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Javaのプログラミングで出来ることまとめ【フレームワークも紹介】

近年ではITベンチャーの起業が多くなり、未経験からIT業界へ転職する人も増加してきています。そのような社会の流れに加えて、2020年から小学校でプログラミング教育が始まり、2021年には中学校、2022年からは高等学校でもプログラミングが必修科目となりました。

プログラミングについて詳しくなくとも、Javaという単語を見聞きしたことがある人は多くいらっしゃると思います。Javaは世界的な大企業のGoogleが開発に使っている、Google三大言語(Java、C++、Python)に加えられており、日本でもみずほ銀行や楽天など、さまざまな企業で利用されている有名で実績のあるプログラミング言語です。

今回の記事では、Javaの特徴や開発できるシステムなどを紹介しています。プログラミング初心者の人にもわかりやすいように、プログラミングの関連用語も解説していますので、ぜひともご確認ください。

Javaの言語としての特徴

Javaは1996年にリリースされたオブジェクト指向のプログラミング言語です。オブジェクト指向とは、プログラミング言語でシステム開発をする際の考え方のひとつで、役割を持ったモノ(オブジェクト)ごとに分割してプログラミングをしていき、分割したモノ同士を組み合わせて開発する概念のことをいいます。

オブジェクト指向のプログラミング言語が登場するまでは、手続き型のプログラミング言語といって、処理をしたいものをうえから順にプログラミングしていく形式をとっていました。しかしながら、手続き型言語では大規模な開発に十分に対応できなくなってしまい、その結果としてオブジェクト指向の言語が開発された経緯があります。

オブジェクト指向のプログラミング言語はJava以外にも、RubyやPHP、python、JavaScriptなどがあり、手続き型言語はC言語やCOBOL、Fortranなどがあります。

それ以外のJavaの特徴としては、汎用性が非常に高くなっているため、さまざまな種類のシステム開発ができることが挙げられます。なぜJavaは汎用性が高く、人気のあるプログラミング言語なんでしょうか?次の項から詳しく説明をしていきます。

実行環境を選ばない

プログラミングをする際には、プログラミング言語に合わせた実行環境が必要です。実行環境とは、開発したプログラムを実行するために必要なOSなどのソフトウェア(コンピューターを動かすプログラムの総称)のことをいい、プログラミング言語ごとに適したものを選ばなければいけなくなっています。

通常であれば、Windows、macOS、LinuxなどのOSによって開発をしたプログラムは、選択したOS上でしか機能しません。Windowsで開発したプログラムは基本的にはWindowsでしか実行できず、同じプログラムをmacOSに移行するときはmacOSに適したプログラムに書き換えなければならなくなっています。

一般的なプログラミング言語はそのようになっているのですが、JavaはJVM(Java Virtual Machine|Java仮想マシン)というソフトウェアがあるため、Windowsで開発したプログラムをmacOSでも簡単に実行することができるようになっています。

なぜそのようなことが出来るのかというと、JVMはどのようなOSでもインストールすることができ、それぞれのOSに対応するように、プログラミング言語を機械語に自動変換してくれるからです。(※1)

JavaはOSへの依存性がなく、どのような環境でも開発することができる汎用性の高さに加え、開発できるシステムも多岐に渡ります。実行環境と開発できるシステム、その両方ともに選択肢がたくさんあること、それがJavaの人気を支えている要因のひとつです。

(※1)プログラミング言語で記述したコードは、コンピューターがそのまま理解することができません。そのため、コンピューターが理解してくれる機械語に翻訳をして、開発したプログラムを実行するようになっています。

信頼性が高く求人数が多い

1996年にリリースされてから、Javaはさまざまな企業システムに利用されてきました。弊社TechReachの案件でも、Javaはプログラミング言語別の案件数で一番多いものになっており、Javaの1228件、JavaScriptの628件、PHPの589件と、案件数が下位のプログラミング言語より、約2倍以上の求人がある状態です。(2022年8月現在)

なぜそのような状態になっているのかというと、一番最初にお伝えした大手企業の利用実績や、上述した実行環境と開発できるシステムの汎用性の高さに加え、Javaはセキュリティが高く、実行速度が速いという特徴があるからだと考えられます。

Javaを提供しているORACLE社での説明があるように、Javaの開発や実行環境のセットであるJDK(Java Development Kit|JVMはJDKのセットの中のひとつ)がセキュリティを重視して設計されており、その設計意図のとおり、Javaはセキュリティが高い言語であると一般的に認知されています。

また、(※1)でお伝えした機械語への翻訳方法で、Javaは実行速度が速いコンパイラ言語であるという特徴があります。コンパイラ言語とは、プログラミング言語で記述したコードを、機械語へ一括翻訳する言語のことです。

コンパイラ言語に対をなす言語としては、インタプリタ言語が挙げられます。インタプリタ言語はコンパイラ言語のように機械語へ一括翻訳をせず、コードの記述ごとに機械語に翻訳をしていくプログラミング言語のことをいいます。

インタプリタ言語はその特徴から、記述したコードをすぐに実行し確認できるといったメリットがあります。しかしながら、その特徴ゆえに実行速度が遅いというデメリットがあるため、開発システムのスピードを重視するとコンパイラ言語に軍配が上がります。

Java以外のコンパイラ言語にはC言語やC++、Go言語などが挙げられますが、Javaとは得意分野や特徴が違います。また、インタプリタ言語でオブジェクト指向のRubyやPython、JavaScriptも同じように得意分野や特徴が違うため、総合的に見てJavaが利用される機会が多くなっています。

Javaにはさまざまな特徴、強みがあり、それらが現在でも色褪せないものであるために信頼性が高く、利用している企業が多いプログラミング言語です。

出典:Javaセキュリティの概要 – Oracle Help Center

Javaで出来ること

JavaはWebサイトやゲーム、CGソフトウェアの開発など、さまざまなシステムを開発することができます。今回は、上記3点以外のJavaで出来るシステム開発をピックアップしてお伝えします。

基幹系システム開発

基幹とは、『物事のおおもと、中心となるもの』と説明されている言葉です。それを踏まえたうえでの基幹システムとは、企業や事業のおおもとになる、極めて重要なシステムということができます。

代表的な例では、顧客管理システムや在庫管理システム、財務会計システムなどがあり、そのどれもが企業運営をするうえで必要不可欠なものであるといえます。Javaは過去の実績や特徴から、これらのシステム開発に用いられることが多いプログラミング言語になっています。

組み込みシステム開発

組み込みシステムとは、電子レンジや炊飯器、テレビ、プリンター、自販機、カラオケなど、コンピューター制御によって利用することができるシステムのことです。

具体例を挙げると、電子レンジでワット数や温め時間を選択するためには、組み込みシステムを搭載し、コンピューターで操作方法や操作結果を反映させるシステムを開発しなくてはなりません。これはボタンを押した結果が反映される、炊飯器やテレビ、自販機などでも同じような仕組みになっています。

Javaは開発のきっかけが家電製品への組み込みを目的としている経緯もあり、現在でもこれらのような組み込みシステム開発で多く利用されている言語です。(開発当初はOakという名前でしたが、Oakという名前が商標登録されていたのでJavaに改名されました。)

また、組み込みシステムと区別がしにくいものとして、IoT(Internet of Things|アイオーティー)があります。IoTとはモノがインターネットに接続されるシステムのことをいい、スマートフォンで遠隔操作ができるエアコンやプリンターのデータ送信、カラオケの採点機能で全国得点へのランキング比較などができる機能などのことをいいます。

IT技術が発展するまでは、組み込みシステムはインターネットに接続されていませんでした。しかし、現在では上述したエアコンやプリンターなどの他に、冷蔵庫や洗濯機、カーナビ、ドローンなどもインターネットに接続されています。組み込みシステムで紹介をしたJavaですが、IoTでも開発ができる言語になっています。

アプリケーション開発

JavaはWebアプリケーションやデスクトップアプリケーション、Androidアプリケーションなど、さまざまなアプリケーション開発ができる言語でもあります。アプリケーションとは『応用、適用』という意味の言葉です。OSという基本ソフトウェア上で開発をする、ある特定の目的を持った『応用的なソフトウェア』のことをアプリケーションといいます。

たとえば、Gmailもアプリケーションのひとつです。GmailはGoogleがメール機能を提供するために作成したアプリケーションとなっており、WindowsやmacOSなどのOS(基本ソフトウェア)を用いて、OSの機能とは違う、Gmailという特定の目的を持って『応用的に作成されたソフトウェア』であると説明することができます。Gmailに限らず、OSとは異なる特定の目的を持って作成されたソフトウェアのことを、アプリケーションと総称しています。

この項の最初にお伝えしたように、アプリケーションには、Web、デスクトップ、Androidなどの頭文字がついたものがあります。これらをGmailで説明すると、WebアプリケーションはGoogleやYahoo!JapanなどのブラウザからGmailを検索し、ブラウザ上で利用するシステムに該当します。ブラウザ上で利用する際はWebに接続されているので、Webで利用することができるアプリケーション=Webアプリケーションと説明することができます。

Webアプリケーションと同じように、パソコンでGmailをインストールしてデスクトップに表示され、利用できるものはデスクトップアプリケーション、Android端末にインストールして利用できるものはAndroidアプリケーション、といった具合です。

上記を踏まえてGmailを説明すると、GmailはGmailという機能を提供していながら、Web、デスクトップ、Android、それぞれに適したアプリケーションを開発していることになります。ひとつの機能をいろいろな環境で利用できる仕組みは、他のアプリケーションでも同じようになっています。

アプリケーションの説明が多くなってしまいましたが、Javaはここで紹介したすべてのアプリケーション開発ができる、汎用性が非常に高いプログラミング言語です。

Javaの習得は転職に有利?

ここまでに説明したような理由で、Javaはとても人気のある言語になっています。弊社TechReachでの案件数も一位と圧倒的に多いため、習得をすれば転職やフリーランスへの転身に有利になると判断ができます。しかしながら、Javaは他のプログラミング言語より文法やルールなどを覚えることが多く、プログラミング初心者には難易度が高いという反面もあります。

プログラミング言語の学習は、難易度が低いと言われているPHPやRubyなどから学習を始めるか、汎用性が高く実績のあるJavaから始めるか、将来性が高いと言われているPythonから始めるか、開発したいシステムに合わせて学習を始めるかなど、さまざまな選択基準があります。

個々人のビジョンによって選ぶものは自ずと変わってきますので、プログラミング初心者はよく調べたうえで習得する言語を決めるようにしましょう。また、PHPとPythonの違いに加え、プログラミング言語の特徴や選択基準などについて説明をしている記事もありますので、こちらも参考にしてみてください。

関連リンク:PHPとPythonの違いとは?特徴や習得難易度について解説

関連リンク:Laravel/サーバーエンジニアのフリーランスエンジニア向け案件・求人

Javaの人気のフレームワークも覚えよう

フレームワークとは、システム開発を簡単にすることができる枠組みのことをいいます。フレームワークを使うことによって、開発効率やコード記述の規律を保つことができるため、とても便利なものになっています。

具体例を挙げると、お問合せフォーマットを作成する際にフレームワークなどを使わないと、フォーマットの枠組みやボタンクリック時のデータ送信などを一からプログラミングしなければいけなくなります。しかしながら、お問合せに関する機能を搭載しているフレームワークを使えば、必要な枠組みが最初から用意されているため、一からプログラミングをする必要がなくなるという利点が生まれます。

お問合せフォーマットはあくまで一例になりますが、フレームワークにはシステム開発それぞれに適した機能があり、フレームワークを用いることで業務の効率化につながります。そのような理由から、フレームワークを利用している企業がたくさんあるため、エンジニアとして実績を積むためにも覚えておきたいスキルといえるでしょう。

加えて、フレームワークと同じように効率的な開発をする機能として、ライブラリというものがあります。フレームワークと同じくシステム開発時に必要になりうるスキルですので、興味がある人はご自身で調べることをおすすめします。

Javaで人気のフレームワークは、SpringFrameworkやSpringBoot、Play Frameworkなどがあります。それ以外のJavaフレームワークをまとめた記事もありますので、こちらも参考にしてみてください。

関連リンク:Java言語のフレームワークはこの5つを押さえよう【2022年版】

まとめ

情報化社会と言われる現代で、Javaはたくさんの企業に利用されてきました。過去、そして現在の実績を鑑みれば、Javaは時代を作ってきたプログラミング言語と判断することもできるでしょう。

プログラミング初心者から見れば、最初の言語としてJavaを選択することは良い点も悪い点もあると思います。しかしながら、Javaを習得すれば転職やフリーランスへの転身に有利になることは間違いないでしょう。さまざまな情報から判断し、習得する言語やキャリアプランを考えていただければ幸いです。

この記事の終わりとして付け加えさせていただくと、JavaはC言語から派生したプログラミング言語であり、その歴史を知ることで学習意欲の向上にもつながると考えられます。下記の記事ではJavaとC言語の違いや歴史についても記載していますので、ぜひともご参考にしてください。
関連リンク:JavaとC言語の違いとは?特徴や習得難易度について解説

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