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そもそもフリーランスと起業はどう違う?定義とメリット・デメリットをわかりやすく解説

「フリーランスと起業ってなにが違うの?」

フリーランスという言葉が普及して、起業という言葉との違いがよくわからなくなっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。この記事では、フリーランスと起業の違いに加え、独立、創業、開業との違いについても解説しています。また、フリーランスと法人設立のメリット・デメリットについても記載をしているので、これからフリーランスになる方も、法人設立を検討している方も、知っておきたい情報になるかと思います。ぜひとも最後までご一読ください。

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フリーランスと起業の違いとは

「フリーランス」と「起業」の違いや、起業と似たような意味で使われている「独立」「創業」「開業」といった言葉についての解説をします。

フリーランス

フリーランスとは、企業などの組織に属さずに報酬を得ている働き方を指す言葉です。しかし、令和3年3月26日に内閣官房、公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省が作成した「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」では、フリーランスは以下のように定義されています。

実店舗がなく、雇人もいない自営業主や一人社長であって、自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者

 

出典:フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン(P2、P31)

 

上記出典ではこのように定義されていますが、こちらの資料においても「フリーランスとは法令上の用語ではなく定義もさまざまである」と説明されています。加えて、政府やフリーランス系の調査資料では、企業などに所属しながら「会社以外の取引先と自分で契約を結び、報酬を得ている方」をフリーランスとして扱っているものも存在します。

つまり、ガイドラインのような定義でフリーランスを語ることもあれば、副業としての働き方でフリーランスを語ることもあるというわけです。そのため、フリーランスという言葉は使われる文脈によって定義されるものが異なると覚えておきましょう。

また、フリーランスと個人事業主の違いは開業届を税務署に提出しているか否かです。こちらについては関連記事まとめていますので、気になった方はぜひともご確認ください。

 

関連記事:フリーランスと個人事業主の違いとは?開業届の有無やメリットデメリットについて解説

起業

起業とは、「新しく事業を始めること」を指す言葉です。また、起業の「起」は「おきあがる、立つ、活動を始める」という意味の漢字で、「業」は「苦労して成し遂げる事柄、生活のためにおこなう仕事」という意味の漢字です。

一般的に、起業という言葉は法人の設立で多く利用される傾向があり、「フリーランスとして起業する」などという言葉はあまり耳馴染みがないかと思います。しかし、起業という単語を辞書からの意味で考えると、フリーランスとして事業を始めた方も【新しく事業を始めること】になるため、「フリーランスとして起業する」という言葉は間違いではないでしょう。

また、経済産業省が管轄する中小起業庁が公開した「2020年版「中小企業白書」 第1部第3章第3節 多様な起業の実態」という公式WEBページには、起業家の分類として「フリーランス起業家」や「副業起業家」という分け方がされています。

 

 

出典:2020年版「中小企業白書」 第1部第3章第3節 多様な起業の実態

 

加えて、日本政策金融公庫が公開している「2021年度 起業と起業意識に関する調査」でも、事業に充てる時間に応じて「起業家」と「パートタイム起業家」という区分をしたり、「起業家の働き方がフリーランスや副業起業などと多様化している」といった趣旨の説明がされています。

 

 

出典:「2021年度起業と起業意識に関する調査」(著者一部編集)

 

これらの政府関係資料の説明から、起業とは「法人や個人事業主を問わず、新しく事業を始めること」と解釈できます。フリーランスが自分の事業を始める際は、「フリーランスとして独立する」「フリーランスとして開業する」といった言葉のほうが耳馴染みがありますが、「フリーランスとして起業する」という言葉も問題はないでしょう。

加えて、「副業起業家」や「パートタイム起業家」という言葉から、企業に所属しているか否かは関係なく、「新しく事業を始めた方を起業家という区分に当てはめている」ことがわかります。そのため、フリーランスの事業が副業としての位置付けの方も「起業している」と説明することができるでしょう。起業は法人設立のことを指すことが多い言葉ですが、法人以外で新しく事業を始めることにも使えるものだと認識しておきましょう。

「フリーランス」と「起業」の違いとしては、「フリーランス」は名詞や修飾語として利用されますが、動詞としては使えない言葉です(フリーランスをする、フリーランスをした等のように、動詞にすることができません)。それに対して「起業」は名詞や修飾語として使えることに加え、動詞としても使えます(起業する、起業した等)。

フリーランスと起業は品詞が異なっているので、同列のものとして説明するものではないかと思います。そのため、「フリーランスは働き方を指す言葉で、使うシーンによって意味が異なるもの」、【起業は新しい事業を始めることを指す言葉で、起業にもいろいろな形態があるもの】などと認識してよいのではないでしょうか。

起業・独立・創業・開業の違い

独立、創業、開業についての言葉の意味は以下のとおりです。

 

・独立……他のものから離れていること、自分の力で生活や事業を営むこと、束縛や支配を受けずに行動すること

・創業……事業をはじめること、新しい会社や店を興すこと

・開業……新しく事業や商売をはじめること、事業や商売をしていること

・独立について

 

「独立」は、ビジネスの場合、会社などの組織から離れて事業をはじめることを指す場合が多く、フリーランスや会社の設立を問わず利用されている印象があります。しかし、大学生起業家など、会社に所属をしていない方(あるいはしたことがない方)が「独立した」というと違和感があると思います。これは、大学生起業家などは会社などに所属をして働いていたわけではないので、独立という言葉の意味にある「束縛や支配を受けない」という部分が「働く」という行為に対して影響が少ないためだと考えられます。

 

・創業について

「創業」は、起業とほぼ同じ意味を持つ言葉になるかと思います。起業と同じように「業」という漢字が入り、「業を創る」という意味になるため、「業を起こす」という意味の起業と同じようなニュアンスを受けるのではないでしょうか。しかし、事業を興したタイミングを表現する場合、「起業10年」などとは言わず、「創業10年」あるいは「開業10年」と表すほうが多いかと思います。

これはあくまで筆者の推測になりますが、「創る」や「開く」いう言葉は、「創業や開業の時点(過去)から今まで創り続けている、開き続けている」というイメージを持てますが、起きるという言葉は「過去に起きて今も起き続けている」というイメージは持ちにくいかと思います。

起きるという行為は、他の行動に移すための中間点であることが多く、起きるという行為のあとに「歩く」や「走る」「持つ」「蹴る」などの動きにつながるイメージがあると思います。それに対して、創るや開くは「起きる」のように行動に移すための中間点のようなイメージはありません。そのため、「起業10年」という言葉ではなく、行為が継続されているイメージを持ちやすい「創業10年」「開業10年」のような言葉が利用されているのではないかと考えられます。

 

・開業について

「開業」も、「業を開く」という意味であるため、起業とほぼ同じ言葉になるかと思います。しかし、開業はフリーランスのような個人事業主に用いられるケースが多くなっています。実際に、個人事業主になるためには「開業届」を税務署に提出しますので、開業届から引っ張られているイメージが強いかと思います。加えて、「お店を開く」という言葉がありますが、お店という言葉の規模感は小規模事業者に相当すると考えられ、日本の小規模事業者は個人事業主のほうが割合が多くなっています。

 

 

出典:2 個人事業者と法人|経済産業省

 

上記は平成24年(2012年)公開の少し古い資料となりますが、その間に個人事業主が事業をはじめる際に用いられる「開業する」の意味が変遷することは考えづらいでしょう。

「開業届」の存在と「お店を開いている方」は個人事業主のほうが多いので、開業と聞くと法人ではなく個人事業主を思い浮かべるのではないでしょうか。

フリーランス、起業家の人口

クラウドソーシングサービスを展開しているランサーズが2021年11月12日に公開した「新・フリーランス実態調査 2021-2022年版」によると、副業を含む広義のフリーランス人口は1,577万人にのぼることがわかりました。また、同調査からコロナ禍以降、フリーランスが増加したことがわかります。

 

 

出典:『新・フリーランス実態調査 2021-2022年版』

 

フリーランスと起業について説明をした前項から、フリーランスや起業を広義でとらえた場合、ランサーズの上記資料のフリーランス人口1,577万人をフリーランスや起業家としての人口と考えても問題はないでしょう。

しかし、「起業」は法人を設立しているという意味で用いられることが多いので、法人として起業している人口も気になるところだと思います。新しく法人を起こした人数についての資料は見つけられませんでしたが、日本の企業数についての調査をしている資料は存在しました。

総務省と経済産業省が2023年6月27日に公開した「令和3年経済センサス‐活動調査

産業横断的集計「事業所に関する集計・企業等に関する集計」結果の要約」によると、日本の企業数は368万4049になるようです。

 

 

出典:令和3年経済センサス‐活動調査 産業横断的集計「事業所に関する集計・企業等に関する集計」結果の要約(著者一部編集)

 

この資料での「企業」とは、事業や活動をおこなう法人と個人経営の事業所のことを指しています。また、企業が一つ存在するということは、「法人や事業所として起業をした方=起業家」がどの企業にも1人はいることになるかと思います。

これらを踏まえ、ランサーズのフリーランス全体数1,577万人と計算をすると、フリーランス全体の約1,200万人は法人や事業所を構えていない、広義の意味での起業をした方になると考えることができるのではないでしょうか。

 

1,577万人【ランサーズ調査の広義のフリーランス(専業、副業を問わず、何かしらの事業をしている方)の人数】− 368万4,049企業【政府調査の法人や個人経営の事業所の数】=約1,200万人

 

同じ団体が同じ条件で調査をしたものではないため、具体的に決定づけることはできませんが、フリーランスおよび広義の起業家は1,577万人前後、法人や個人経営の事業所として起業している狭義の起業家は368万4049人前後といえるのではないでしょうか。また、上記の方法で計算をすると、広義でとらえた起業をしている方(約1,200万人)の割合は広義と狭義を含む起業家全体(1,577万人)の約76%、狭義でとらえた起業をしている方(368万4,049人)は約24%となります。

フリーランスになるメリットとデメリット

この項目では、フリーランスと起業についての違いを解説します。しかし、ここまで説明をしてきたように、両者は明確に区別できるものではありません。そこで以下からは、「フリーランス」は副業を含む【広義の意味でのフリーランス】とし、「起業」については一般的によく用いられる【法人を設立すること】と定義づけて説明をしていきます。

メリット

フリーランスのメリットを3つお伝えします。

時間や場所を選ばずに働ける

フリーランスが結ぶ契約にもよりますが、基本的にフリーランスは時間や場所を選ばずに働くことができます。BtoBの事業形態を採っているフリーランスは、仕事(業務)の遂行を任される「委任契約」か「準委任契約」、あるいは、成果物の完成について責任を負う「請負契約」のどちらかで契約をします。

これらの契約には、依頼主(クライアント)が業務の方法などを命令する「指揮命令権」がないため、フリーランスは自分の好きな時間や場所で働けます(また、BtoCの業務形態であれば、自分が消費者と直接やり取りをすることになるため、働く時間と場所は自分で選択することになります)。

フリーランスの業務形態については、関連記事で詳細に解説しています。よろしければこちらもご確認ください。

 

関連記事:フリーランスと業務委託の違いとは?契約時の注意点もわかりやすくご紹介

収入アップを期待できる

会社員で歩合制の仕事をしている方などは、自身の実績で収入アップもできるかとおもいます。しかし、一般的に会社員は会社の評価によって報酬が上がっていきますので、自分が企業の売り上げに貢献したとしても、自分の意思で仕事の報酬額を増やすことができません。それに対して、フリーランスは自分で仕事を獲得し、自分で収入を上げることが可能です。売上を増やすための努力が必要なことは間違いありませんが、収入について自分でコントロールできることは、会社員にはないメリットといえるでしょう。

得意分野を活かして働ける

日本企業は、複数の仕事を覚えさせていく「ジョブローテーション」という方式を採っているところが多く、自分の得意な仕事だけをできるものではありません。会社や上司の指示にしたがって、仕事内容が変化する可能性は大いにありえます。それに対して、フリーランスは自分で仕事を選べるため、得意分野だけを事業内容として働くことができます。働く時間や場所に加えて仕事の内容も選択できるため、会社員に比べると自由度が高くなります。

デメリット

フリーランスのデメリットを3つお伝えします。

収入が不安定・変動しやすい

フリーランスは自分で仕事を獲得して報酬を受け取ります。そのため、仕事が獲得できなければ収入がなくなってしまいます。会社員の場合、極端な話にはなりますが、仕事をしなくても収入を得ることができるかと思いますので、その点は大きな違いになるでしょう。

また、BtoB、BtoCの業務形態を問わず、フリーランスは報酬をもらう相手の変化によって収入も変化していきます。クライアントから安定的に仕事をもらえていたとしても、契約内容などによってはいつ契約を打ち切られるか分かりません。また、一般消費者は自分の意思で商品などを購入するので、簡単に売上予測を立てることも難しいでしょう。

会社員の場合、一定の仕事をしていればほぼ間違いなく収入を得られます。しかし、フリーランスは一定の仕事をしていても収入が変動することがあります。「収入の安定」という観点からフリーランスを見ると、会社員に比べて見劣りすることは間違いありません。

不規則な生活リズムになる場合がある

フリーランスは時間と場所を選ばずに働けるため、不規則な生活リズムになりがちです。不規則な生活リズムでもよいと考える方もいらっしゃるでしょうが、生産性を安定させることや健康面から考えると、会社員のように一定のリズムで生活をするほうが望ましいでしょう。

フリーランスが生活リズムを保つためには、決まった時間に起きて仕事をするための工夫が必要です。仕事をする時間は一日⚪︎時間までと決めたり、コワーキングスペースなどと契約をするなどの対策を講じるとよいでしょう。

社会的信用度が低い

一般的に、フリーランスよりも会社員のほうが社会的信用度は高くなります。会社員はよほどのことがない限りクビになることがなく、一定の収入を安定的に得ることができるからです。フリーランスとしてクレジットカードやローンの審査を受ける場合、過去3年分の確定申告書を提出したり、仕事として借りている事業所があるか、事業用の電話番号があるかなども審査の対象となります。

当然ながら、フリーランスだからといってクレジットカードやローンの契約ができないわけではありません。しかし、会社員よりも審査が厳しくなることは間違いありませんので、これらの契約を結ぼうと思っている方はしっかりとした対策が必要です。

 

関連記事:フリーランスでもローンを組める?ローン審査を通過するポイントを解説

起業するメリットとデメリット

法人として起業するメリットとデメリットをお伝えします。

メリット

法人を設立するメリットを3つお伝えします。

決算月を自分で決められる

フリーランス(個人事業主)は1月1月から12月31日までが事業年度となり、確定申告の時期も原則的に毎年2月16日から3月15日となっています。そのため、出版やWEB、引越しなどの3月が繁忙期になりやすい職業のフリーランスは、仕事に加えて確定申告などもしなくてはならず、やることが膨大になってしまいます。それに対して法人を設立した場合、決算日を自由に決めることができるので、閑散期に決算に関連する処理をすることも可能です。また、法人の決算月は3月、9月、12月が多くなっています。

フリーランスと比べて節税しやすい

フリーランスは所得が上がるにつれて所得税が上がっていく累進課税制度が採られており、所得税率は5%から45%となっています。

 

 

出典:No.2260 所得税の税率|国税庁

 

それに対して、法人の場合は所得税ではなく法人税が徴収されるようになっており、法人の所得によって法人税率が15%から23.4%となっています。

 

 

出典:No.5759 法人税の税率|国税庁

 

フリーランスの場合、所得が330万円を超えると所得税率が20%になりますが、法人税は800万円以下であれば、法人税の区分によっては15%まで抑えられます。また、フリーランスの所得税率は所得が695万円以上で23%、900万円以上で33%です。

法人税は年収800万円を境にして一律の税率になっているのに対し、フリーランスは4,000万円まで所得税率が上がっていくため、所得の増加が見込まれるのであれば法人を設立したほうが節税できる可能性があります。

フリーランス(個人事業主)が法人に切り替えることを「法人成り」などといい、事業所得が高くなっていくにつれて法人の設立を検討する方も多くなります。しかし、どれくらいの所得で法人成りをするべきかは税理士の見解によって分かれており、600万円から1,000万円程度の所得になると、法人成りをしたほうが節税できるという情報が多いです。

法人になると社会保険に必ず加入しなければならず、自分ひとりで事業運営をする「1人法人」になるとしても、役員報酬の金額によって、会社の法人税と個人の所得税を納付する必要が出てきます。個人の状況や考え方、今後の事業展開などによって、法人を設立するべきか否かは変わってきます。法人成りを検討する際は、税理士などの専門家に相談するようにしましょう。

社会的信用度が高い

法人は、商号や資本金、代表者などを法務局に登記しなくてはならないため、フリーランスよりも社会的信用度が高くなります。銀行の融資やローン、クレジットカードの審査なども、個人事業主よりとおりやすくなることが一般的です。また、特に大手企業などでは、どれだけ実績があろうともフリーランス(個人事業主)とは契約をせず、法人のみしか取引をしないこともありますので、その点もメリットとなります。

デメリット

法人を設立するデメリットを3つお伝えします。

始めるための手続きが多い

法人を設立する場合、定款や法人の実印登録などを決めてから提出する法人登記に関する書類、税金に関する書類、社会保険に関する書類など、やらなければならないことがたくさんあります。フリーランスの場合、開業届を税務署に提出するだけで事業を開始することができますので、法人設立の手続きとは雲泥の差があるといっても過言ではありません。

開業資金が必要

法人を設立する際は資本金を払い込む必要があります。会社法上は1円の資本金でも法人設立が可能ですが、融資や見栄えのことを考えると1円の資本金はあまりおすすめできず、100万円前後で登録をする方が多いです。また、法人設立には定款印紙代4万円、定款認証代5万円、登録免許税15万円の計24万円が必ず発生する費用になります。加えて、法人設立の手続きを司法書士や税理士などに任せる場合、少なくとも10万円以上はかかるかと思います。フリーランス(個人事業主)が開業する場合、これらの費用はかかりませんので、この点も法人設立のデメリットといえるでしょう。

社会保険に加入する必要がある

1人法人の場合でも、法人を設立したら必ず厚生年金と健康保険に加入しなくてはなりません。会社員の場合、厚生年金保険料と健康保険料は会社との折半になるため、フリーランス(個人事業主)に比べるとお得な制度といえました。しかし、法人を設立すると自分が会社側になるため、厚生年金保険料と健康保険料の全額を納付しなくてはなりません。一般的に、フリーランスのころに加入していた国民年金保険料、国民健康保険保険料よりも法人を設立したほうが社会保険料は高くなってしまうため、月々の保険料という観点から見るとこの点はデメリットになるでしょう。

フリーランスと法人設立、選ぶならどっち?

自身が事業を開始するにあたって、所得が600万円以上見込める方や事業を大きくしていきたい方は、最初から法人設立を検討してもよいかと思います。そうでない場合、まずはフリーランス(個人事業主)として事業をはじめたほうが、選択肢を残して働くことができます。個人事業主から法人成りをするタイミングに決まりなどはありませんので、自身の考えが変わったときや所得が増えたとき、事業に対しての自信がついたときなどにアクションを起こせば問題はないでしょう。

また、所得が少ない時期はフリーランスのほうが税率が低く、事業をはじめる際に必ず発生する費用もありません。そのため、まずはフリーランスから事業を開始することをおすすめします。しかし、最終的には個人の判断によりますので、メリットとデメリットをよく考え、自分に合った選択をしていきましょう。

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