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CakePHPとは?フレームワークの特徴や開発できるシステムについて

PHPエンジニアの方は、CakePHPやLaravelなどのフレームワークに聞きなじみがあると思います。

この記事ではそれらの特徴に加え、MVCモデルやPHP案件の傾向についても解説しています。ぜひともご確認ください。

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PHPの特徴

PHP (正式名称はHypertext Preprocessor) は、ラスマス・ラードフ氏によってリリースされたオープンソースのスクリプト言語です。 PHPは、主にWebアプリケーションやWebサイト開発に利用され、HTML に埋め込むことで動的Webページを作成することができます。それ以外のPHPの特徴は以下のものになります。

 

・文法が簡単で、習得難易度が低い。

・Oracle社が、リリースしているオープンソースのリレーショナルデータベース管理システム『MySQL』との連携が容易。

・Webサイトを簡単に作成できるWordPressなどのCMS(Contents Management System)が、PHPで作られている。

 

また、PHPはWebサイト向けのバックエンド開発で、世界で一番使われているプログラミング言語になっているため、弊社TechReachでも案件数が豊富にある状態です。

主要プログラミング言語の弊社案件数を比較(以降の情報もすべて、2022年9月現在のもの)

 

順位プログラミング言語案件数
1位Java1168件
2位JavaScript621件
3位PHP580件
4位C#377件
5位Python353件
6位TypeScript224件
7位Kotlin151件
8位Swift138件
9位Ruby118件
9位GO言語118件
9位C++118件
12位C言語101件
13位Objective-C38件

 

PHPは、1995年にリリースされバックエンド開発で利用され続けた結果、プログラミング言語としての欠点が改善され続けてきたので、安定して利用することができます。そのようなプログラミング言語やIT技術のことをエンジニア業界では『枯れた技術』などといい、褒め言葉として扱われています。習得難易度の低さに加え情報もふんだんにあるため、プログラミングを初めておこなう方にもおすすめできる言語です。

また、Pythonと比較をして、PHPについてより詳しく解説をしている記事もありますので、こちらも参考にしてください。

 

関連記事:PHPとPythonの違いとは?特徴や習得難易度について解説

出典:Webサイトのサーバー側プログラミング言語の使用統計における過去の年間傾向

CakePHPとは

PHPのフレームワークであるCakePHPについて解説をしていきます。

PHP言語のフレームワークの一種

フレームワークとは、Webアプリケーションなどを効率的に開発するための枠組みのことをいい、CakePHPはオープンソースのため無料で利用することができます。

CakePHPの主な特徴は、MVCモデル(MVCアーキテクチャともいう)とbake機能です。MVCモデルとは、開発するシステムをModel(モデル)、View(ビュー)、Controller(コントローラー)に分けることで分業開発を可能にし、役割ごとに管理をすることで柔軟性や効率性を上げるシステム開発の概念です。CakePHPをはじめとして、他言語のフレームワークでも多く採用されています。

bakeとは、MVCモデルに関係する対話型インターフェースで、『ケーキを焼くように簡単に開発ができる』機能です。bakeの質問に答えるだけで、データベース管理システムに必要なCRUD(Create|データの生成、Read|読み込み、Update|更新、Delete|削除)やMVCに対応するファイルを自動作成してくれるため、基本的なソースコードの記述をすることなく開発が可能です。

また、CakePHPは、日本企業での利用実績が豊富なため情報も多く、その点においても利用しやすいフレームワークであるといえるでしょう。

開発効率の向上を考慮した仕様

CakePHPは、RubyのRuby on Railsというフレームワークを参考に作られたため、『設定より規約』(CoC|Convention over Configuration)という設計思想を採用しています。

設定より規約とは、システム開発に必要な設定を自分で記述するのではなく、用意されている規約に沿った記述をすることで簡単に開発ができる、という考え方です。これにより、設定ファイルなどの記述の手間が省け、素早い開発が可能になります。また、PHPと同じくCakePHPも習得難易度が低いといわれているため、初心者でも馴染みやすいフレームワークであるといえるでしょう。

CakePHPは、『設定より規約』の『規約』が厳しくなっているため、複数の開発者がいる場合でも記述の統一性を保つことに向いています。しかしながら、規約が厳しいことは自由度のなさにつながり、機能拡張などの柔軟な対応がしづらいという欠点もあります。そのような特徴に加えて、CakePHPは処理速度が少し遅くなっているため大規模開発にはあまり向いておらず、小〜中規模の開発に向いています。

その他の効率的な開発をするための機能としては、テキストボックスやラジオボタンなどのフォームを簡単に作成できる『フォームヘルパー』、ライブラリの依存関係を管理する『Composer』への対応、入力されたデータがルールに沿っているかチェックをする『バリテーション』などがあります。

Laravelの次に人気が高い

2005年にリリースされたCakePHPは、その利便性の高さから多くの企業で利用されてきました。弊社TechReachのCakePHPの案件数は32件(2022年9月現在)となっており、現在でも需要のあるフレームワークのひとつです。

しかしながら、2011年にリリースされたLaravelというフレームワークの登場で、CakePHPの利用頻度は下がってきています。Laravelは、開発できるシステムがCakePHPとあまり変わらないにも関わらず、カスタマイズ性が高くなっているため、利用される機会が増加していきました。現在では、PHPフレームワークのデファクトスタンダード(業界標準)はLaravelであるという見方が多くなっています。

Googleトレンドで2006年8月〜2022年8月までの検索数を比較

Googleトレンドとデファクトスタンダードの意見を裏付けるかのように、弊社のCakePHP案件32件と比べ、Laravel案件は326件もあり、約10倍も需要の差がある状態です。そのため、新しくPHPのフレームワークを習得する場合は、Laravelのほうが効率良く案件探しができるでしょう。

CakePHPとLaravelに採用されているMVCモデルについて

PHPの人気フレームワークであるCakePHPとLaravelは、MVCモデルを採用しています。この項では、先述したMVCモデルの、M(モデル)、V(ビュー)、C(コントローラー)の役割や処理の流れの概略を説明します。

Model、View、Controllerの役割

まず最初に、Model、View、Controllerの役割を説明します。

  • Model(モデル)

コントローラーからの指示に基づいて、データベースとのやりとりをおこなう部分です。データベースから必要な情報の取り出しや処理をおこない、データベースに情報を登録・変更したり、コントローラーに情報を送り返したりします。モデルはあくまでデータベースとやりとりをする部分になっているため、モデル≠データベースとなり、両者は別物になっています。モデル=データベースと混同しやすいので注意をしましょう。

  • View(ビュー)

WebサイトやWebアプリケーションで、ユーザーが目にする部分をビューといいます。ビューの部分では、Webページを表示させるために必要なデータをHTMLへ入れ込んだり、アイコンなどをクリックした際に、Webページのリンク先でコントローラーがおこなう処理を決める『ルーティング』の入り口になったりする役割を担います。

  • Controller(コントローラー)

モデルとビューの引き渡しをおこないます。ビューから受け取った情報をモデルに渡し、モデルから受け取った情報をビューに渡します。ビューで説明したように、ユーザーの操作などでどのような処理をするかを決める『ルーティングの中核を担う部分』であり、MVCモデルの制御をおこなっています。

MVCモデルの処理の流れとメリット・デメリット

MVCモデルでは、ユーザーがWebサイトやWebアプリケーションに訪問した際に、基本的には『ビュー⇄コントローラー⇄モデル』といった処理の流れをおこないます。上述したような関係性を持つことにより、機能ごとの開発がしやすくなるとともに、トラブル発生時にも対処しやすいといったメリットがあります。

MVCモデルのデメリットとしては、M、V、Cの機能をしっかりと分けて開発をしないといけない点や、小規模システムではMVCモデルを採用することでかえって工数が増えてしまう可能性がある点、コントローラーとモデルの機能を増やし過ぎると、それぞれの独立性を保てなくなってしまう可能性がある点を挙げることができます。

CakePHPを用いた開発案件について

弊社TechReachの案件では、ECサイトや証券、不動産など、多岐にわたる業務システム開発の案件が多くなっています。これらの案件は、PHPの領域であるWebサイトやWebアプリケーションのバックエンド開発やシステム開発に加えて、フロントエンド開発のスキルを求めているものもあります。

そのため、CakePHPに限らずいえることではありますが、PHPを扱うエンジニアはフロントエンド開発のHTML、CSS、JavaScriptのスキルを持っていたほうが、案件を獲得しやすい状態にあるといえるでしょう。

フレームワークを習得して業務の幅を広げよう

PHPはフロントエンド開発のスキルとともに、フレームワークのスキルを求める案件が多いことも特徴のひとつとして挙げられます。

実際に、PHPの弊社全体案件数580件に対し、Laravelが326件、CakePHPが32件、今回紹介ができていない他のPHPフレームワークでは、Symfonyが29件、CodeIgniterが10件、Phalconが5件(2022年9月現在)と、PHPは言語のスキルに加えてフレームワークのスキルを問われる案件が多くある状態です。

そのため、安定してPHP案件を受注するためには、PHPのフレームワークを習得しておく必要があるでしょう。これからPHPフレームワークを身につけようと思っている方は、案件数の多さからLaravelをおすすめします。

また、SymfonyやCodeIgniter、PhalconなどのPHPフレームワークについて説明をしている記事もありますので、こちらもぜひご確認ください。

 

関連記事:PHP言語のフレームワークはこの5つを押さえよう【2022年版】

まとめ

この記事ではPHPの特徴に始まり、CakePHPについての解説やMVCモデル、案件の傾向についてもご説明させていただきました。今回のポイントは以下の3点となっています。

 

①PHPは、Webサイト向けのバックエンド開発で世界で一番利用されているプログラム言語であり、案件も豊富にある。

②CakePHPは、Laravelについで人気のあるPHPフレームワークで、MVCモデルやbakeといった開発効率を上げる機能がある。

③PHPは、フロントエンド開発のスキルとフレームワークのスキルが求められがちなプログラミング言語である。

 

今回の記事では少なくとも、以上の3点をお覚えいただければ幸いです。また、PHPそのものに加え、CakePHP、Laravelは習得難易度が低いといわれています。これらのスキルを未習得の方は、学習を進めて使いこなせるようにしていきましょう。

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