フリーランスエンジニアは未経験でもなることができるのか、また仕事を獲得していくための手順や必要なスキルについて解説しています。
現在の職場に不満があり、転職を考えている方もいると思います。もし選択肢の一つとしてフリーランスエンジニアを考えている場合は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
Contents
フリーランスエンジニアは未経験からでも可能
これからフリーランスエンジニアを目指す方にとって、未経験者でも収入をえていくことができるかどうかは、とても気になることだと思います。
結論からいえば、可能です。もちろん簡単なことではありませんが、下記のような理由から未経験者でも仕事を獲得できる可能性はあるのです。
IT人材の需要がある
IT業界は日進月歩です。次々に新しい技術が生まれている一方、それぞれの需要の成長に比べて、人材の供給が追いついていない傾向があります。
人手不足ということは、それだけ新規参入がしやすい環境といえるのです。
知識を身に付けやすい
書籍をはじめ、インターネット上など知識を得られる場が豊富にあります。特にインターネットでは費用のかかるオンラインのスクールだけでなく、無料で公開されている情報もさまざま存在します。
すぐに熟練したエンジニアと肩を並べることができなくとも、簡単な案件をこなす技術程度のスキルであれば、身に着けやすい環境ではないでしょうか。
案件獲得しやすい環境が整ってきている
経済産業省がまとめた『IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果』によると、IT業界のニーズが拡大する一方で、人材の枯渇が予想されています。例えば2030年には最大で79万人の人材が不足すると予想されています。
業界が右肩上がりで発展し、人手不足になっていく状況は、エンジニアにとって案件を獲得しやすい環境が整ってきているといえるでしょう。
また仕事を仲介するエージェントサイトもあり、昔に比べて仕事を得やすい状況になっているといえるでしょう。
フリーランスエンジニアを未経験から目指す手順
実際に未経験者がフリーランスエンジニアを目指す場合、どのような手順を踏まえる必要があるのでしょうか。ぜひ下記を参考に、自分なりの人生設計を組み立ててみてください。
独立の計画を立てる
一般的に退職届は、仕事をやめる1ヵ月前までの提出を求められるケースが多いです。業務の引き継ぎなどもあるので、3ヵ月前あたりから準備をはじめておきましょう。
また、フリーランスは会社員に比べて、クレジットカードやローンの審査が厳しくなる傾向にあります。
クレジットカードがない方、住宅ローンを組む予定がある方は、会社員のうちに済ませておくことをおすすめします。
必要な言語などの知識を身に付ける
退職までの時間に、エンジニアとして最低限必要なスキルを身につけておきましょう。独学で勉強をする場合、書籍のほか、ProgateやドットインストールといったWebサイトも役に立ちます。
プログラミング言語には、OS関連のシステムの組み込みや、Webアプリケーションの制御に関わるC言語、プログラミング言語として人気の高いJava、機械学習やデータサイエンスに向いているPythonなど、さまざまな種類があります。
自分が目指す分野に合わせて習得しておきましょう。
エンジニアに転職する
実務経験ゼロの人間がエンジニアとして仕事を得ることはとても難しいです。そのため、一見遠回りに思えるようでも、まずは会社員のエンジニアになって実績を重ねることをおすすめします。
会社員であれば、実際に働いている先輩エンジニアからアドバイスを受けやすく、後々の案件獲得につながる人脈の構築にも役立ちます。期間ごとに契約を更新していく派遣社員でもよいので、組織に所属してスキルアップに励みましょう。
副業を通して経験を積む
副業が可能な企業であれば、会社員として働きながらより多くの実績を重ねることが可能です。会社員としての安定した給与に、副業の報酬も入れば独立するための資金づくりになります。
クラウドソーシングや知り合いのツテなど頼り、規模の小さな仕事からキャリアを積んでいきましょう。
ポートフォリオを作成する
絶対に必要なものではありませんが、自分自身の能力を端的にまとめた資料・ポートフォリオを作成するのもよい選択肢の一つです。
例えばミュージシャンのオフィシャルホームページのように、自分自身のことを紹介するWebサイトを作れば、実績とスキルを同時に示すことができます。作成の際には、デザインに凝るよりも誰が見てもわかりやすいコードを意識することが重要です。
会社員として参加したプロジェクトや、作成に関わったアプリケーションがあれば、その紹介をメインにしましょう。アプリケーションは実際にどれほどの利用者がいたのか、といった点も伝えると企業への強いアピールとなります。
独立し、小さな案件で実績を積んでいく
ある程度、会社員のエンジニアとして経験とスキルを積み重ねることができれば、いよいよ独立です。
はじめは小さな案件をコツコツとこなし、エンジニアとしての信用を勝ち取るようにしましょう。品質を担保しながら納期をしっかり守ることで、次の仕事にもつながりやすくなります。
また、IT業界は次々と新しい技術が生まれるため、エンジニアとしての需要を高めるために独立後も勉強を続けることをおすすめします。勉強会や交流会に参加すれば、案件につながる人脈構築にも役立つことでしょう。
未経験におすすめのフリーランスエンジニアとは
エンジニアにはさまざまな種類があります。そのなかでも比較的未経験者でも向いているものをご紹介します。
エンジニアの種類とは
エンジニアには下記のようなものがあります。ここではそれぞれの分野ごとに求められるスキルについてまとめてみました。
システムエンジニア | システムの開発を担当する。Java、PHP、Pythonといったプログラミング言語が必要になる。 |
フロントエンドエンジニア | ユーザーが実際に触れるWebページの制作を担当する。HTML、CSS、JavaScriptなどの知識が求められる。 |
プログラマー | システムやアプリケーションを動かすプログラミングをする。必要スキルはPHP、Ruby、C言語など。 |
Webエンジニア | Webページの制作やメンテナンスをおこなう。HTMLやCSS、PHPの他、WordPressに関する知識が重要。 |
アプリケーションエンジニア | 企業の業務システムやスマートフォンのアプリケーションを作る。金融機関や鉄道といったインフラに関わることも。業務のアプリケーションを作る場合には、Java、C、C#などの言語のスキル、スマートフォンのアプリケーション制作には、SwiftやJava、Kotlinが求められる。 |
ソフトウェアエンジニア | アプリケーションの作成のほか、家電製品や自動車の制御システムに関わる。JavaやC、C++などのプログラミング言語、WindowsやmacOS、LinuxといったOSや開発媒体にまつわる知識も必要。 |
AIエンジニア | AIの開発や、AIを使ったデータ解析をおこなう。基本的なプログラミングのスキル、Pythonという言語の習得、AIの分野への知識が必須。 |
Webエンジニアがおすすめ
HTMLやCSS、PHP、WordPressといった、比較的初心者向けのスキルが多いことから、未経験者の場合はWebエンジニアがおすすめです。
まずは指定されたデザインに沿ってソースコードを入力し、Webページを構築していくコーディングからキャリアをはじめてみましょう。
クラウドワークスによると、コーディングの相場は1ページ3万円から、納期は一週間という条件が多いようです。
フリーランスエンジニアを未経験から目指す際の注意点
無事に独り立ちをしたあとでも仕事をしている以上、何かしらの問題は発生してしまうものです。そこで未経験からフリーランスエンジニアになった際、陥りやすい問題をまとめてみました。
実務経験が必要なことが多い
高度な内容を有する案件の場合、全体の流れをコントロールする力、必要となるやりとりに関する理解も重要になってきます。そのため、実務経験を求められる場合が多いです。
実務経験の差は、そのまま仕事に対する知識やスキルに関わってくるため、経験が浅い場合、関われる案件も少なくなってしまいます。
相談できる人を用意しておく
仕事を進めていくなかで、プログラムがうまく作動しないといった不意のトラブルに見舞われるケースもあるかと思います。自己解決ができれば問題はありませんが、どれだけ調べても自分では原因がわからないという状況になることも考えられます。
そういった場合に備え、相談できる人物を見つけておくことをおすすめします。一人では気付けなかった問題の改善につながることはもちろん、案件を受けるべきか否か、今後のキャリアをどうするかといった悩みも解決できるかもしれません。
今はフリーランスエンジニアが集う交流会、スクールなどもあります。フリーランスになる前に転職をして人脈をつくるというやり方もよいでしょう。未経験のフリーランスエンジニアであればこそ、安心のために他人とのつながりを大切にするべきです。
初めのうちは単価の低い案件になることも
実務経験の話にもつながりますが、高額案件は内容が難しく、知識や経験を求められるケースが多いです。残念ながら未経験のフリーランスエンジニアでは応募条件に該当しないこともあります。
そのため、駆け出しのうちは実績不問の案件を引き受けることになるでしょう。こうした案件は求められるスキルが高いものではない一方、単価が低い傾向にあります。しかし、数をこなして実績を積んでいけば、スキルと経験の底上げにつながります。
高額案件につなげるための投資と考え、我慢する時期が続くことも頭の片隅に入れておいてください。
まとめ
エンジニアは需要が高まっている職業です。また、知識やスキルを高める教材に恵まれており、案件の受注につながる環境も整ってきています。簡単な道のりではないにせよ、未経験者でも意欲があればフリーランスとして活躍できる可能性は十分あるといえるでしょう。
「フリーランスエンジニアになりたい!」という方は、しっかりと計画を立て、リスクに備えたうえでぜひ挑戦してみてください。
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