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アプリケーションエンジニアの仕事と年収|役立つ資格も紹介

アプリケーションエンジニアは、スマートフォンのアプリやWebブラウザで動作するアプリ、企業のコンピュータや専用機器などで使われるあらゆる特定用途向けのソフトウェア開発を担当するプロフェッショナルです。ユーザーや企業のニーズを分析し、課題を解決するアプリをデザインし、開発し、リリース後の運用・保守にも対応するアプリケーションエンジニアは幅広いスキルを身につけられ、今後も需要の伸びが予想される職種です。

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Contents

アプリケーションエンジニアとは

アプリケーションエンジニアはアプリケーション開発サイクルのすべての段階に携わり、アプリの構想からリリース後の運用までトータルにアプリケーション開発を支えます。

アプリケーション開発サイクルとは、一般的なシステム開発の流れとして、まず「要件定義・設計」でシステムの目的や機能を決め、次に「開発」で実際にプログラムを作成します。開発後、「テスト」で動作確認をおこない、問題がなければ「リリース」して実際に公開・利用します。リリース後は「運用・保守」で、必要に応じて改善をおこなう一連のサイクルを指します。

現代ではスマートフォンでのアプリ利用が普及しただけでなく、銀行やコンビニエンスストアにあるATM、駅の自動改札や回転寿司店にある注文用タブレットなど仕事や生活のあらゆる場面でアプリケーションが利用されており、アプリケーションエンジニアが活躍できる場面は多数存在します。

プログラマーとの違い

プログラマーは、アプリケーションの開発でコードを書くことに専念する職種です。彼らの業務は主に開発の製造段階に集中し、具体的な機能を実現するための詳細なプログラミング作業をおこないます。

アプリケーションエンジニアはプログラミングスキルも持ちつつ、システム全体の設計や要件定義、プロジェクト管理など、より広範な業務を担います。つまり、プログラマーはある意味でアプリケーションエンジニアの一部分を担う専門職です。

システムエンジニアとの違い

システムエンジニア(SE)は主に、アプリ開発サイクルの初期段階の「要件定義」と「設計」の工程を担当します。左記の工程は、アプリケーションの「あるべき姿」を机上で設計する上流工程と呼ばれます。

一方、アプリケーションエンジニアはSEの工程を含む開発からリリース後の運用まで、システムの全体的な工程を担当します。アプリケーションの設計から実運用までの一連の流れを総合的に携わる職種です。

インフラエンジニアとの違い

インフラエンジニアは、サーバーやネットワークなどの基盤構築を専門とする職種です。

一方、アプリケーションエンジニアは、インフラ上で動くソフトウェアやシステムの開発を担当します。

両者はシステムの円滑な運用を支えるために連携し、それぞれの分野で高度な技術と知識が要求されます。インフラエンジニアとアプリケーションエンジニアの相互理解は、システム全体の効率と安定性を保つために重要です。

アプリケーションエンジニアの業務

アプリケーションエンジニアは、アプリの開発で一連の工程全体を担当します。工程にはクライアントとのコミュニケーション、プログラムのコーディング、テスト、運用・保守までが含まれます。

具体的に詳しく見ていきます。

要件定義

アプリケーションエンジニアにとって「要件定義」は、開発するアプリケーションの全体像を決め、土台を築くために必要な工程です。要件定義では、クライアントの抱える問題や達成したい目標を理解し、適した機能や仕様を明確にします。

要件定義ではヒアリング力と経験が求められます。また、クライアントの期待に応えるための提案に重点を置きます。要件定義は、アプリ開発の成功に向けた基礎を固めるために不可欠です。

システム設計

「システム設計」では、要件定義で決定された内容に基づいて、アプリケーションの枠組みを作り上げます。設計段階では、外部設計と内部設計に分け、ユーザビリティ、セキュリティ、性能など多角的な視点からシステムの設計をおこないます。

設計の品質はのちの開発工程に大きく影響するため、細心の注意を払って進める必要があります。システム設計は、効率的かつ効果的なシステム構築の基礎を築く重要なプロセスです。

プログラミング

「プログラミング」の工程では、設計書に基づきコードを作成します。使用するプログラミング言語はアプリの種類や対象環境に応じて選ばれます。

多くの場合、複数のエンジニアが協力して開発を進めるため、チームワークと効率的なコーディング能力が求められます。プログラミング段階では、プログラムの機能を正確に実装するのが重要であり、チーム内のコミュニケーションと協調性がプロジェクトの成功に大きく寄与します。

動作テスト

開発されたアプリケーションが設計どおりに機能するかどうかを確認する「動作テスト」は、バグの発見と修正に不可欠な工程です。

テストでは、ユーザビリティ、パフォーマンス、セキュリティなどさまざまな面からアプリを検証し、問題が発見された場合は迅速に対処します。

また、実際のユーザー利用シナリオに基づいたテストもおこなわれ、アプリの実用性と安定性を確認します。テストはアプリの品質を保証するうえで重要な役割を果たし、最終的なユーザー体験に直結します。

保守・運用

アプリケーションがリリースされたあとの「保守・運用」工程では、システムの安定稼働を維持するための活動がおこなわれます。不具合の対応やシステムのアップデート、ときにはユーザーからのフィードバックに基づいた改善も求められます。

アプリケーションエンジニアは、長期にわたりアプリケーションのサポートを担うことが求められ、システムが最適な状態で稼働し続けるよう努めます。運用・保守工程はアプリの品質を維持し、ユーザー満足度を高めるために不可欠です。

アプリケーションエンジニアが開発するアプリの種類

アプリケーションには大きく分けて、業務系アプリ・スマートフォンアプリ・WEBアプリに分類できます。具体的にご紹介します。

業務系アプリ

企業が業務で使用するアプリで、MS Officeなども含みますが、本項では特定の業務に特化したアプリに焦点を当てます。例えば、鉄道のダイヤ管理、水道局の水量モニタリング、金融機関の取引システム、在庫管理などです。

アプリケーションエンジニアは、業務内容を理解し、効率化や経営課題の解決に役立つシステムを設計・開発します。

リリース後も、企業活動の変化に応じてアプリの機能更新や改修が必要となることがあり、企業が存続する限りアプリの運用は続きます。

オンライン診療アプリ

遠隔診療システムは、近年特に注目を集めているアプリケーション分野です。オンライン診療では、単なるビデオチャットツールを超えたさまざまな機能が必要とされます。例えば、患者の健康情報の管理、診断支援、電子処方箋の発行などが含まれます。

アプリケーションエンジニアが遠隔診療システムの要件定義や設計に関わる場合、単に技術的なスキルだけでなく、医療分野への深い理解、セキュリティや技術倫理に関する知識、医師や薬剤師とのコミュニケーション能力など、多岐にわたる能力が求められます。

診療システムは、患者の健康と直結するため、高い責任感と専門性が要求され、エンジニアにとっては挑戦的ながらもやりがいのある仕事でしょう。

AIサポート開発アプリ

企業や自治体のWEBサイトで、チャットボットが質問に答えるサービスを目にする機会が増えています。

顧客対応には近年AIアプリが使用されるようになりました。省力化だけでなく、顧客を待たせることなくサポートを提供できるAIアプリは企業活動にとって重要なものとなりつつあります。問い合わせ対応だけでなく、サービスを提案するなど顧客満足度を高める仕組みを用意している場合もあります。

AIを活用したサポートアプリの開発はアプリケーションのなかでも比較的新しい分野であり、会話内容などの理解には自然言語処理や機械学習のスキルも必要となってくるため、アプリケーションエンジニアにとって挑戦しがいのある分野です。

スマートフォンアプリ

スマートフォン用アプリは、アプリケーションエンジニアによって開発されます。決済アプリ、健康管理、スケジュール管理、メールやメッセージングなど、多岐にわたる用途があります。

スマートフォンは小型の情報端末で、限られたCPUやメモリ容量のなかで効率的に動作するアプリの開発には特別なテクニックが必要です。エンジニアは各機種ごとにプログラミング言語を使い分け、最適化されたプログラミングをおこなう必要があります。

英語学習アプリ

世界的な新型コロナウイルスの流行で、学校教育はICT(Information and Communication Technology)化が進みオンライン授業や、タブレットの活用などがおこなわれるようになりました。

英語学習アプリは、中高生以上がスマートフォンにインストールして授業の補助や資格の勉強に活用するだけでなく、幼児教育のために英語学習アプリをインストールしたタブレットを活用しているご家庭も増えています。

Adroit Market Researchによればマルチメディアを活用した語学学習アプリの市場規模は今後も年平均22.8%の成長率で拡大していくと予想しています。

マッチングアプリ

コロナ禍は、人々の出会いを大きく変えました。従来、個人間の出会いは仲人などを通じておこなわれましたが、Webやスマートフォンアプリの普及により、AIが好みに合う相手を推薦する形式に変わりつつあります。

アプリケーションエンジニアが開発するプログラムは、ユーザーの好みを分析し、適切なパートナーを検索エンジンのように推薦します。プログラミングに加えデータ分析のスキルが重要となり、アルゴリズムの質がマッチングの成否を左右します。

MMD研究所の調査で、コロナ前は「職場や学校」が恋人探しの主な場所でしたが、コロナ後は「マッチングサービス・アプリ」の利用が42.6%に上昇し、今後も利用は増加すると考えられます。

 

参考サイト:2021年のマッチングサービス・アプリ利用経験者は78.2%、昨年と比べて21.1ポイント増加
利用上位のマッチングサービス・アプリはトップが「Pairs」、次いで「タップル」

WEBアプリ

WEBアプリとは、TwitterやFacebook、GoogleマップのようにWEBブラウザから利用できるアプリケーションです。他にも、オンラインショップや施設予約、画像投稿サービスやレシピサイトなど多種多様なアプリケーションが開発されています。

WEBアプリ開発には、WEBブラウザ側で目に見える部分を作る「フロントエンド」の知識と、データベースやサーバー側のプログラミングをする「バックエンド」の知識が必要です。

テレワーク業務円滑化アプリ

テレワークが普及したことで、仕事の進め方にもアプリが活用されるようになりました。

代表的なものとしては、ビデオ会議アプリのZoom・Microsoft Teams・Google Meetなどがあります。仕事の進捗を管理するために、従来のカレンダーやスケジュールアプリに加えて、TrelloやAsanaなどのツールの活用も見られ、文字ベースのコミュニケーションアプリとしてSlackやChatwork、ファイルを共有して管理するためにGoogle DriveやDropboxなどの利用も定着してきました。

業務の数だけ異なるアプリを開発する余地があり、今後も多数の開発案件が生まれる可能性を秘めています。

アプリケーションエンジニアに必要な開発言語

アプリケーションエンジニアが成功するためには、開発言語の習得が不可欠です。プログラミング言語にはそれぞれ特徴があり、プラットフォームや用途に応じて選ばれます。

アプリケーション開発そのものに使用する言語は、OSにより決まってくる場合もありますが、開発過程で、データを分析するために使用する言語や、サーバー側でデータベースと連携するために使用する言語など、アプリケーション自体に含まれない部分でもさまざまなプログラミング言語が必要となる場合があります。

以下では、アプリケーション本体の開発に主に使用する言語を紹介します。

業務系アプリ

業務系アプリケーションの開発では、JavaやC#がよく用いられます。Java・C#言語は、大規模なシステムに対する堅牢性や拡張性を提供し、さまざまな業務プロセスを効率化するアプリケーションの構築に適しています。

スマートフォンアプリ

スマートフォンアプリケーションは、iOS向けにはSwift、Android向けにはKotlinやJavaが主流です。左記の言語は、モバイルデバイスの特性を生かした操作性の高いアプリケーションを作成するために必要です。

WEBアプリの場合

WEBアプリケーションの開発では、フロントエンドにはHTML、CSS、JavaScriptでユーザーが触れる画面を作り、バックエンドにはPHPやRubyなどが用いられサーバー側でデータベースなどと連携します。

アプリケーションエンジニアに必要なスキル

アプリケーションエンジニアには、多岐にわたるスキルが求められます。プログラムの作成だけでなく、ビジネス環境の把握やインフラに関する知識も不可欠です。

3点それぞれを詳しく見ていきましょう。

ビジネススキル

プロジェクトを成功させるには、ビジネススキルが不可欠です。

特に、顧客と効果的にコミュニケーションを取る能力、要件を正確に分析する力、そして提案を具体的に伝えるプレゼンテーション力が求められます。

ビジネススキルによって、顧客との信頼関係を構築し、プロジェクトの目標達成に寄与します。良好なコミュニケーションと分析力により、顧客のニーズを深く理解し、適切な解決策の提供が可能になります。

インフラスキル

アプリケーションエンジニアには、開発したアプリが最良の状態で動作するため、インフラ関連のスキルも必要です。

ネットワークの構築、データベース管理、サーバーの設定に関する知識は、アプリの性能を発揮するうえで欠かせません。

インフラの技術は、アプリケーションの安定稼働と効率的な運用を支えるために、理解しておくべき重要な要素です。インフラスキルを持つことで、より高品質なアプリを提供できます。

開発スキル

アプリケーションエンジニアにとって、開発スキルは大変重要な核となります。多様なプログラミング言語を習得するのは基本であり、アルゴリズムやデータ構造に関する深い知識も不可欠です。

加えて、さまざまなフレームワークの活用やソフトウェア開発の最新トレンドに敏感なことが、高品質なアプリケーション開発に大きく寄与します。上記スキルと知識は、競争力のあるアプリケーションを生み出す基盤となります。

アプリケーションエンジニアに適性がある人の特徴

アプリケーションエンジニアは企業や個人を問わず、さまざまな人々が利用するアプリケーションを開発します。また多くの人と連携して仕事を効率よく進めていく必要があります。

どのような特徴をもっているとアプリケーションエンジニアに適性があるのかを見ていきましょう。

ユーザーニーズをキャッチアップできる人

アプリケーションの開発では、ユーザーの立場に立って物事をとらえることが大切です。

アプリが多くの人に受け入れられるためには、UI/UXなど使い勝手の良さはアプリケーションにとって重要です。

そもそも、どのようなアプリをユーザーが求めているかは、要件定義や設計の段階で重要となります。顧客企業に言われたことを鵜呑みにせず、ユーザーが本当に求めていることと、アプリケーションエンジニアとしてのスキルを組み合わせてよりよい設計を生み出せる人はアプリケーションエンジニアに適性があります。

チームでのコミュニケーションが得意な人

アプリケーションの開発には多くの人が関わります。

プログラミング1つとってもサーバー向けのプログラムとWebブラウザで動作するプログラムとでは言語もスキルも異なってきます。

24時間稼働するサービスでは運用を一人でおこなうのは困難なため運用もチームで担当します。

一人一人がさまざまな経験の違いやスキルを持ちながら、チームとして能力を発揮していくためには協力的で安心してコミュニケーションがとれる関係構築が必要不可欠です。

また、開発だけでなく、要件定義や運用などの場面ではユーザーや顧客企業の担当者と密接にコミュニケーションをとる必要があります。うわべだけの挨拶をして終わりではありません。

ユーザーに求められるアプリケーションを開発するためには、顧客自身が言語化できていないものの、アプリケーションに搭載されるとうれしい機能なども提案していく必要があります。

よい提案のためには商談だけでなく、顧客のことをよく知り、顧客がどのように業務を進めたり日常生活などのアプリケーション利用シーンでどのようなことを思っているのかまで詳細に理解する必要があります。

さまざまな相手とのコミュニケーションを円滑に取れる人は、アプリケーションエンジニアとしての適性があります。

IT知識やプログラミングスキルを高めたい人

アプリケーション・システム開発に必要な要件定義や設計、開発・テスト、リリース後の運用・保守など全般の工程に関われるため、アプリケーションエンジニアは幅広い経験・スキルを高められます。

業務系アプリの開発では、顧客企業の環境によってAWSやGCPなどのクラウド環境やWindows Server・Linuxサーバーなどの環境でJava・C++・C#などのプログラミング言語を使い、企業が求めるシステムを構築していきます。

スマートフォンアプリの開発には、iOSならばSwiftやObjective-C、Android向けならばKotlinやJavaなどプログラミング言語の知識だけでなく、位置情報やカメラなどスマートフォン特有のデバイスの知識、ゲーム開発ならばUnityなどの開発ツールのスキルを得られます。

WEBアプリケーションは、ブラウザ側ではHTML・CSS・JavaScript・TypeScriptなどのスキル、要件によってさまざまですがサーバー側ではRuby・Python・PHPなどの言語だけでなく、データベースや外部APIとの連携など幅広いシステムの知識を深められます。

フレームワークを使いこなせる人

開発の場でのフレームワークとは、アプリケーション開発のひな形として利用できるコード集です。

例えば、会員制アプリケーションの開発であれば、どのようなアプリでもID・パスワードでログインする処理は共通点が多く、毎回ゼロからプログラミングするよりもフレームワークが提供するコードをカスタマイズして効率的にログイン機能を実装できます。

対象となるアプリケーションの領域ごとにさまざまなフレームワークがあるため、さまざまなフレームワークの扱いに長けたエンジニアはアプリケーションエンジニアに向いています。

地道な作業をこなせる人

アプリケーションの開発では、プログラミングしたあとも、テスト工程や運用・保守に従事します。

テスト工程では、リストに基づいて動作確認を多数こなしていく必要がありますし、運用・保守の段階ではシステムが正常に稼働するようモニタリングし、定期的なバックアップやメンテナンス作業が欠かせません。

アプリケーションを作るだけでなく、品質を保ち、安定して使えるように整備するのは重要ですが地味な工程でもあります。

テストや運用・保守の工程を地道におこなえる人は、アプリケーションエンジニアに適性があります。

クリティカルシンキング(批判的思考)ができる人

クリティカルシンキングとは、論理的かつ批判的な視点で物事を見る思考方法です。論理的整合性だけでなく、「本当にこれで正しいのか」と自らの視点自体を批判的に観察します。

アプリケーションの開発では、さまざまな課題に直面します。

要件定義や設計の場面では、論理的整合性はもちろん、ユーザーが求めている機能と開発しようとするアプリケーションの機能がマッチしているか、そもそも機能Aを別の方法Bで実現できないか、など多数の可能性の中から解を見つける必要があります。クリティカルシンキングを用いることで、解決策だけでなく、解決策がもたらす影響やリスクなども考慮した最適な提案をおこなえます。

バグが発生した場合、大量のコードや関係するシステムの動きや前後関係を把握したうえで論理的に考え、デバッグをおこなっていきます。クリティカルシンキングは、コードの問題を特定するのに役立ち、根本的な原因を突き止めて効果的な解決策を考える助けになります。

クリティカルシンキングでは、思い込みや常識を疑い、常に新しいアプローチやものの見方を模索していくので、変化の早いテクノロジーに対応し、よりよい方法やツールを取り入れる助けとなります。

クリティカルシンキングができる人はアプリケーションエンジニアとして優れた提案ができる人です。

アプリケーションエンジニアに適性がない人の特徴

アプリケーションエンジニアの職業は、IT技術やプログラミングの知識、チームで協力して仕事を進める能力、地道な作業をこなす忍耐力、細部にわたる注意力、そして課題を解決する力が求められます。左記の要素に自信が持てない、または苦手意識がある方は、アプリケーションエンジニアの仕事に向いていない可能性があります。

以下に、具体的な特徴をいくつか挙げてみましょう。

ITやプログラミングに興味を持てない人

アプリケーションエンジニアの成功には、ITやプログラミングへの情熱が不可欠です。技術の急速な進化に追いつくためには、興味と学習意欲が重要です。

ITは日々変化し、新しい言語やフレームワークが出現します。興味がないとモチベーション維持が難しく、業界の最前線で成功するのは難しいでしょう。ITやプログラミングへの興味が湧かない場合、他の職種の検討も1つの選択肢かもしれません。

チームワークが苦手な人

アプリケーション開発は通常、チームでの作業が中心です。そのため、協調性とコミュニケーション能力の欠如は、プロジェクトの進行に支障をきたし、チーム全体に負担をもたらす可能性があります。

円滑なプロジェクト運営には、チームメンバー間の良質なコミュニケーションと協力が不可欠で、メンバーが協力し合い、互いの意見やアイデアを尊重するのが重要です。

チームワークを大切にしない態度は、アプリの品質にも影響を与えます。

地道な作業が苦手な人

アプリケーション開発では、地道なコーディングやテスト作業が大きな割合を占めます。したがって、忍耐力とコツコツとした作業を続ける能力が求められます。忍耐力に欠け、地道な作業を避ける傾向のある方は、職務に適していない可能性があります。

アプリケーションエンジニアは、細部に注意を払いながら慎重に作業を進めることが重要で、長時間にわたる集中力と細かい作業への耐性が、仕事を成功させるため重要です。

細かいことにこだわらない人

プログラミングでは、一文字のタイプミスが大きなエラーを生じさせることがあります。したがって、細かい部分に注意を払う能力が不可欠です。細部への注意が足りない方は、品質の高いアプリケーションを作り上げるのが難しいでしょう。

コードの正確な記述は、アプリケーションの機能性や安定性に直結し、品質を左右します。そのため、細部に対する丁寧なチェックと校正作業は、プログラマーにとって不可欠なスキルです。

課題解決が不得意な人

アプリケーションエンジニアは毎日新しい課題に直面し、解決策を見出すことが求められます。解決策を見つけるのが苦手な方は、開発で重要な役割を担うことが難しく、開発の進行に悪影響を及ぼす可能性があります。

エンジニアには、問題解決能力と創造的な思考がなければプロジェクトの成功を支えることは難しくなります。

課題に対応し、効率的な方法を考案する能力は、アプリケーションエンジニアにとって重要なスキルです。

アプリケーションエンジニアに役立つ資格

アプリケーションエンジニアになるのに、資格取得は必須ではありません。

しかし、以下のような資格を持っていると客観的なスキルの証明になるだけでなく、必要なITスキルを学ぶ機会として活用できます。

具体的な資格を見ていきましょう。

基本情報技術者試験(FE)

基本情報技術者試験は、ITエンジニアの登竜門として知られる国家試験です。

特に他業種からアプリケーションエンジニアを目指している方にとって、試験に対応したテキストなども出版されているのでIT人材として必要となる幅広い知識を学べます。

試験の内容は、選択式となっており、出題範囲はIT戦略に関するもの、システムの提案に関するもの、要件定義や設計に関するもの、セキュリティに関するもの、プログラミングなどとなっています。

過去の問題を基本情報技術者試験|試験情報| IPA独立行政法人情報処理推進機構 から閲覧できます。

 

参考サイト:情報セキュリティマネジメント試験(SG)及び基本情報技術者試験(FE)公開問題(問題冊子・解答例)|試験情報| IPA独立行政法人情報処理推進機構

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験よりも高度な内容を扱い、アプリケーションエンジニアにとって、広範な分野での知識と応用力を磨くよい機会です。

試験では、技術的な知見だけでなく、管理や経営に関する理解も深められ、システム開発やIT基盤構築などさまざまな場面で役立ちます。

高度なITスキルに加えて経営戦略やIT戦略の立案能力も学べ、プロジェクトリーダーやITコンサルタントとの対話にも役立つでしょう。

過去の問題を応用情報技術者試験|試験情報| IPA独立行政法人情報処理推進機構 から閲覧できます。

 

参考サイト:問題冊子・配点割合・解答例・採点講評(2023年度、令和5年度)|試験情報| IPA独立行政法人情報処理推進機構

システムアーキテクト試験

システムアーキテクト試験は、システム全体を設計する能力を問われる国家試験です。

基本情報技術者と同じく、「情報処理推進機構(IPA)」が主催しており、内容は上級者向けとなっています。

システムは、単に作ればよいのではなく、戦略的な観点からシステムのあるべき姿を分析し、さらにITシステムとしての最適な実現方法を考え、セキュリティに配慮し品質を担保できる開発方式・工程までを含め配慮したデザインが重要です。

アプリケーションエンジニアとして経験を積み、システムの要件定義や設計などのいわゆる上流工程だけでなく、開発やテスト、運用・保守などの工程で求められるさまざまな要件を理解し、最適なデザインを提案できることが求められます。

過去の問題をシステムアーキテクト試験|試験情報| IPA独立行政法人情報処理推進機構 から閲覧できます。

 

参考サイト:問題冊子・配点割合・解答例・採点講評(2019年度、平成31年度、令和元年度)|試験情報| IPA独立行政法人情報処理推進機構

Android技術者認定試験

Android技術者認定試験は、名前のとおりAndroidでのアプリケーションを開発するスキルが問われる認定試験です。

Android開発に関する基本的な知識が問われる「ベーシック」と高度な業務アプリケーション開発知識の「プロフェッショナル」の二つのレベルが用意されています。

試験は毎日実施されており、試験会場でコンピュータに回答を入力する形式で、当日中に合否が分かります。

アプリケーション技術者認定試験のページに模擬試験のリンクがあります。

 

参考サイト:アプリケーションベーシック技術者認定試験模擬問題

開発言語ごとの認定資格試験

前項までにご紹介した資格は、特定の言語ではなく、IT全般のものが多いです。本項では、特定のプログラミング言語に関する認定資格をご紹介します。

 

言語認定資格
JavaJava™プログラミング能力認定試験Oracle認定Javaプログラマ
SwiftApp Development with Swift
Kotlin C#(2023年現在、特定の資格は無し)
C言語C言語プログラミング能力認定試験
C++C++ Certified Associate Programmer(CPP)
HTML CSS JavaScriptHTML5プロフェッショナル認定試験
PHPPHP技術者認定試験
RubyRuby技術者認定試験

 

アプリケーションのプラットフォームにより開発言語はさまざまですが、対象となるプログラミング言語ごとの認定資格を取得すれば、特定の技術領域で専門的な知識を有していることが客観的に証明され、キャリアアップにもつながりやすくなります。

アプリケーションエンジニアの平均年収

アプリケーションエンジニアの収入は、厚生労働省の令和3年度調査によると、男女平均523万円ほどで、ITエンジニアの収入としては平均的から高水準です。アプリケーションエンジニアの仕事は幅広く、プログラミングなどさまざまな技量によっても変わってきます。

アプリケーションはさまざまな業界で利用されるため、

 

  • 企業に所属して自社のアプリケーションを開発する
  • アプリケーション専業の企業で働き、依頼に応じてアプリを開発したりアプリを販売する
  • フリーランスとして働き、業務委託でアプリケーションの開発に携わる

 

などさまざまな働き方ができます。

フリーランスのアプリケーションエンジニアの場合は、スキル次第で開発できるアプリケーションが違ってくるため、受けられる業務や収入は大きく変わります。

 

参考サイト:令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況

正社員の場合

正社員として働くアプリケーションエンジニアの平均年収は、新人エンジニアの場合300万円代から始まることが一般的です。

経験が5年以上になると、600万円を超える年収を得るエンジニアも少なくありません。また、特定の技術やスキルを持つベテランエンジニアのなかには、1000万円を超える高収入を実現しているケースも存在します。

経験や技術力により大きく異なるため、スキルアップが年収アップに直結する可能性が高い職種です。

フリーランスの場合

フリーランスとして働くアプリケーションエンジニアの年収は、契約内容やスキル、仕事の取り方に左右されます。フリーランスの場合、プロジェクト単位で契約を結び、短期間で高い報酬を得ることが可能です。

年収が400万円から1000万円以上になることもありますが、スキル次第で1000万円を超える収入を得ることも夢ではありません。フリーランスは案件獲得の能力や交渉力が収入を大きく左右するため、市場価値の高いスキルを持つことが重要です。

アプリケーションエンジニアのキャリアパス

アプリケーションエンジニアが携わる工程は幅広いですが、通常は開発や運用・保守などからキャリアをスタートします。

以下では、おすすめのキャリアパスをご紹介します。

ITスペシャリスト

ITスペシャリストは、特定分野の深い専門知識を持ち、高い技術力で多くのプロジェクトに寄与する専門家です。アプリケーションエンジニアが経験を積むことで、目指すことができます。

例えば、セキュリティやデータベース管理の領域で専門的なスキルを磨き、課題の解決への貢献が期待されます。

専門性を高めることは収入向上にも直結します。技術のスペシャリストとして成長を目指す人には適したキャリアパスです。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーは、アプリケーション開発をはじめとするプロジェクト全体を統括し、成功を牽引する重要な役割を果たします。

アプリケーションエンジニアからステップアップした場合、技術だけでなく、チームの管理や顧客との折衝などより大きな責任を担うことになります。

プロジェクトのスケジュール管理や品質管理、予算管理など、幅広いスキルが求められますが、報酬も高くなる傾向にあります。

ITコンサルタント

ITコンサルタントは、顧客のビジネス課題を解決するためのIT戦略の立案やシステム導入支援をおこなう専門職です。

技術力に加えて、経営学やマーケティングの知識を兼ね備える必要があります。提案するシステムが顧客のビジネスにどのような影響を及ぼすかを深く理解し、戦略的な視点でアドバイスをおこないます。

高度な問題解決能力と幅広い知識が求められる反面、企業経営に大きく貢献できるやりがいのある職種です。

フルスタックエンジニア

フルスタックエンジニアとは、フロントエンドからバックエンド、データベース管理まで、アプリケーション開発に関わる全領域に精通したエンジニアのことを指します。

アプリケーションエンジニアが広範な技術を身につけることで、フルスタックエンジニアへと進化が可能です。一人で複数の役割をこなすことができ、スタートアップや新しいサービスの立ち上げなどでも重要なポジションを担うことができます。

アプリケーションエンジニアの将来性

スマートフォンのアプリやWEBアプリケーションの利用は拡大するばかりです。また、経済産業省の調査によると国内のIT人材は不足が続いており、2030年には45万人ほどが不足するとみられています。

利用者が増え人材が不足しているだけでなく、IoT機器など新たなハードウエアや活躍できるフィールド自体が増えているため、今後もアプリケーションエンジニアの需要は伸びると予想できます。

新しいハードウエアや技術の登場によって拡大している分野なため、最新のスキルを身につけ新しい環境に対応できる準備を常にしておくことが、アプリケーションエンジニアにとって重要です。

 

参考サイト:IT人材需給に関する調査(概要)

人材不足により需要が高まる

経済産業省の調査によれば、日本のIT人材不足は深刻で、2030年には約45万人のエンジニアが不足すると予測されています。アプリケーションエンジニアはIT人材不足を解消する鍵となる存在であり、企業や社会が求める技術力を持つアプリケーションエンジニアには、より多くの機会が生まれるでしょう。

人材不足は、アプリケーションエンジニアの立場を強化し、キャリアの選択肢を広げる要因にもなります。

 

参考サイト:IT人材需給に関する調査(概要)

新技術の普及により需要は増加

IoT機器の急速な普及やAI技術の進化は、アプリケーションエンジニアに新たなチャンスをもたらします。

新技術を活用したアプリケーションの開発が求められることで、エンジニアには常に最新のスキルを身につけることが要求されます。技術革新の波に乗り、変化に柔軟に対応する能力を持つアプリケーションエンジニアは、将来性のあるキャリアを築くことができるでしょう。

まとめ アプリ開発の経験・スキルを身につけるのに最適

アプリケーションエンジニアを見てきました。

 

  • アプリ開発の要件定義・設計からリリース後の運用・保守までトータルに関わる職種です。
  • アプリケーションエンジニアの需要は今後も伸びると予想されています。
  • 幅広い経験・スキルを身につけられる職種で、将来的にITコンサルタントやプロジェクトマネージャー、フリーランスとして活躍する可能性があります。

 

アプリケーションエンジニアは、システム開発のあらゆる工程に携わり、経験を積める職種です。アプリケーション開発に興味がある方、ITエンジニアとして幅広く経験を積みたい方はアプリケーションエンジニアを検討してみてはいかがでしょうか。

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