企業の求人に応募する際や、フリーランスとして案件に入る際に、必ず書類選考の過程があります。その際に使用されるのが、スキルシートです。
スキルシートの内容次第で、結果が変わることがあります。
求人であれば、書類選考で落とされるか、落とされないか。案件であれば、よい案件に付けるか、付けないか、単価はいくらになるか、などです。
よい結果につなげるために、スキルシートの書き方やポイントを解説します。
Contents
スキルシートとは
エンジニアとしてのスキルや、そのスキルを使って実際にどのような案件に携わってきたのか、などを記した書類です。
スキルシートがどのように活用されるのか、また、どの程度の重要性があるのか見ていきます。
スキルシートの重要性
スキルシートは、新しい案件を始める前に活用します。クライアントはスキルシートから、自社の求めている人材とマッチするか判断します。スキルシートにある記載内容によっては、求人に応募しても通りづらかったり、高単価の案件を獲得することが難しかったりする場合があります。
そうした判断は、その人がどのような人なのかまだわからない段階でおこなわれるので、スキルシートは非常に重要と言えます。
職務経歴書との違い
スキルシートと良く似た言葉に職務経歴書というものがあります。いずれの場合も、こうしなければならないという決まった形式はありませんが、両者はそれを見て、判断する人に違いがあります。
スキルシートは、主にフリーランスや派遣に使われるもので、これから就こうとする案件の重要なポジションの人が見るものです。現在のプロジェクトにそのプロジェクトに求めているスキルセットを持った人材かを知っており、スキルシートを見て、プロジェクトにふさわしい人物かを判断するのです。そのため、内容はその判断を適切に行える内容であることが求められます。
一方、職務経歴書は、主に転職の際に使われるもので、人事部の採用担当者が見て判断するものです。書類選考の次に待ち構えている面接に向けて、要件を満たしているのか、確認するために用いられます。そのため、内容は会ってみたいと思わせる内容であることが求められます。
スキルシートの基本
スキルシートには決まった形式はありませんが、最低限守るべき事項について解説します。
A4用紙1~2枚にまとめる
書類選考に応募してくる人は一人ではないため、簡潔であることが望ましいです。
人気のある案件ほど、多くの応募者がいるため、一人一人の書類選考にかけられる時間は多くはありません。A4用紙1~2枚程度にまとめることがおすすめです。
箇条書き、体言止めで簡潔に書く
スキルシートは、要件を満たしている必要はありますが、自らをアピールしようとすると無駄な文言が増えがちです。
できるだけ簡潔に伝えるために、箇条書きにするとよいでしょう。文末は体言止めを使用することで、文字数を減らすことができます。
(悪い例)
プログラマーとしてアサインし、既存システムの改修を行いました。
(よい例)
・jQueryを用いたフロント開発
・基本設計書作成
・API機能実装
見やすいレイアウトにする
スキルシートを作成する上で、テンプレートを活用するのは悪くありませんが、テンプレートは作成者の環境と、使用者の環境の違いから表示崩れを起こすことも少なくありません。それをそのまま活用すれば、見にくいレイアウトとなります。
その状態で提出すれば、悪くすれば、読み手への配慮に欠けていると判断され、そのような人物に仕事は任せられない。という評価につながりかねません。
表は決まったフォーマットにし、テキストは文頭や文末を揃え、改行ルールを定めるなど、ちょっとしたことですが、実践することで見やすいレイアウトになります。
レイアウトに決まった形式はありませんが、読む人を考慮した見やすいレイアウトになるよう心がけてください。
誤字脱字に注意する
誤字脱字は、書いた本人からすればその程度のこと、と思うこともあるかもしれませんが、読む人に配慮していないという判断をくだされる可能性があります。
誤字脱字のチェックは、誤字脱字は読み返しをすることで簡単に防げます。それをA4用紙1~2枚程度のチェックを怠るようでは、大文字や小文字、半角スペースなど謝りで動作しなくなるプログラミングで初歩的なミスをしかねないと思われてしまう可能性があります。
誤字脱字にはくれぐれも注意しましょう。
企業名や団体名は伏せる
大きな案件や、有名企業の案件は、それらに携わっていただけで評価が上がるはずだと考えるかもしれません。ですが、業務によっては守秘義務があるため、契約書の内容にしたがって適宜情報を伏せましょう。
(例:大手メーカー、大手アプリ開発企業)
スキルシートに記載する項目
具体的に、スキルシートに記載する項目について解説します。
資格
保有資格があれば、その資格の名称を記載します。普通自動車第一種運転免許などのように正式名称で記載します。エンジニア以外に関する資格を記載してはいけないということはありませんが、エンジニアに関する資格を記載するのが一般的です。
期間
スキルシートには、過去に携わった具体的な案件について記載します。
いつの案件で、どのくらいの期間その案件に携わっていたのかを記載します。
必ず最近の案件が上に、古い案件が下になるように記載してください。
2021年〇月 | ― | 2022年〇月 |
(〇〇ヵ月間) |
規模
過去に携わった案件の規模を記載します。
プロジェクトに参加したエンジニアの人数を書くのが一般的です。
人数 | 〇人 |
業務内容
過去に携わった案件の業務内容を記載します。
企業名や団体名は避け、箇条書き、体言止めで記載可能な部分は記載してください。
大手アプリ開発企業の〇〇〇プロジェクト(概要)××××××××××××××××××× (担当業務)・〇〇設計・〇〇処理・〇〇連携 |
役割
過去に携わった案件における役割を記載します。
リーダー、サブリーダーとして参画したのか、エンジニアとして参画したのか、などです。
役割 | エンジニア |
開発言語・環境
過去に携わった案件で使用したOSや開発言語を記載します。
環境・OS | 言語・FW |
LinuxWindows | JavaHTML5Spring Framework |
スキルシートを書くときのポイント
スキルシートに書くべき内容を決める際のポイントについて解説します。
これまでの業務経験・キャリアをすべて洗い出す
まずは、過去に携わった案件をすべて洗い出します。それらをすべてスキルシートに書く必要はありません。むしろ、スキルシートは簡潔であることが望ましいため、A4用紙1~2枚分の内容に収まるよう、そこから吟味する必要があります。そのためにも、すべてを洗い出す必要があるのです。
- 応募先や案件に合わせて記載する
次に、洗い出した過去の業務経験やキャリアから、応募先や案件に合ったものを選びます。
スキルシートは案件にマッチする人間かどうかを判断するために用いられるからです。
携わったプロジェクトの概要と自分の役割を明記する
選んだ過去の案件が、どのようなプロジェクトだったのか、また何を担当していたのか、について明記します。
使用言語だけが記載されていても、実際どの程度扱えるのかわかりません。そのことがわかるように記載されていることで、ある程度ミスマッチを防げます。そのような記述になるように意識するとよいでしょう。
人間性が伝わるエピソードを記載する
最後に自己PRとして、人間性が伝わるエピソードを記載するとよいでしょう。
プロジェクトは、多数で開発が進められることが多く、現場の人と上手くやっていけるのか、など人間的な部分も重視されます。
チームに溶け込み、チームメイトと上手くやっていけそうだ、という印象を与えることができれば、採用率も高まるでしょう。
まとめ
スキルシートの重要性や書き方について解説してきました。
スキルシートは、エンジニアにとって、自分の現在のスキルやこれまでやってきた案件の履歴を示すものではありますが、それを見て判断する相手がいることを忘れてはなりません。
スキルシート次第で、案件化するかどうかだけでなく、単価にも影響してきます。
この記事を参考に、そのことを意識して、ぜひとも今よりももっとよい案件に出会えるよう、願っています。
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