フリーランスとして、VBAエンジニアの道を探している皆さん、仕事内容や案件の種類を、どれほど把握していますか?
本記事では、フリーランスとして活躍するVBAエンジニアの実際の仕事内容から、案件の種類、案件の獲得方法、重要なスキル、そして年収まで詳しく解説しています。
基幹システム開発からデータのリスト化・グラフ化まで、幅広い案件から、あなたにぴったりの案件を見つけるための手がかりを提供します。
Contents
VBAでフリーランスエンジニアになれる?
VBAエンジニアとしてフリーランスになることは、難易度が高いと言われている理由は、案件をこなしていけるためのスキルと知識を身につけ、フリーランスとして生活していけるだけの案件を獲得できるための実務経験が必要だからです。
まずは、未経験でも受け入れてくれる会社でVBAエンジニアとして働き、スキルを習得し、実務経験を積むのが、効率的なアプローチです。
そして、3年以上の実務経験を積み、フリーランスとしての実力を身につけたら、副業としてフリーランス案件に挑戦し、独立に向けた準備を進めることがおすすめです。
経験を積む過程で、自身のスキルを客観的に証明するための資格取得も視野に入れてみてください。
フリーランスVBAエンジニアの将来性
VBAエンジニアの将来性を考えるとき、日本国内では、業務効率化を図ろうとする企業が増えている現状をふまえると、VBAエンジニアの需要は、一定の範囲で保たれていると予想されます。
VBAが対象とするMicrosoft Officeは、多くの企業で使用され、圧倒的なシェアがあります。同時に、Windowsはデスクトップ向けパソコンの7割で採用されているため、企業での利用は、今後も続くと考えられます。なぜなら、多くの企業は、過去にMicrosoft Officeで作成した文書ファイルを抱えており、必要不可欠となっているからです。
しかし、将来性を考える際に無視できないのが、VBA自体が、約20年ほどアップデートが停止している事実です。新たなニーズへの対応が難しくなるとともに、他の言語や、新たなサービスに置き換えられてしまう可能性も出てきます。よって、VBAエンジニアとしての将来性は揺らいでいますが、新たな技術に対応できる柔軟性を保つことで、確実にあなたの将来性を広げていくことができるでしょう。
フリーランスVBAエンジニアの仕事内容
VBAエンジニアとは、VBA(Visual Basic for Applications)と呼ばれるプログラミング言語を使用して、主にMicrosoft Office(マイクロソフト オフィス)を自動化するためのマクロを作成し、業務効率化を図る専門家のことを指します。具体的な業務内容は、以下のようなものがあります。
・データの自動可視化
まず、データのリスト化や、グラフ化に関する業務が挙げられます。顧客リストの作成や、データの可視化などの作業を自動化し、結果を別のシートにまとめることが求められます。VBAを活用すれば、一貫したフォーマットの表や、グラフを瞬時に作成できるようになります。
・印刷作業の自動化
次に、印刷作業の自動化です。Excelは、印刷用にもよく使われるソフトウェアですが、手作業での入力や、フォーマット設定は時間がかかる作業です。VBAの力を借りれば、指定のフォーマットに合わせて、PDFファイルを生成したり、一括で印刷したりできます。
・データの計算処理
また、データの計算処理も、VBAエンジニアの業務として重要です。給与計算や、社会保険料の計算など、Excel VBAを使用すれば自動化が可能なため、経理関連の業務が、大幅に効率化されるとともに、ミスの発生率も低減します。
・スクレイピング、アプリケーション連携
さらに、WEBサイトからの情報取得(スクレイピング)や、在庫管理ツールの開発、WEBシステムとの連携なども、VBAエンジニアの業務範囲となります。
スクレイピングは、特定の商品の価格やマンションの情報、株価などを自動的に収集・解析する能力が求められます。
WEBシステムとの連携では、ExcelとWEBシステムの間でデータを送受信し、ルールにしたがって書き込んでいく処理を、VBAで作成します。
スクレイピングでは、特定の商品の価格や、マンションの情報、株価などを自動的に収集・解析する能力が求められます。
・在庫管理ツールの開発
在庫管理ツールの開発では、商品の入出庫処理の自動化や、在庫一覧の表示などをVBAで実現します。
フリーランスのVBAエンジニアには、以上に挙げた具体的な業務を通じて、クライアント企業の業務効率化を実現するスキルが求めらるため、VBAだけでなく、PythonやJavaなど、他のプログラミング言語、または、クラウドやRPAに関する知識も持ち合わせていると、より多くの案件に対応が可能となります。
VBAエンジニアの平均年収
VBAエンジニアの平均年収を、ワークスタイル別にご紹介します。
すべての働き方で共通するのは、VBAエンジニアとしての経験とスキルが、年収に大きく影響します。未経験から始める場合や、まだ経験が浅い場合は、まずは企業で実務経験を積み、実績と技術力を身につけるのが望ましいでしょう。また、高収入を目指す方は、他のプログラミング言語や、データベース、RPAなどの知識・スキルを身につけるのも有効です。
フリーランスの場合
フリーランスとしてVBAエンジニアの活動をおこなっている場合、平均年収は、一般的な会社員よりも高く、700万円程度と言われています。
理由としては、フリーランスは、自由に働く時間を選べるため、多く働いた分だけ収入が増えるメリットを活用しているからです。また、自身のスキルや経験を活かし、高額な報酬が得られる案件を選ぶことも可能です。
ただし、年収には幅があり、経験年数や、スキルレベルにより大きく変動します。例えば、実務経験が1年程度の未経験者の場合、年収が400万円以下となるケースも見受けられます。
フリーランスのVBA案件では、経験を重視する場合が多く、実務経験とスキルが不足していると、高額な案件を受注するのが難しいためです。しかし、一方で、十分な経験と高いスキルを持つエンジニアであれば、平均以上の年収を得られます。
正社員の場合
正社員としてVBAエンジニアの業務をおこなっている場合、年収の平均は、400万円から500万円が相場となります。
正社員はフリーランスと違い、一定の給与が保証される一方で、自由に労働時間を選べない制約があるためです。
派遣の場合
派遣で働くVBAエンジニアの場合、時給は、約1,400円からとなります。週5日8時間働くと仮定すると、月収22万円以上、年収268万円以上が見込めます。ただし、派遣の場合は、仕事の量や期間が不確定な点、自社の業績に左右されやすい点など、注意が必要です。
フリーランスVBAエンジニアの案件の種類
フリーランスVBAエンジニアとして働く場合、さまざまな案件に出会うことがあります。主には、基幹システムの開発、データベースの作業効率化、データのリスト化や、グラフ化などがありますが、それぞれの案件は異なるスキルや経験が求められます。以下で、典型的な案件の内容を見ていきましょう。
基幹システムの開発
VBAエンジニアの仕事の一つとして、基幹システムの開発があります。主に、クライアントの要件をヒアリングし、Excelや、AccessなどのOfficeソフトウェアを業務に合わせてカスタマイズする業務です。
具体的には、必要な機能の追加や、既存システムの改修、バグ修正が主な業務となります。業務システムの開発や、メンテナンスには、ハイレベルなプログラミングスキルとビジネススキルが求められ、クライアントのビジネスを理解し、ニーズに応えるシステムを開発する能力が重要となります。
データベースの作業効率化
データベースの作業効率化も重要な案件の一つです。
クライアントの希望に添ってデータベースの入出力や、集計・分析タスクを自動化・効率化するVBAのプログラミングをおこなったり、データベースのフォームを作成して、入力や編集を直感的に操作可能にして、業務効率化・作業時間短縮、ミスの軽減などをおこないます。
案件を成功させるためには、データベースの知識とVBAの実装スキルが必要であり、またクライアントの業務フローを理解し、業務のオペレーションに合わせた最適な解決策を提案できる能力も求められます。
データのリスト化・グラフ化
データのリスト化やグラフ化も、VBAエンジニアの仕事です。
主に、Excel VBAを使って、膨大なデータを一覧表に整理したり、視覚的に理解しやすいグラフに変換したりする作業です。
例えば、市場調査の結果を集計してグラフ化する、顧客リストを一覧表にする、請求書や、領収書の情報をPDFからExcelに転記するなどの案件があります。グラフ化の案件を遂行するためには、Excel VBAの使い方とデータ分析の基本的な知識が必要となります。
フリーランスVBAエンジニアを目指す方法
フリーランスのVBAエンジニアとして活動するためには、いくつかのステップを踏んでスキルや、経験を積む必要があります。具体的には、実務経験を積む、他言語のスキルを組み合わせる、そして、ポートフォリオを作成する、などが挙げられます。それぞれのステップを詳しく見ていきましょう。
実務経験を積む
最初に取り組むべきは、VBAの実務経験を積むことです。VBAはExcelやAccessなどのオフィスソフトに組み込まれているプログラミング言語であり、Officeソフトウェアを効率的に操作するためのスキルを身につけることが重要です。
また、実務経験があると、クライアントはあなたに仕事を任せる際に信頼感を持つことができます。VBAの実務経験があれば、積極的にアピールしましょう。「どのような業務をしてきたのか」「何年ほど経験があるか」など、経験やスキルを明確に示すことが求められます。
他言語のスキルを組み合わせる
VBAだけでなく、他のプログラミング言語のスキルも組み合わせると、より多くの案件に対応でき、自分の市場価値を高めることができます。
例えば、同様の目的で使用されるGoogle Apps Script(GAS)や、Python、統計分析に使われるR言語などのデータ分析言語、SQLなどのデータベース言語を習得しておくと、データ分析や、データベース管理を含む広範な案件に対応できるようになります。また、WEB開発の知識があれば、ExcelやAccessのデータをWEBアプリケーションと連携させるなど、より高度な案件にも対応できます。
他に、近年注目されているMicrosoft Power Automateや、UIPathなどのRPAツールを習得し、オフィスソフトと組み合わせることでも、企業の業務効率化に貢献できます。
ポートフォリオを作成する
重要な取り組みとして、ポートフォリオの作成があります。ポートフォリオは、自分が持っているスキルや、経験を具体的に示すものであり、クライアントに自分を選ぶ理由を示す大切なツールです。
自分が、過去にどのようなプロジェクトをおこない、どのような結果を達成したのかを具体的に示すことで、クライアントは、あなたのスキルや経験を理解し、あなたに対する信頼が深まります。
資格を取得する
VBAを使いこなすスキルを証明できる資格に『VBAエキスパート』があります。資格を取得することで、転職や給料の査定などにも有利に働きます。
関連記事:VBA(Excel・Access)の資格一覧|おすすめの勉強方法とは?
VBA案件を獲得する方法
フリーランスのVBAエンジニアにとって、案件を獲得する活動は、生活を支える基盤となります。VBAエンジニアとしての技術力だけでなく、案件を探すためのノウハウも重要です。以下では、VBA案件を獲得するための3つの方法を紹介します。
知人に紹介してもらう
知人から案件を紹介してもらう方法は、好条件となることが多く、落選する恐れも少ないため積極的におこなっていきたい方法です。
リファラル採用とも呼ばれ、仕事が終了したあとも、長期的な関係を築くことができます。また、報酬全額を受け取ることができるため、収入面でもメリットがあります。
ただし、知人から紹介してもらう場合、紹介者を通じて高い信頼を寄せられるため、一貫した技術力と、良好な人間関係の構築が必要となります。また、自分の技術力を高めるために、継続的な学習や、実績作りが求められます。勉強会や、イベントに積極的に参加し、同業界の知り合いを増やすことも重要です。
フリーランスエージェントを活用する
フリーランスエージェントは、案件を紹介し、クライアントとの契約条件交渉をおこなってくれるサービスです。将来のキャリアプランや、契約面でのサポートを提供してくれるので、フリーランスは仕事に集中できます。
エージェントは、多くの案件を扱っており、求職者のスキルに合った案件を提案してくれるのが特徴です。また、一部のエージェントでは、フリーランスとしての収入が途切れないように、サポートしてくれるサービスもあります。
弊社テックリーチでもVBA案件の紹介をしています。お気軽にご相談ください。
クラウドソーシングサービスを活用する
クラウドソーシングサービスは、インターネット上で仕事を探すことができるサービスです。ランサーズや、クラウドワークスなどがあり、規模の小さな案件から大規模な案件まで、さまざまな仕事を見つけることができます。
クラウドソーシングサービスを利用すると、自分のペースで仕事を探すことができ、空き時間を有効に活用可能です。
しかし、インターネット上だけで簡単に応募できるため、競争が激しく、案件の報酬は比較的低めであり、また、案件の質や、クライアントの対応に、ばらつきがあることも、覚えておく必要があります。
参考:VBAフリーランス案件
以下では、弊社テックリーチの取り扱いVBA案件から、いくつかの具体例をご紹介します。
高単価のフリーランスVBA案件(金融機関)
案件名 | 常駐|【Java】リスク管理システム構築支援(システムエンジニア(SE)) |
想定月収 | ~750,000円 |
業界 | 金融 |
職務内容 | 大手金融機関リスク管理システムの構築における詳細設計/開発/単体テストをご対応いただくメンバー募集です。 |
勤務地 | 東京都虎ノ門駅 |
求めるスキル | ・Java8での開発経験(詳細設計以降)・Springでの開発経験・MySQLのご経験・EUCなど、VBAを使った開発を行った経験 |
本件は、金融機関のシステム構築にて、設計・開発・テストを担当する案件です。
VBA以外に、Javaでの開発、Springフレームワークの経験、MySQLのスキルが求められ常駐型となりますが、比較的高単価の案件です。
フルリモートのVBAフリーランス案件(Webサービス)
案件名 | 【VB.NET】RPA自動化開発案件(システムエンジニア(SE)) |
想定月収 | ~600,000円 |
業界 | Webサービス |
職務内容 | ■案件概要 : ・業務の自動化の開発実装、運用保守を実施 ・要件定義をもとに一連の作業を実施工程:基本設計~詳細設計開発テスト仕様書の作成+テスト実施~リリース ・各種資料の作成(設計書、テスト仕様書、運用マニュアルなど) ・実装後RPAの保守・エラー、障害発生時の調査や改修・実装後ロボの運用サポート(ロボの運用を担当している現場からの問い合わせ対応など) ■環境 :RPAツール:UiPath(VB.netの記述あり)環境 :WindowsOS環境 ■担当工程 :RPAツール(UIPath)での業務自動化の実装メンバーポジション(開発者)となります。 |
勤務地 | フルリモート |
求めるスキル | ・開発経験3年以上・VB.net実務経験の経験(目安2年以上) |
本件は、業務自動化をRPAツールで実装する開発メンバー募集の案件です。
特定のRPAツールと、VB.netのスキルが必要となりますが、フルリモートで働ける案件です。
まとめ
フリーランスVBAエンジニアの案件と仕事内容を詳しく見てきました。
- フリーランスのVBAエンジニアの仕事内容は多岐にわたる。
- フリーランスの年収は、正社員や派遣と比較して高額になる可能性がある。
- 実務経験の積み重ね、他言語スキルの組み合わせ、ポートフォリオ作成がキャリア形成に必要。
- 案件獲得方法は、フリーランスエージェントの利用・クラウドソーシングの利用・知人の紹介などがある。
VBAは、多くの企業で利用されているMicrosoft Officeと相性が良く、業務効率化に役立つ言語ですが、比較的レガシーな言語となっており、業務との相性がよい他のプログラミング言語や、RPAツールなどのスキルセットを習得していくことで、より幅広い案件に対応できます。
VBAは、多くの書籍や、WEBebサイトで入門できます。まずは、身近な業務からVBAを実際に応用してみてはいかがでしょうか。
フリーランスの案件をお探しの方はTechReachにご相談ください。
TechReachを運営する株式会社アールストーンはIT・Web業界特化で15年以上の実績がございます。
そのため、高単価・高品質な数多くの案件紹介が可能です。
また一人のコンサルタントが企業と求職者様の担当を行う「両面型エージェント」を採用しているため、あなたの希望に合う案件がきっと見つかるはずです。
TechReachを活用して、理想の案件を見つけましょう!