この金額を1ヵ月に換算すると、Tさんの毎月の所得税は86,042円となります。
- 復興特別所得税の計算
所得税103万2,511円×2.1%=21,682円。1ヵ月に換算すると毎月1,806円になります。
- 住民税の計算
年収960万−必要経費36万円−基礎控除43万円−社会保険料控除82万5,604円−青色申告特別控除65万円=課税標準額733万4,396円になります。
課税標準額733万4,396円×(都民税4%+特別区民税6%)=73万3,439円
所得割額約73万3,439円+均等割額5,000円(都民税1500円、特別区民税3500円)=約73万8,439円
この金額を1ヵ月に換算するとTさんの毎月の住民税は約61,536円となります。
経費計上と控除の利用で手取り金額を増やそう
ここまで見てきたように、保険料や税金は所得に応じて金額が上がっていきます。逆にいえば、業務に関係した費用を経費として計上し、控除額を増やせば手取り金額も増やすことができます。
そこでフリーランスエンジニアの代表的な必要経費をピックアップしてみました。
旅費交通費:打ち合わせやクライアント先までの移動費
通信費:インターネット、携帯電話、サーバーなどの利用料
接待交際費:業務に関するクライアントなどとの飲食代
消耗品費:業務で使う文房具、名刺、プリンター関連などの費用
新聞図書費:業務に関する書籍などの費用
また、個人事業主としてフリーランスエンジニアを続けるのであれば、青色申告特別控除(青色申告)を受けるべきです。e-Tax または電子帳簿保存をすれば、最大65万円の控除を受けることができます。国税庁のホームページに利用方法が記載されているので、ぜひ活用してみてください。
まとめ
フリーランスエンジニアになると、会社員時代に比べて金銭や手続きの負担が増えてしまうことは否めない事実です。しかし、高待遇の案件を獲得できれば、会社員時代の実質年収を超えることは十分可能です。また、経費などの所得控除で手取り金額を増やすこともできます。
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