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LinuxとWindowsの違いとは?どちらに詳しいほうがいいのか

ITに関わるエンジニアが触れることの多いOS(オペレーティングシステム)として、LinuxとWindowsが挙げられます。それぞれにどのような特徴があり、どういった点が異なっているのかをまとめてみました。ぜひ参考にしてください。

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LinuxとWindowsの大きな違い

OSについての基本的な説明をしたあとに、両者の違いを説明していきます。

OSについてのおさらい

LinuxとWindowsの違いを説明する前に、OSについておさらいをしておきましょう。OSとは、パソコンやスマートフォン、サーバーなどに利用される基本ソフトウェアのことです。ソフトウェアとは、コンピューターに命令をするプログラムの総称で、基本ソフトウェアであるOSは『コンピューターに命令をするために必要な、基本となるプログラム』と説明することができます。

OSが開発されるまではコンピューターに複数のシステムを搭載することができなかったため、コンピューター1台にひとつの機能を持たせることしかできませんでした。そのため、現代から見ると非常に非効率的なコンピューターでしたが、OSが出現したことによってコンピューターのシステムが現代と同じような形になりました。

基本ソフトウェアであるOSには種類があり、今回の記事で取り扱うLinuxとWindowsの他には、macOSやUNIX、スマートフォンのAndroidやiOSなどもOSに分類されます。それらの他には、Chrome OSや、知名度はあまり高くありませんが日本人が開発したTRON(トロン)というOSも存在しています。

利用料がかかるか、かからないか

LinuxとWindowsの大きな違いを説明すると、オープンソースか有料サービスかといえるでしょう。オープンソースとは無料で利用できるソフトウェアのことで、ここではLinuxが該当します。対してWindowsはライセンス制(有料)のOSになっているため、利用するためにはライセンス料を支払わなければなりません。

これらはそれぞれどのようなOSで、どのようなメリット・デメリットがあるかを以下で説明していきます。

Linuxとは

1991年、当時大学生であったフィンランドのリーナス・トーバルズ氏によってリリースされたオープンソースのOSで、現在でも世界中の技術者がボランティアで改良を重ねています。LinuxはUNIXという別のOSから派生したモノとして作成され、Linus(リーナス)氏がUNIXに寄せて開発をしたOSなので、Linuxと名付けられたそうです。

LinuxのもとになったUNIXが発明されるまでは、OSの開発がうまくいかず、コンピューター業界で広く利用されるOSはありませんでした。しかしながら、UNIXが登場したことによって現代のOSと同じような仕組みをコンピューターに搭載できるようになり、UNIXというOSは業界のデファクトスタンダード(業界標準)になりました。

デファクトスタンダードになったUNIXですが、その結果として利用無料だったものがライセンス化(有料化)されてしまい、UNIXユーザーに不満が生まれます。そのような状況のなか、無料のOSとしてUNIXと同じようなことができるLinuxがリリースされ、Linux利用者は世界中に増えていきます。Linuxはどんどん規模を広げていき、現在でも数多くの企業に利用されるOSになりました。

Linuxはリリース当初、パソコン用に作られたOSでした。しかし現在では、WindowsやmacOSなどの状況下でしか作動しないソフトウェアが大多数を占めるため、一般のパソコンではほとんど利用されていません。その代わりに、LinuxはサーバーOSとしてのシェアが非常に高くなっており、その他には組み込みシステムやIoT(Internet of Things)のOSとして使うこともできます。

また、Linuxの派生もとのUNIXはC言語とともに発展をしてきた経緯があります。その点についても解説している記事がありますので、よければこちらも参考にしてください。

 

関連記事:JavaとC言語の違いとは?特徴や習得難易度について解説

Linuxカーネル

一般的には、Linuxを呼称する際の分類などはありません。しかしながら厳密には、Linuxは『Linuxカーネル』と、『Linuxディストリビューション』に分かれています。

Linuxカーネルの『カーネル』とは、Linux以外のOSでも利用されているもので、ハードウェアとソフトウェアのやりとりをおこなう『OSの根幹部分』です。一般的なカーネルは、ハードウェアの制御、ファイルやソフトウェアの実行、リソースなどの管理をおこないます。また、Linuxカーネルは、メモリ管理機能、ネットワーク、ファイルシステムなどから成り立っています。

Linuxカーネルは誰でも無料で利用することができます。しかしながら、LinuxカーネルだけではOSとして利用するための機能が足りず、使うことはおろか起動することも難しくなっています。

そのような理由から、LinuxをOSとして利用するためには、Linuxカーネル以外のソフトウェアを組み合わせる必要があります。カーネル以外のソフトウェアを自分で構成し、構築することもできますが、一から自分でおこなうことは非効率になってしまいます。そのため、『Linuxディストリビューション』というLinuxをOSとして利用するためのセットが必要になります。

Linuxディストリビューション

Linuxカーネルを根幹に置き、足りない部分を補ってOSとして利用できるようにするものを『Linuxディストリビューション』といいます。

Linuxはオープンソースになっているため、誰でもシステムの利用や改良ができるようになっているOSです。そのため、LinuxカーネルをもとにしたLinuxディストリビューションも多くの種類がリリースされており、『Linux』を広義でとらえた場合、Linuxディストリビューションを総称している場合もあります。

Linuxディストリビューションはたくさんの種類がありますが、主要なものは以下の3系統になります。

・Slackware系:一番最初にリリースされたディストリビューションで、作りがシンプルでカスタムがしやすい。

・Debian系:世界中の有志が作り上げた、無料で利用できるディストリビューション。

・Redhat系:米国RedHat社が開発した商用向けのディストリビューション。

各系統ごとにさまざまなディストリビューションがあり、企業の環境や状況によって利用するものを選択する必要があります。ちなみに、最も利用されているLinuxディストリビューションはRedhat系になっています。

また、これらの内容はLinuxの日本公認資格である『LinuC』を主催している、LPI-Japanの記事を参考にさせていただきました。Linuxについてわかりやすくまとめられているため、より詳しく知りたい方はぜひともご覧ください。

 

出典:第2回 ディストリビューションとは|LPI-Japan

Windowsとは

米国Microsoft社から販売されているOSです。1995年にリリースされたWindows95でデファクトスタンダードの地位を不動のものとし、現在でも世界No.1シェアになっています。

Windowsといえば、家庭や企業のパソコンに入っているOSのイメージが強いかと思いますが、サーバー用のOSとしてWindows Serverというものもリリースされています。しかしながら、Windows ServerのシェアはLinuxに比べると非常に小さくなっています。

先述したように、WindowsはLinuxと違いライセンス制(有料)です。ライセンス制と聞くと、家庭利用などでパソコンを購入する際に、macOSを搭載しているiMac、 ChromeOSを搭載しているChromebookなどを除き、基本的にはWindowsがインストールされているのに有料なの?と考えられるかもしれません。

これは、ユーザーが直接ライセンス料を支払うわけではなく、パソコン販売メーカーがWindowsのライセンスを購入する形になっています。自社製品にWindowsを搭載させる際にライセンス料を支払うため、一般ユーザーが購入するパソコンの価格にはライセンス料のコストも加算されています。

OSのないパソコンのことをBTO(Build To Order)パソコンといい、OSが搭載されているパソコンより安く購入できるようになっています。BTOパソコンを保有しWindowsのライセンスを持っていれば、それを利用してWindowsをインストールしたり、LinuxやChrome OS Flexなどの無料OSをインストールして、一般的なパソコンとして利用することも可能です。

また、Windowsを含め、現在のOSなどでデスクトップ画面のように人間が視覚的に認識しやすい表示方法をGUI(Graphical User Interface)といい、テキストだけで画面が表示されるものCUI(Character-based User Interface)として区別されています。GUIはマウス操作、CUIはキーボード操作とも説明することができるでしょう。Windowsは基本的にGUI操作、LinuxはCUI操作という違いもあります。

Linuxを利用するメリット・デメリット

Linuxを利用するメリット・デメリットを説明します。

Linuxを利用するメリット

一番大きなメリットとしては、オープンソースのために費用がかからない点を挙げることができるでしょう。導入コストやランニングコストは企業の支出を増やしてしまうため、Linuxを利用することで経費削減につながります。それ以外のメリットには以下のようなものがあります。

・Linuxを狙ったマルウェア(コンピューターウイルスなど)が少ない

・トラブル時にソースコードの確認ができる

・古くて低スペックの機器でも利用することができる

・カスタマイズができる

Linuxを利用するデメリット

Linuxディストリビューションにはサポートサービスが提供されていないケースがほとんどのため、トラブルが発生した際は自分で対応する必要があります。また、サポートがないためにシステムの導入や運用についての専門知識が必要になり、Windowsに比べるとエンジニアへの依存や負担が増してしまう点もデメリットといえるでしょう。それ以外のデメリットには以下のようなものがあります。

・ディストリビューションによってはアップデートの終了が入る可能性がある

・Linuxを利用した場合、Windows OfficeなどのLinux不対応のソフトウェアが多い(パソコン利用時)

・パソコンの周辺機器が動作しないケースがある(パソコン利用時)

Windowsを利用するメリット・デメリット

Windowsを利用するメリット・デメリットを説明します。

Windowsを利用するメリット

Windowsはパソコンのデファクトスタンダードになっているため、『最初からWindowsの扱いに慣れている』ということが最大のメリットになるかと思います。それ以外には、メーカの公式サポートや情報の多さ、汎用性の高さ、GUIの操作性など、WindowsのパソコンOSとしてのメリットは枚挙にいとまがありません。

そのため、Linuxと比較するためにWindows Serverのメリットを挙げていきたいと思います。Windows Serverのメリットは以下のようなものです。

・社内パソコンの利用制限などを厳格に管理することができる

・パソコンのWindowsのようなサポートサービスがある

・パソコンのWindowsと操作方法が似ているため操作がわかりやすい

・自動設定機能がある

Windowsを利用するデメリット

パソコンとサーバーを問わず、ライセンス料が発生することを最大のデメリットとして挙げることができます。それ以外には、Linuxと比べるとカスタマイズ制が低いので、その点もデメリットに加えることができるでしょう。

それ以外のWindows Serverのデメリットは以下のようなものです。

・自動処理機能が充実しているため、セキュリティ面の設計が甘くなる傾向がある

・Windowsを狙ったマルウェアが多い

・サーバーのソースコードが非公開のため、トラブル時に詳細に調べることができない

エンジニアとしてのスキルアップにはLinuxを覚えよう

Windowsの基本操作については、ほぼすべてのエンジニアができると想像するに難しくなく、わからないことがあってもサポートや自習で十分挽回できるものであると考えられます。そのため、サーバーOSとしてシェアの高いLinuxの知識を身に付けるようにしましょう。

フロントエンドエンジニアの方にとっては重要度は低くなりますが、バックエンドエンジニアの方は何かしらの形でサーバー構築に携わる可能性があるため、Linuxを覚えて損はないでしょう。Linuxのスキルを身に付けることで、対応できる業務範囲の拡大や、企業によっては評価アップにつながることも考えられます。

まとめ

LinuxとWindowsの違いをいろいろとお伝えをしてきました。最後のまとめとしては、Linuxはサーバーでよく利用されるOS、Windowsはパソコンでよく利用されるOSとして大まかにとらえていただき、上述したような歴史や特徴などについて、少しでも認識いただければと思います。この記事が少しでもお役に立てなれば幸いです。

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