働く時間や場所を自分の都合で柔軟に変えられる働き方を探しているなら、フリーランスの仕事を検討してはいかがでしょうか。
フリーランスは、企業に雇われず、得意なスキルで、クライアントの特定のプロジェクトを完了させます。
さまざまな業界で多くのフリーランスが働いており、人気の職種も多数存在します。どのような職種がフリーランスに人気なのか、フリーランスが案件を獲得するにはどういう方法があるのか解説していきます。
フリーランスの仕事（職種）とは？
フリーランスは、自分のスキルやサービスをプロジェクト単位でクライアントに提供する働き方です。
多数のフリーランスが活躍する人気の職種を、タイプごとに必要なスキルや経験もご紹介していきます。
ビジネス系
ビジネス系より、マーケター、コンサルタント、秘書の3つの仕事をご紹介します。
マーケター
マーケターは、企業の製品やサービスなどの顧客を増やしていくのが仕事です。
必要となるスキルは、コピーライティング、SNSや検索エンジン最適化（SEO）、Eメールマーケティングなどで、トレンド調査や戦略の設計と提案ができることは重要です。
コンサルタント
コンサルタントは、企業に専門的な助言をするのが仕事です。
必要となるスキルは、技術・経営・財務など特定のテーマに広く深い知識があることです。対象分野の資格や認定を取得する、インターンシップや見習いとして業界の知識やスキルを身につけていきます。対象分野の専門家とのネットワーク作りも大切です。
秘書
秘書は、電話対応やアポイントメントの管理、簿記、文書作成などクライアントのために管理業務をおこないます。
必要なスキルは、コミュニケーション能力、簿記や会計、オフィスソフトの利用、計画力、自己管理などです。
クリエイティブ系
クリエイティブ系よりイラストレーター、デザイナー、フォトグラファーの3つの仕事をご紹介します。
イラストレーター
イラストレーターはさまざまな用途のためにデザインや画像を作成するのが仕事です。
広告・出版・ファッション・映画・テレビ・ゲーム・教育などの業界でクリエイティブなイラストは必要となります。
デジタルでもアナログでも仕事ができ、自宅での作業に向いています。
必要なスキルは、デッサンやスケッチなどの描くスキル、創造性、ペイントソフトの使いこなし、クライアントとのコミュニケーション能力などです。
デザイナー
デザイナーは、外観や仕組みを構想して形にするのが仕事です。
クリエイティブなスキルを使ってアイデアや情報を視覚的なレイアウトに整理し、クライアントの製品やサービス開発に寄与します。
必要なスキルは、デザイン原理の知識、発想力、創造力、ストーリーテリング、タイポグラフィなどの知識、コミュニケーション能力、ブランディング、プレゼンテーションなどのビジネススキル。Adobe社などのソフトウェア使用スキルなどです。
フォトグラファー
フォトグラファーはフィルムまたはデジタルカメラで撮影し、高品質な写真を作成するのが仕事です。
必要なスキルは、カメラの技術的な知識、光と影・色彩などの理解、コミュニケーション能力、デジタル画像処理などです。また、画像やシーンを見極める目を養うことも重要です。
IT系
IT系より、プログラマー、エンジニア、ゲーム開発者をご紹介します。
プログラマー
プログラマーは、ソフトウェアの設計・開発・テストを担当し、できあがったソフトウェアの処理速度や信頼性、セキュリティが要件を満たすよう調整します。
プログラミングには数学や論理などの強固なスキルが求められます。他にも、アルゴリズム・データベース・オブジェクト指向・Gitなどのソースコード管理、開発ツールの使いこなし、特定のプログラミング言語スキルも重要です。また、一般的な問題解決能力や記憶力、効率性の追求、自立性なども重要と言われます。
エンジニア
エンジニアの幅は広く、IT領域に限っても、フロントエンドやバックエンドなどのWebエンジニア、サーバー構築などを担当するインフラエンジニア、クラウドエンジニア、データベースエンジニア、セキュリティエンジニア、設計を担当するシステムエンジニアなど多岐にわたり、担当する業務もいろいろです。
Web系の例では、フロントエンドエンジニアはWebサイトのユーザーの目に見える部分の実装を担当し、バックエンドエンジニアはサーバー側の開発に従事します。
いずれのエンジニアも担当領域に詳しいだけでなく、日進月歩のツールや手法を意欲的に学び続けられる能力、論理的思考、問題解決能力などが重要です。
ゲーム開発者
ゲーム開発者は、ゲームの企画をもとに実際にプレーできるソフトウェアを作るのが仕事です。
必要なスキルは、プログラミング、アニメーションなどのスキル、2D・3Dグラフィックスの原理、ゲームエンジンへの理解、数学や物理学の知識、創造性、チームワーク、情熱などです。
執筆系
執筆系よりライター、ジャーナリスト、編集者をご紹介します。
ライター
ライターは、オンラインや出版物にクライアントが必要とする文章を執筆するのが仕事です。
ライターに必要なのは、読みやすい文章、目を引く見出し、感情に訴えかける文章を書くなどの文書作成スキルです。ほかに文書の論拠となる調査、取材対象とのコミュニケーション能力、基本的なWebデザインやマーケティング、検索エンジン最適化（SEO）などの知識も望ましいでしょう。
ジャーナリスト
ジャーナリストは各種メディアのために、取材・調査・観察を通じて記事を書くのが仕事です。
必要なスキルは、強い倫理観、調査能力・取材力、客観的な文章を書く能力、好奇心、熱意、忍耐力などです。
編集者
編集者は、書籍・新聞・Webサイトなどで出版される文章を調整し改定するのが仕事です。
ライターと密接に連携して文章を洗練させ、読者にアピールできる題材を決定します。
編集者に必要なスキルは、文章力や文法に通じていること、細部まで気を配り、説得力・交渉力を持っていること、業界によって、調査、事実確認、リライト、画像の調整をするスキルも必要です。
美容系
美容系より、ネイリスト、美容師・理容師、メイクアップアーティストをご紹介します。
ネイリスト
ネイリストはクライアントの手足や爪を手入れし、美しくするのが仕事です。
ネイリストには免許や資格は必要ありませんが、専門学校や職業訓練校で学び、いくつかある資格を取得するのが客観的にスキルを証明できるためおすすめです。
業界でよく知られる資格として日本ネイリスト協会が主催する「JNECネイリスト技能検定」、ジェルネイルに特化した「JNAジェルネイル技能検定」、「ネイルサロン衛生管理士」などがあります。
美容師・理容師
美容師と理容師は、似ているイメージがありますが、おこなえる業務の範囲が法律で定められています。
美容師は、ヘアケアやメイクなどさまざまな方法でクライアントの容姿を美しくするのが仕事です。
理容師は、シェービングやヘアカットの技術でクライアントの容姿を整えるのが仕事です。
具体的には下記のような業務を行えます。
| 仕事内容 | 美容師 | 理容師 |
| ヘアカット | ○ | ○ |
| カラーリング | ○ | ○ |
| パーマ | ○ | ○ |
| スタイリング | ○ | × |
| メイク | ○ | × |
| ネイル | ○ | × |
| まつげパーマ・エクステ | ○ | × |
| シェービング（顔そり） | △（メイクに必要な場合は可） | ○ |
| 着付け | ○ | × |
美容師になるには国家資格の「美容師免許」が必要で、取得するには都道府県知事指定の美容専門学校（美容師養成施設）で規定年数学ぶことと、国家試験に合格する必要があります。
理容師になるには国家資格の「理容師免許」が必要です。取得には都道府県知事指定の理容師養成施設（理容学校）で規定年数学ぶことと、国家試験に合格する必要があります。
いずれの職種にも必要なスキルは、優れたコミュニケーション能力、創造性、おもてなし、時間や予約の管理、細部に注意を払う能力などです。
メイクアップアーティスト
メイクアップアーティストは、化粧品や技術を駆使して、クライアントの外見を引き立てたり、変えたりするのが仕事です。
メイクアップアーティストに免許はありませんが、専門学校などで学ぶヘアメイクなどのスキルに加えて、現場経験が重視されるため、先輩となるメイクアップアーティストのアシスタントとして学ぶことが重要です。
資格としては、一般社団法人JMAの「JMAメイクアップ技術検定試験」などがあります。
必要なスキルとしては、クライアントのニーズに合わせ一人ひとりにカスタマイズした外見を作り上げられる創造性とメイクアップ技術、製品知識、コミュニケーション能力、時間管理、スタミナなどです。
その他
その他に、モデル、占い師、スポーツトレーナーをご紹介します。
モデル
モデルは、写真撮影、コマーシャル（CM）、ショーでクライアントの製品を着用して、衣類やアクセサリーのブランドを宣伝するのが仕事です。
モデルに必要なのは、年齢・身長などの基準を満たし、身だしなみに気を配り、ポートフォリオを作成し、カメラの前でポーズをとる練習です。
占い師
占い師は、科学的根拠がない方法で未来を予言したりクライアントの生き方などの相談に乗るのが仕事です。
占い師に必要なのは、心理学や行動経済学などの現代的な理論と伝統的な占星術・タロットカードなどのリーディングスキルを組み合わせること、人生経験、瞑想や夢などを通じて潜在意識にアクセスするなどの方法で能力を開発し、クライアントに寄り添って提言できるコミュニケーション能力などです。
スポーツトレーナー
スポーツトレーナーは健康維持や向上を目的としてクライアントにトレーニングの助言をおこなうのが仕事です。
運動生理学・栄養学などの知識、負傷に対応できる救急処置や応急処置のスキル、コミュニケーション能力、時間管理、忍耐強さなどが必要です。
フリーランスが案件を獲得する方法
フリーランスは仕事をするクライアントや案件を選べます。逆にいえば、クライアントを見つけなければ仕事ができず、収入につながりません。
どのようにして案件を見つけ、仕事につなげるのか見ていきましょう。
SNSを活用する
自分のスキルや職種の話題をSNSで情報発信し、発注相手を探す企業から見つけてもらえる可能性につなげます。何が得意で、過去どのような案件を担当してきたのかSNSを通じて潜在的なクライアントにアピールしましょう。
また、SNSから案件に応募できる場合もあるなど、SNSを使った案件獲得が近年増えています。
クラウドソーシングを利用する
クラウドワークスやランサーズなどのサイトに自分のスキルや経歴などのプロフィールを登録し、案件を検索します。案件に応募し、見積もりや提案が採用されると案件を受注できます。
Webブラウザから利用でき、受注・納品・検収・支払いまで完結できます。第三者が仲介するため手数料がかかる代わりに「支払われない」事態を防げます。
単価が低い傾向がありますが、フリーランスとして経験が浅かったり、他の営業手段が使えない場合に利用する価値はあります。
知人からの紹介
新規顧客を開拓する以外に、既存の取引先や知り合いからの紹介も有効です。
紹介からの依頼を受けて実績を積み、知り合いからの評判が良くなることで更なる紹介につなげたり、前職の会社の業務を業務委託として引き継ぐ方法は、知名度のないフリーランスにとって営業コストを抑えられる心強い味方です。
エージェントを使う
エージェントを使うのも手です。案件を完遂するスキルはあるが営業はやったことがない場合におすすめです。
IT系・クリエイティブ系など特定業界に特化したエージェントを利用すれば、さまざまな案件の中から自分のスキルに合う案件を紹介してもらえます。
第三者の視点でサポートしてもらえ、案件獲得だけでなく価格交渉も依頼できるため、相場に見合わない仕事を受注してしまうリスクを減らせます。
企業に直接営業する
一緒に仕事したい企業があるなら、直接営業メールを送るのも有効です。
SNSやWebサイトに経歴・スキル・受賞歴などが分かるポートフォリオがあれば、応募に添えて企業の問い合わせフォームや採用サイトから連絡してみましょう。
フリーランスで活躍するための注意点
会社員の場合は、担当業務をこなしていれば問題ありませんが、フリーランスの場合、営業や総務もすべて自分で管理しなければなりません。
案件獲得のため日ごろから営業をおこない、クライアントとの関係を良好に保つのは重要です。また、保険や税金の手続きなど総務経理スキルも必要です。
案件以外の、付随するさまざまなタスクを実行できる自己管理能力は必須です。
まとめ
フリーランスの仕事を解説してきました。
- フリーランスにはビジネス・クリエイティブ・IT・美容・文筆などの職種が人気です。
- フリーランスの案件獲得方法にはSNS・クラウドソーシング・エージェントの活用・知人の紹介・直接営業などがあります。
- フリーランスは案件を完了するだけでなく、営業や総務経理を自己管理する必要があります。
自分のスキルを活かして働けるフリーランスには注意点もありますが、さまざまな業界で多くのフリーランスが活躍しており、営業力に自信がなくてもクラウドソーシングやエージェントに登録して案件を獲得する方法もあるので仕事としてフリーランスを検討してみてはいかがでしょうか。
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